和菓子が若者から敬遠されている現状を分析し、それを打開する施策を和菓子の持つ強みから考え、提案します。

1. 【現状分析】
なぜ、若者は和菓子を食べないのか。
考えられる理由としては以下のことが挙げられる。
・和菓子に合う食事、飲み物には強い制限がある。
例）アイスクリームやシャーベットはどんな食事、飲み物にでもマッチする。
しかし、和菓子は飲み物は基本的にお茶が好まれる。若者は年配の人に比べ、お茶よりも
甘い清涼飲料水を好む傾向にある。
・常温のものが多い
例えば真夏であれば冷たいスイーツが食べたくなるように、人は気温や季節に応じて食べ
るものを選ぶ。和菓子は常温のものが多い上に、季節感のあるものは少ない。逆にかき氷
のような夏の風物詩は和菓子であっても現代の若者に親しまれている。
・一つあたりの量が多く、腹もちがいい
和菓子の特徴として、もっちりとしていて一つ食べきると満腹感がある、ということが言
えると思う。それに比べてケーキやアイスは多く食べても満腹感を感じにくい人が多い。
そのため食後のデザートとして食べたいというニーズがあまり高くない。
・核家族化の進展
祖父母と同居する若者が少ないため、和菓子に触れる機会が少ない。
【和菓子の長所】
・ヘルシーであること
ケーキなどに比べて和菓子は健康的であるという印象は強い。また腹もちがいいため、ダ
イエット中の女性向けにはとてもいい食べ物であるといえる。
【施策】
30 代未満の若者が和菓子を食べるようになるためには。
★和菓子に合う飲み物を開発し、抱き合わせ販売を行う。
例えば「午後の紅茶微糖＝おにぎり公式飲料」というブランディングに成功した先行事例
があるように、和菓子に合う飲み物を開発することを提案する。その飲料のブランディン
グに斬新さがあれば、必然的に和菓子にも目が向けられると考えられる。

2. ★ユニークな和菓子の開発を行う
最近若者の中で流行っているスイーツは、見た目にインパクトのあるパンケーキである。
今まで普通の食べ物であったパンケーキを、大量のホイップとフルーツでデコレーション
することによって若い女性から圧倒的支持を得た。もしこの先行事例に続くような和菓子
の開発に成功したら、そのヘルシーさ故からも多くの支持を得られることが見込まれる。
「ユニーク和菓子創作コンテスト」等を行って、全国からレシピを募るのも良いかもしれ
ない。
新しい和菓子の開発時に、
「夏といえば○○」等のような季節感のある見た目や味、温度に
こだわるのも良いだろう。あるいは、
「勤労感謝の日は○○を送ろう。
」というようなブラ
ンディングを行って、若者が祖父母に特定の和菓子を送るような文化の形成も有効である
と考えられる。
★和菓子＝ダイエットをする女性の味方、というブランディングを行う。
多くの女性がダイエットに励んでいるものの、そのうちの多くの人が甘いものを我慢する
のが辛いという声を寄せている。そこで「一食 100 カロリーの和菓子」等のようにダイエ
ット中の女性に嬉しい商品開発、ブランディングは非常に有効であると考えられる。また
大きさも一回り小さくすることで女性が和菓子を買う誘因につながるといえる。
和菓子の最大の強みはケーキなど洋菓子よりも圧倒的にヘルシーであるということである
から、販売する際に栄養価の比較を存分に示すべきである。
（洋菓子も扱っているような飲
食店は除く）
。