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アーカイブズのこれからを
展望する
-電子記録、映像、記憶を中心に-
【ウェブ公開版】
九州大学ライブラリーサイエンス専攻
シンポジュウム講演
(2015年1月29日 九州大学箱崎キャンパス)
天理大学(人間学部総合教育研究センター) 古賀 崇
Email:
Web: http://researchmap.jp/T_Koga_Govinfo
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 1
本日の内容
• 前置き
– 自己紹介
– 「アーカイブズ」と「アーカイブ」をめぐって
• アーカイブズをめぐる視野を広げる契機とな
りうるものを提示
– 電子記録
– 映像
– 記憶
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 2
自己紹介
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 3
経歴:出発点は「政府情報へのアクセス」
• 福岡県柳川市出身
– 「古文書館」設立が「市立図書館」よりも先行
• 東京大学法学部(政治コース)卒
– 「情報公開を手続きではなく実体面で知りたい」
• 東京大学大学院教育学研究科(図書館情報学
研究室)修士・博士課程に在籍
– 米国の「政府刊行物寄託図書館制度」を研究
• 途中、米国シラキュース大学情報学大学院に
留学(「9.11」の前後)
– 米国国立公文書館の「参考資料室」でインターン
4Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved.
柳川古文書館(と、その近隣)
5Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved.
経歴(続き):図書館と文書館・記録管理
をまたぎつつ
• 国立情報学研究所(NII)助手・助教(2004~2008)
– 学術情報流通の調査、制度の研究
• 学習院大学大学院アーカイブズ学専攻 非常勤講師
(2008~)
– 「レコード・マネジメント(記録管理)論」担当
• 京都大学附属図書館研究開発室 准教授(2009~
2012)
– 学術情報リテラシーにかかわる教育活動とその企画
• 天理大学人間学部総合教育研究センター 准教授(2012
~)
– 「図書館司書課程」での教育
• 同志社大学大学院総合政策科学研究科図書館情報学
コース 非常勤講師<予定> 2015~)
– 「図書館情報学研究(政府情報論)」担当
6Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved.
「政府情報へのアクセス」の研究
• 政府刊行物の管理・提供
– 図書館での役割→ウェブサイトに取って代わられ
る?
• 公文書の管理・公開
– 情報公開制度の枠組みでの開示
– 「歴史的公文書」として文書館で管理・保存・公開
→ 「展示」・「デジタルアーカイブ」
• 政府ウェブサイトの管理
– この中で、従来の政府刊行物(白書、広報誌など)を
PDFの形態などで提供
– Excelなど「データ」の提供も(→後述「オープンデー
タ」) Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 7
詳しくは…
• 古賀の「researchmap」サイトより、さまざまな
文献のリンクなどを提示
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 8
前提的な話:
「アーカイブズ」と「アーカイブ」を
めぐって
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 9
「アーカイブの国家戦略」?
(下記いずれも2014年秋に刊行)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 10
今週月曜(1/26)に行われたイベント
事務局「文化資源戦略会議」のサイト:
http://archivesj.net/
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アーカイブズ学の側からの懸念
• 森本祥子「(コメント3)伝統的アーカイブズとデジ
タルアーカイブ:発展的議論を進めるために」
(『アーカイブズ学研究』15号、2011)より
– 「アーカイブズ資料の本質」:“組織・個人の活動を通じ
てその活動を反映するように生み出され、蓄積される
ものの集合体”
– こうした資料と“それを保存活用する場,保存活用す
るための方法論」を含めた総体が「アーカイブズという
概念のもとに論じられる”のがアーカイブズ学の立場
– 日本での“現在(注:2011年時点)のデジタルアーカイ
ブをめぐる一般的な議論では、アーカイブズを単なる
「情報が蓄積された施設」としか捉えていない”“アー
カイブズの総体が理解されていないのみならず、アー
カイブズの本質という、欠くべからざる視点が抜け落
ちている”
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 12
• 関連:森本祥子「日本アーカイブズ学会の設立、その成
果、そしてこれから」(『アーカイブズ学研究』21号、
2014)
アーカイブ(ズ)をめぐる
「拡散」と「基本の確立」
とのせめぎ合い?
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古賀としての整理の案(近著で発表予定)
アーカイブ
コレクション
遺産 記憶
証拠
…
博物館・図書館・文書館をつなぐ「最大公約数」としての「アー
カイブ」と、それをデジタル化した「デジタル・アーカイブ(ただし
海外には他の用語もあり)」
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古賀なりの「アーカイブズ」「アーカイ
ブ」への思い
• 「情報の多様化」の中で、いかにさま
ざまなものを保存・整理(=検索可能
化)し、「記憶」「証拠」につなげていく
か?
• 特定の媒体・形式にとらわれない(=
共通した)方法や思想は可能か?
• 本日は、上記の点を考えるための
「三題噺」として進めたい
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 15
トピック(1):電子記録
(オープンデータを中心に)
以下の拙稿に主に依拠:古賀崇「オープン
データ時代における政府情報アクセスの変
容をめぐる試論:Frank Upwardらの「レコー
ドキーピング情報学」を意識しつつ」
(『レコード・マネジメント』67号、2014)
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「記録」の幅の広がり
• 「紙の記録(文書)」を電子的なものに移し替え
ただけのもの
– WordやPDF
– 「文字データ」を読み取れるかどうか
• 電子メールのメッセージ
• 組織内のイントラネットのメッセージ
• SNSのメッセージ
– Twitter、Facebookなど
• オープンデータ、ビッグデータ
• 電子の画像・動画 など…
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オープンデータの意義
• 多くのデータを機械的に処理・分析できるしくみ
• 情報の加工・提示の仕方は「利用者」の意図・ス
キルに委ねる → さまざまな表現技法により、情
報の活用が可能に
• データどうしのリンクも意識される:「リンクト・
オープンデータ」
• 各国で政策として進められる
– 米国・英国が先行(data.gov, data.gov.uk)
– 日本では自治体が先行(鯖江市、横浜市など)、国も
「世界最先端IT国家創造宣言」(2013.6)など政策展
開を進める
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 18
(リンクト)オープンデータのための
「5つ星スキーム」(出典:http://5stardata.info/ja/ )
★ (どんな形式でも良いので)あなたのデー
タをオープンライセンスでWeb上に公開し
ましょう
★★ データを構造化データとして公開しましょ
う(例: 表のスキャン画像よりもExcel)
★★★ 非独占の形式を使いましょう(例: Excelよ
りもCSV)
★★★★ 物事を示すのにURIを使いましょう、そうす
ることで他の人々があなたのデータにリン
クすることができます
★★★★★ あなたのデータのコンテキストを提供する
ために他のデータへリンクしましょう
19Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved.
Data.go.jp http://www.data.go.jp/
(2013年3月公開、2014年10月より本格運用)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 20
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 21
http://www.open-governmentdata.org/
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 22
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 23
http://spending.jp/ → 柳川市
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 24
政府のオープンデータをめぐる
マニフェスト的な論考
• Robinson, David, et al. “Government data and
the invisible hand,” Yale Journal of Law &
Technology, Vol.11, 2009, p. 160-175.
http://ssrn.com/abstract=1138083
• Robinson, David G., et al. “Enabling innovation
for civic engagement,” Open Government:
Collaboration, Transparency, and Participation
in Practice. Daniel Lathrop, Laurel Ruma (eds.)
O’Reilly Media, 2010, p. 83-90.
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 25
Robinsonらの主張の要点
• 政府は貧弱なウェブサイトを運営するよりも、
データの提供、特に包括的な提供(providing
bulk data)に徹すべし
• データの提供に際するシステム上の工夫(=
価値の付与)は、営利・非営利問わず民間に
委ねよ
• 政府はデータ提供の際は、加工が容易なよう
に、コンピュータでの読み取りが可能な
(machine-readable)方式で、標準化を進める
べし
– 文字情報の場合はXML化が望ましい
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 26
(続き)
• 政府データの真正性については、データ全体に
電子署名を付与すればよい
– また、「もともとの情報源に遡って検証する」ことを
可能にするため、データ提供元のURLは固定させる
べし
• 政府自身からのAPIの提供も、ウェブサイトと同
様に、インターフェースや検索システムの面で
情報提供を制約してしまうことに留意すべし
↓
• 民間の手による政府情報の加工・流通の促進
をうたう
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 27
「情報のカオス化」と
「情報専門職の融合・連続体化」
• Frank Upward(「レコード・コンティニュアム」論の
発案者)らの主張
• 「記録(records)」はデータ、ドキュメント、情報、
アーカイブおよび「多様なアーカイブズ」へと分化
→ カオス化
• 「情報専門職の融合・連続体化」による対処の提
言
– 「20世紀における情報専門職の専門分化」からの転
換
– 「図書館とアーカイブズ」のような少数の領域の連携
では済まない(!)
28Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved.
29
政府・自治体
生データ
(統計、選
挙、予算、
地理、科学
など)
加工
編集
公文書
公
開
・
ア
ク
セ
ス
刊行物
ウェブ
(刊行物
的)
未加工→オープンデータ
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved.
なぜオープンデータについても
アーカイブ(ズ)のしくみが必要か?
• 従来の「公文書館」「図書館」「ウェブ保存」の
しくみから抜け落ちる分、データ提供の持続
性が保障されにくい
• 現に生じたこと
– 2013年10月:連邦議会での予算案不成立により、
米国連邦政府機関が「一時閉鎖」→data.govもア
クセス不能に
– 2014年4月:日本のData.go.jpが「年度限りでの
予算に基づく運用」であったため、一次休止(5月
に再開)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 30
大向一輝氏(NII)による提案
• “それぞれのサイトに格納されているデータはオープン
ライセンス(注:第三者による複製・利用を許容する)
が付与されていることから、事前に第三者がバックアッ
プしておき、代替サイトを立ち上げることも原理的には
可能である。”
– 実際にData.go.jpの休止に際し、大向氏ほか民間有志に
よるミラーサイトdatago.jpが立ち上がる
• “学術情報流通の分野では電子ジャーナルの長期保
存を目的として国際的にアーカイブを持ち合うCLOCKSS
が存在するが、それに類する枠組みによってデータの
永続性を担保することが図書館コミュニティにも求めら
れるようになるのではないか。”
大向一輝「オープンデータと図書館」(『カレントアウェアネス』
320号、 2014年6月20日) http://current.ndl.go.jp/ca1825
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 31
トピック(2):映像
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 32
ここでのポイント
• 映画・テレビ番組など商業的に流通するもの
プラス
• 個人が記録する映像
• なお、映像をめぐる保存活動や保存のしくみ
は「アーカイブ」の語で国際的にも統一
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 33
商業的な映像:テレビ番組の場合
• 作品としての映像に、「作り手」の手法やその
背景が反映される
• その手法・背景をより密に描き出したのが「脚
本」などの資料
↓
• 日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム(日
本放送作家協会などが主体、脚本は国立国
会図書館にて保存)
– 故・市川森一氏の提言が基盤に
– 現代表理事・山田太一氏のことば“いまは灰色に
見えても、後世どんな光を発するか分からない”
http://www.nkac.jp/
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 34
事例:「遠くへ行きたい」
(日本テレビ系 1970年10月~)
• 放送初期は、決して「今よくあるような旅番
組」ではなかった
• 国鉄「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンの
一環として放送開始されたものの、むしろ同
キャンペーンを「解体」する「作品」に
– 特に「出演:伊丹十三、演出:今野勉」のコンビ
– 例:ある回(伊那谷)において、地域での婚礼行
事に関し、「本当の婚礼が行われたのではなく、
地域の住民ともども『芝居』した」ことを、番組の
最後に伊丹のナレーションとして付け加える
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 35
伊丹のナレーション
(出典:後述の展覧会図録 p. 65.)
• “こういうのはウソだから放送しない方がい
いとあなたは思われますかね。でもウソを
承知でも、下栗の人々が村じゅう総出で、
誠意を込めて一芝居打ってくださったという
ことは、あくまで現実でしょう。どうも今思う
とすべてが白昼夢のように思えてくるので
すが…ともあれ、事の賛否はテレビをご覧
の皆様にお任せしたいと思う。では、ごきげ
んよう、さようなら。”
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 36
関連する展覧会
• 「ディスカバー、ディスカ
バー・ジャパン 「遠く」へ
行きたい」
– 東京駅・東京ステーション
ギャラリー、2014年9月13
日~11月9日
– 「遠くへ行きたい」の前述
の回などを上映
– 図録に今野氏へのインタ
ビューを収録
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 37
個人の映像:考察の契機(1)
• 大学・地域・連携シン
ポジウム「映像、アマ
チュア、アーカイヴ」
– 共催:神戸大学地域
連携事業「映像を媒
介とした大学とアーカ
イブの地域連携」ほ
か
– 2014年3月1日・2日、
神戸大学、神戸映画
資料館 http://kobe-eiga.net/event/2014/03/
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 38
個人の映像:考察の契機(2)
• 原田健一・石井仁志
(編著)『懐かしさは
未来とともにやってく
る:地域映像アーカ
イブの理論と実際』
(学文社、2013)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 39
「個人の映像のアーカイブ」として
示されたこと
• 「パテベビー」という個人撮影用9.5mmフィルムが、
大正末期から戦前までの短期間に日本国内で普
及
– アマチュアカメラマン同士でのコミュニティの確立:家族・
地域の記録だけでなく、「芸術的手法の試み」も残され
る
• これ以外の技術も含め、「一般の人々が新たな映
像技術≒記録技術にどう向き合ったか」が映像に刻
まれる
– 単に「人々や地域のかつての姿を確認するための記録
が残される」だけでなく
– 例:動画であるが、あえて「演劇風の姿勢」を固定させた
姿を撮る Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 40
「地域の差」「国の差」はどうだったか?
• 例えば、パテベビーほか
映画技術を生み出した
フランスと、日本との違
いは?
– (右)リヨン市「ガダーニュ
博物館」:市歴史博物館
として、リュミエール兄弟
による初期の映像記録・
機材を展示
• より大規模には「リュミ
エール博物館」がリヨン市
郊外にありCopyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 41
ある疑問
• 日本の社会学の領域では「映像の社会学」「映
像のアーカイブ」への関心が高まっているが、
• ここでの研究者は、実際のアーカイブに携わる
者(映像のアーキビスト)や、アーカイブに必要な
スキルにどれだけ関心を寄せているのか??
– 関連:『テレビCM研究』Vol.2, No.2「シンポジウム報
告書:テレビ文化は残せるか-著作権・アーカイブ
ス・コマーシャル-」(京都精華大学表現研究機構、
2009. 古賀の質問も収録) http://www.kyoto-
seika.ac.jp/researchlab/?post_type=report&p=256
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 42
例えば…
• 具体的な「映像アーカイブのためのスキルや、
諸外国での実践」は、どれほど伝わっている
か?
– 児玉優子「アーカイブズと動的映像アーカイブ--近
くて遠い隣人?」(『アーカイブズ学研究』11号,
2009)
– オーストラリア・アーキビスト協会『キーピング・
アーカイブズ(Keeping Archives)』翻訳の連載(第
17章・音声記録、第18章・動的映像、ほか)勉誠出
版ウェブサイト.
http://bensei.jp/?main_page=wordpress&cat=7
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 43
言い換えれば…
• 「何かを残す意義」について、社会学での議
論をアーカイブズ(学)の側に取り入れていく
余地がある
– 社会学での「記憶」論も手がかりに?
(→次のトピック)
• 逆に、「残すための技法や人的スキル」につ
いて、アーカイブズ(学)から社会学などの領
域に発信していく必要がある
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 44
トピック(3):記憶
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『ペコロスの母に会いに行く』
(岡野雄一著・画、西日本新聞社、2012)
• 岡野氏が、認知症
となった母(光江さ
ん)の様子を、亡父
の思い出や、母の
生涯とともに描き出
す
• 舞台は長崎や天草
(母の出身地)
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『ペコロスの母の玉手箱』
(岡野雄一著・画、朝日新聞出版、2014)
• 『母に会いに行く』
の続編
• 2014年8月に亡く
なった母のことも描
かれる
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 47
(関連)『樂』
(季刊、イーズワークス)
• 長崎発の「クオリティ・
マガジン」
• 岡野氏が「ペコロスの
タイムマシーン」を連載
中
– 古賀はここで初めて岡
野氏のことを知る
• 右は第22号(2013.12)
– 写真は「長崎学」の重
鎮・越中哲也氏
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映画版『ペコロスの母に会いに行く』
(森﨑東監督、2013)
• 森﨑氏のテイストや
メッセージが、原作
に加えられる(後述)
• 第87回キネマ旬報
日本映画ベスト・テン
第1位 ほか、各賞
受賞
• 2014年7月にDVD &
Blu-ray発売
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森﨑監督の苦闘
• NHK・Eテレ ETV特集「記憶は愛である~森﨑
東・忘却と闘う映画監督~」(2013年12月21
日(土)放送)
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2013/1221.html
– “「記憶を失っていくのは、悪いことばかりではな
い」という(原作)漫画に込められたメッセージ”
– “一方、森﨑は、記憶が失われてゆくことをよしと
せず、あくまで忘却に抗おうと考えていた。認知
症という題材を、介護する息子の立場からではな
く、記憶が薄れていく母親の目線から描こうとす
る森﨑。”
– “実はこのとき、森﨑の身体に、ある異変(=認知
症の兆し)が起こり始めていた・・・。”
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森﨑監督の思い
• 森﨑東『改訂 頭は
一つずつ配給されて
いる』(パピルスあい、
2013)
+
• 森﨑東公式ホーム
ページ(「早春賦」のエ
ピソードも;後述)
http://keisway.sakur
a.ne.jp/hadasi/
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「脳味噌の中の映像記録」
の章(p. 78~)より
• 「養老ホームでのボケ防止策」→“失われかけて
いる記憶を音によって蘇らせるのが可能である
ということは、僕の中に「記憶は愛である」という
言葉を思い出させる。”
• ポーランドの公害を描いた映画作品『死のトライ
アングル』(1990)を観て、森﨑氏の戦時中の三
井三池製錬所での「地獄絵図」の体験が蘇る
– “不思議なことに、その蘇りは苦痛を全く伴わず、か
えって幽かな悦びを伴っていた。(中略)おそらく、そ
の悦びは、記憶の蘇り、そのものから来る単純な喜
びだったに違いない。”
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 52
「記憶は愛である」
• “思い出したくもない惨めな記憶も、長い
間には、思い出すのが楽しくなる、時の
力は偉大だ、と人は言う。時が偉大なの
ではない。死滅しかかった脳味噌の記憶
細胞を、蘇らせることの可能な脳の力が
偉大なのだ。そして、その偉大さの実感
が楽しいのであり、それはほとんど愛な
のだ。”(p. 85)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 53
映画版『ペコロス』では…(注:少しネタバレ)
• カギとなる歌は「早春賦」
– 出だし:幼き日の「みつえ」と親友「ちえこ」は、天草
の女学校(実は活水女子大がロケ地)での合唱を聴く
– ラストシーン:「長崎ランタンフェスティバル」中に家
族とはぐれた老母「みつえ」は、眼鏡橋の上で「早
春賦」をふと思い出し、口ずさむ。その「みつえ」の
眼の前に現れた「記憶の姿」は…
ランフェス中の眼鏡橋
(2013年2月23日撮影;
映画とは無関係) →
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 54
(続き)
• 映画の中盤で
– 息子「ゆういち」に車で連れられた「みつえ」は、郷里・
天草が見える海岸(茂木)で「学徒動員の歌」をふと口
ずさみ、「この歌、好かん」とつぶやく…
– このシーンは森﨑監督があえて追加:ETV特集でも扱
われる(この歌も前掲書で言及)
– これもまた「記憶は愛である」ことの証し?
↓
• ともあれ、「(惨めなものも含め)記憶は愛で
ある」という森﨑監督のメッセージが、映画版
『ペコロス』に託されたのは確かでは…
– ただ、その記憶はどう引き継がれるか?
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 55
「メモリースケープ」
• 音楽・歌がもたらす記憶
の働き → 理論化の
試み?
• 社会学者・小泉恭子氏
(大妻女子大学准教授)
が著書でまとめる
– 『メモリースケープ:「あ
の頃」を呼び起こす音
楽』(みすず書房、2013)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 56
小泉『メモリースケープ』より
• 「記憶装置」としてのメディアあるいは「場」
– 「うたごえバス」、フォーク酒場(佐賀市、伊万里市、福
岡市、宮崎市の事例)、コミュニティラジオ、映画サント
ラをめぐるサークル活動
– 「社会的文脈に埋め込まれた音楽と記憶の諸相」:個
人的記憶、集団的記憶、文化的記憶が重なり合う
• 記憶のあり方
– 「住まわれた記憶」:人々や集団の生活に密着したも
の
– 「住まわれざる記憶」:制度化・商品化されつつ、生活
からは乖離
• 例:美術館での展示、ノスタルジア消費のための商品
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 57
関連して…
• 小泉氏がまとめる「記憶論(記憶の学問)」は、
故Terry Cookも注意を促している
– Cook「過去は物語の始まりである」(『入門・アーカ
イブズの世界』日外アソシエーツ、2006 所収)の
「注3」に文献を列挙(多くは邦訳あり;巻末に補足)
→記憶論と、アーカイブズ学や関連領域をいかにつ
なげていくか?
• 歴史資料、公文書、文化財などのレスキュー
活動と「記憶」とのつながりをどう考えるか?
– (関連)柴田邦臣ほか編『思い出をつなぐネット
ワーク:日本社会情報学会・災害情報支援チーム
の挑戦』(昭和堂、2014)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 58
まとめると…
• 個人の活動に必ずしも直結した(例:その人
が自ら書いたor作ったor撮影した)ものではな
いが、個人の記憶や「集団的記憶」を呼び覚
ます作品・音楽・映像・モノなどがある
– 「死滅しかかった脳味噌の記憶細胞を、蘇らせる
ことの可能な脳の力」(森﨑)の触媒になりうるも
の
• これらも「アーカイブ(ズ)」=「守り伝えていく
べきもの」の範疇には入らないだろうか??
• そして「情報の多様化」の中で、記憶のあり方
もどの程度変化するか/しないか??
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 59
おわりに
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 60
ひとまずのまとめ
• 公文書・政府情報や「多様な情報」の保存・
整理に対する法制度的な手当を行っていく
のに加え、
• 「多様な情報形態(あるいは映像・音楽や
モノも含め)」と記憶とのつながりを、身近な
ところから「草の根的」に追求・解明していく
ことが、
• 日本においてアーカイブ(ズ)の基盤を確か
にするのに有効かつ必要なのではない
か? Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 61
例えば…
(古賀の父の他界(2014.12)ともかかわって)
• 『葬儀のあとの手続き事典』(池田書店、2002)
の「編集者のことば」より
– “人の死はその人に関係していたすべての権利・
義務関係の終わりでもあります。ですから、葬儀
の後にしなければならない、あるいはしなければ
不利益を被る届け出や手続きが集中してきます。
(中略)本書で紹介する手続き的観点から見た『終
末の文化にまつわるすべて』はあなたにとってきっ
と役に立つものと確信します。”
http://www.ikedashoten.co.jp/book-
details.php?isbn=978-4-262-11387-6
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 62
(続き)
• 「終末の文化」は手続きだけのものか?
• 「エンディングノート」あるいは「企業・団体の
解散手続き」にとどまらず、人や企業・団体と
して残していくもの、後の人々に継承していく
ものをどう定めていくか?
– もちろん、手続きの観点で継承すべきものも存在
するが
• そして、継承のしくみ(=アーカイブ(ズ))をど
う構築していくか?
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 63
アーカイブズ学や「ライブラリーサイエ
ンス」の教育の面から
• “修士課程に入るような有能な学生を確保し
たいというならば、我々は退屈な苦役よりも
知的な興奮を提供しなければなりません”
– James Currall, Michael Moss(ともに英国グラス
ゴー大学(当時);古賀崇訳)「俺たちゃアーキビ
スト、でも陽気でいられるか?(We are archivists,
but are we OK?)」(『電子時代のアーカイブズ学
教育:第2回アジア太平洋アーカイブズ学教育国
際会議報告集』(CD-ROM)、青山英幸編、岩田書
院、2008 所収)
Copyright (C) 2015- Takashi Koga. All rights reserved. 64
ありがとうございました
• 本講演は下記による成果の一部です。平成
25・26年度科学研究費助成事業 若手研究
(B)「オープン・ガバメント時代の政府情報アク
セス制度・政策と図書館・文書館等の役割」
(課題番号25730191、研究代表者:古賀 崇)
九大の、福岡の
(そしてこれらに
集った人々の)
記録と記憶の
行方は?
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