Node学園 41時目 書籍について で使用した発表資料です。 https://nodejs.connpass.com/event/275061/

1. Unicodeを触る
2023-02-28
@takenspc

2. 最終的に話す内容
• 正規表現のvフラグ
• ECMAScript proposal: RegExp `v` flag with set notation + properties of
strings
• Stage 3
• V8 11.0/Google Chrome 112で利用可能

3. https://github.com/tc39/proposal-regexp-v-flag

4. 今日の内容
•発表者の背景
•正規表現のuフラグで出来ること
•正規表現のvフラグに期待すること

5. 発表者の背景
•書籍ではないものの文字やテキストを扱うことが多い
• 文字が意図せず変わっていたり、意図しない文字がつかわれていたりする
ことをチェックする機会がある
•一次調査などで正規表現を使うことが多い

6. 正規表現のuフラグで出来ること
•uフラグ
/…正規表現…/ // uフラグなし
/…正規表現…/u // uフラグあり
•uフラグでできること（の一部）
• Unicodeの情報を使ってマッチ対象を表現

7. 例：「カタカナ」を探したい
• /p{sc=Katakana}/u
• UnicodeでScriptがKatakanaに分類される文字にマッチ
• 一般的なカタカナの概念とは少し異なる
• 半角カタカナ（ｱｲｳ）や組文字（㌱㌀㍇）、丸付き文字（㋐㋑㋒）などにも
マッチする
• 長音記号（ー）にはマッチしない
• NFDや半角カタカナの濁点や半濁点にはマッチしない

8. マッチ対象を増やすことはできる
• /[p{sc=Katakana}u3099-u309Du30FCuFF9EuFF9FuFF70]/u
• UnicodeでScriptがKatakanaに分類される文字と次のものにマッチ
• u3099-u309D: NFDなどの濁点・半濁点
• u30FC：長音記号
• uFF9EuFF9F：半角カタカナの濁点・半濁点
• uFF70：半角カタカナの長音記号

9. マッチ対象を減らすには？
•vフラグを使うと簡単に書ける

10. 正規表現のvフラグに期待すること
• vフラグ
/…正規表現…/ // uフラグなし
/…正規表現…/u // uフラグあり
/…正規表現…/v // vフラグあり
• vフラグでできること（の一部）
• マッチ対象を減らせる

11. 例：原稿から意図せずコピーされる文字
• PowerPointなどで強制改行しているテキストをコピーすると改行が垂直タブ
（U+000B）としてコピーされる
• 某Webサービスのリッチテキストをコピーするとゼロ幅空白（U+200B）が入る
……
個別に対応していくと終わらないため、まとめて検索したい

12. 制御文字などを探したい
•/p{gc=Other}/u
• UnicodeでGeneral CategoryがOtherに分類される文字にマッチ
• この正規表現は実用しにくい
• 空白やタブ、改行などにもマッチ
• 絵文字で使われる制御用の文字（U+200D Zero Width Joiner）もマッチ

13. マッチ対象を減らす
• /[p{gc=Other}--[ trnu200D]]/v
• vフラグを使うとUnicodeでGeneral CategoryがOtherに分類される文字か
ら--以降を除いてマッチ
• 空白やタブ、改行などにはマッチしない
• 絵文字で使われる制御用の文字（U+200D Zero Width Joiner）には
マッチしない

14. まとめ
• 正規表現のuフラグ：Unicodeのプロパティを使ってマッチ対象を表現
• Unicodeのプロパティは要件と合わないこともあり、マッチ対象の調整が発生す
ることも
• 既存の正規表現でもマッチ対象を増やすことは可能
• vフラグを使うとマッチ対象を減らすことが可能
• 正規表現やUnicodeを上手く使ってテキストと付き合いたい

15. 参考
•ECMAScript proposal: RegExp v flag with set notation +
properties of strings
•RegExp v flag with set notation and properties of strings · V8
•Unicode Utilities: Description and Index