今後の九州経済とIoT/industrie4.0との関わり
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九州経済産業局主催のセミナーで話した資料です。 ちなみにP.11からP.14は、とあるトコロで拝聴した見解の私なりの解釈です。
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今後の九州経済とIoT/industrie4.0との関わり
- 2. 情報通信技術の進化がもたらすもの T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 2 同じものが 安くできる • 採算に乗らなかった財・ サービスが登場 今あるものが 違うやり方で できる • ヒト・モノ・カネを効率的に活 用できる体制が完成 • 他の産業で波及効果が発生 新しい財・サー ビス、新産業が 生まれる • IoTによる「革命」 電力革命の場合、 このプロセスだけ で 40年を要した。
- 4. N:1→1:1→1:Nという環境変化 T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 4 IBM System/360（1964年） 出典：Ben Franske Macintosh（1984年） IoT（1999年～） 出典：http://www.eljardindigital.com/wp-content/uploads/2015/09/InternetOfThings1.jpgに加筆
- 5. IoTに期待される効果 T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 5 1. 製造業のサービス業化 ◦ モノではなく、モノが実現するサービスを ◦ 期間契約による利用者の囲い込み 2. 需要と供給のマッチング（最適化） ◦ これまでの取引システムでは対応できなかっ たきめ細かな対応 ◦ ボーダレス化、リアルタイム化 ◦ ディスインターミディエーション（中抜き） 3. マス・カスタマイゼーションの実現 ◦ インダストリー4.0のウリのひとつ ◦ 製造機械や部品にセンサーを取り付け、あら ゆるデータをネットワークに接続 ◦ 標準化した「カンバン」により、国内外の製 造現場を連結し高効率かつ柔軟な多品種少量 生産を可能にするシステム（坂村健氏による解釈） 出典：Wilgengebroed on Flickr
- 9. “Industrial Internet” vs. “Industrie4.0” T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 9 経済産業省の解釈 出典：経済産業省製造産業局（2015）「IoTによるものづくりの変革」http://www.nisc.go.jp/conference/cs/kenkyu/dai01/pdf/01shiryou0604.pdf
- 10. Industrial Internetは、そも そもマスカスタマイゼーショ ンを定義しておらず、ま た、産業の枠に当てはまら ない、CPSによる生産向上 に主眼を置いているため、 この軸での評価はしない 最適化範囲の違い？ T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 10 Industrial Internetは、そも そもマスカスタマイゼーショ ンを定義しておらず、ま た、産業の枠に当てはまら ない、CPSによる生産向上 に主眼を置いているため、 この軸での評価はしない Brilliant Factory 九大ゼミ生（野口・田川・タン）による整理
- 12. Industrie4.0やIndustrial Internetはパラダイム転換を指向 T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 12 A社 A社系列 A社系列 A社系列 A社系列 B社 B社系列 B社系列 B社系列 B社系列 C社 C社系列 C社系列 C社系列 C社系列 D社 D社系列 D社系列 D社系列 D社系列 A社 B社 C社 D社 垂直統合型・自前主義モデル 水平分業型・オープンイノベーションモデル 個別機能同士の直接競合を避 けつつ、垂直方向への個別最 適化による系列間競争を指向 最適モジュールの組合せ による競争優位の模索 インターフェース 情報の共有 コア技術の獲得 競争 要素技術の最適組合せ競争 CPSによる コントロール 系列間の競争
- 13. ひとつの見解 企業への短期的なインパクトは小さいが、中長期的には避けられない重要テーマであり、 無視するのは危険 ◦ インダストリー4.0が今後3年以内に、日本企業に致命的なインパクトを与える確率は低い ◦ ただし、5～10年先の経営戦略には必須のテーマであり、無視するのは危険 ◦ 5年後に相手にするのは、先進国の製造ノウハウで武装された低コストの新興国の製造業 ◦ 先進国製造業は、新興国の経済成長を取り込み、さらに成長を遂げる そのため、長期戦略（5～10年のブループリント）の検討に着手すべき ◦ 既存の事業構造の見直しが必要 ◦ マザー工場の概念を再構築し、国内に「スマートなマザー工場」を残すための投資が重要 ◦ 生産技術部門を基礎とする「製造プラットフォームサービス事業」への事業展開を検討すべき ◦ バリューチェーンのポートフォリオを構築 ◦ 競争優位性を有する価値創造の原点となるコア・モジュールを各社が定義することが必須 ◦ ITによるコア・モジュールのブラックボックス化の検討 ◦ 新興国のリソースを活用したビジネスモデル設計 T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 13
- 14. とるべき長期戦略は二段構え グローバル展開を目指す企業の場合 系列内のみの部分的最適化戦略から、より高次の全体最適化を狙ったオープンイノベーショ ン戦略への転換を検討すべき ◦ 前者の力を信じるのであれば、徹底的な独自路線を追及 ◦ 後者であれば、自社のコアコンピタンス以外は全てアウトソース（＝製造プラット フォームサービス産業へ転換）する覚悟が必須 グローバル企業を支える中小企業群の場合 オープンイノベーションの波が押し寄せても揺るぎだにしない「匠の技」を深化させ、かつ ブラックボックス化することが必要 ◦ ブラックボックス化が十分でないと形式知・組織知としてデジタル化されCPS上に展開さ れ、あっと言う間にグローバルに汎用技術化 ◦ 「匠の技」を磨くことでオープンイノベーション競争に勝ちあがり、「スマートなマ ザー工場」の一翼を担うことを目指すべき ◦ さもないと、……. T.JITSUZUMI@「第4次産業革命・IoTの動向と九州の産業研究セミナー」（2015/11/17） 14
Notes de l'éditeur
- Brilliant Factory固有の特徴である、Advanced Manufacturingである。その定義は以下の通り。 Advanced Manufacturingとは、GEが提唱する概念であり、製造業において、3Dプリンタ等の新たな製造技術を使うことにより、設計、製造といったプロセスのスピードを上昇させることである。