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顧客開発モデル概要(Samurai Venture Summit 4)
- 1. 顧客開発
顧客開発モデル概要
概要
スタートアップがキャズムに到達するための実践的手法
2011年9月
堤 孝志
ttutumi@gmail.com
註:本資料の内容は、個人の見解に基づいており、所属する組織の見解を示すものではありません。
1
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- 3. こんなふうに思ってませんか?
「画期的な技術なので売れるに違いない」
「良いアプリなので皆使うはず」
「メディアでも多数取り上げられたので千客
万来間違いなし!」
「豊富な人脈があるので売るのは完璧」
実際は思いのほか売れないことが殆ど。
売れなければ当然に事業は行き詰る。
早めに顧客と話をして「思い込み」を事実に変えることが大事!
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- 4. キャズム?
今日の副題「スタートアップがキャズムに到達する
ための実践的手法」
新規事業では、「キャズム超え」どころか、ビジョナ
リーさえ獲得できないことが少なくない。
リ さえ獲得できないことが少なくない
出典:「Crossing The Chasm」, Geoffrey A. Moore著
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- 5. 顧客開発モデル(Customer Development Model)とは
4つのステップで顧客不在リスクの低減を図る経営プロ
4 のステップで顧客不在リスクの低減を図る経営プ
セス。
E.piphany社など多数のベンチャー経営に関与した米国
のシリアル・アントレプレナーSteve Blank氏が自らの経
のシリアル アントレプレナ St Bl k氏が自らの経
験をもとに開発。
シリコンバレーを中心に全米でスタートアップの経営手
法として定番化しつつある。
Steve Blank氏
スタンフォード大やUCバークレーでも大人気の授業。
顧客発見 顧客実証 顧客開拓 組織構築
(ニーズの確認) (有償販売と拡張 (市場参入・需 (本格販売)
性の確認) 要開拓)
ピボット
(軌道修正)
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- 6. 製品開発プロセス
製品コン 製品開発 評価試験 発売・出
セプト作り 荷開始
営業・マーケティングプロセス
販売開始準 本格販売
備・無償ベー
タ版提供
顧客開発モデルによるプロセス
製品・サービスを発売開始した後に、
顧客が思いのほかいないことに気づく。
顧客が思いのほかいないことに気づく
顧客発見
仮説/検証
顧客実証
実証
顧客開拓
参入/開拓
組織構築
拡大
手遅れに。
顧客開発モデル開発段階から顧客の存在を確認し、売
れずに行き詰るリスクを低減する経営プロセス
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- 7. 顧客開発モデルの特徴
開発段階から、「ニ ズの存在」、「売れること」
開発段階から 「ニーズの存在」 「売れること」
、「顧客へのリーチ」を確認する。
顧客志向。顧客をもって確認する。
顧客志向 顧客をも 確認する
手戻り、軌道修正(ピボット)を前提としている。
時間がかかるかもしれないのでリーンにやる。
顧客発見 顧客実証 顧客開拓 組織構築
(ニーズの確認) (有償販売と拡張 (市場参入・需 (本格販売)
性の確認) 要開拓)
ピボット
(軌道修正)
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- 8. 顧客発見ステップ
自分のビジョンや考えを顧客と話して実際そうなのか
確認する。
仮説として書き出し、顧客をもって検証する。
検証すべき最重要事項
顧客 顧客は誰か?想定するタ ゲット顧客であっている
顧客:顧客は誰か?想定するターゲット顧客であっている
のか?
価値:自分の製品・サービスは顧客にとって価値があるの
価値:自分の製品・サ ビスは顧客にとって価値があるの
か?どうして価値があるのか?どの程度のものか?
製品・サービス:「自分の製品・サービスはその価値を本当
製品 サ ビス:「自分の製品 サ ビスはその価値を本当
にもたらせるのか?
合格基準:ニーズがあること(=大きな価値があり、製品・サービスがそれをもたらせる
こと)が確認できたこと
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- 9. 価値
「その事物がどのくらい役に立つのかの度合い 値打ち」
「その事物がどのくらい役に立つのかの度合い。値打ち」
、「商品が持つ交換価値の本質とされるもの。」 出典:大辞泉
ニーズの源泉
代表的な価値の源泉
BtoB: 売上増、シェア増加、コスト削減、顧客維持、開発期間短
縮、業務効率化、退職率減少、リスク低減、等。
縮 業務効率化 退職率減少 リ ク低減 等
BtoC:快適、簡単(すぐ)、便利、安心・安全(健康)、環境、夢・感
動(楽しい おいしい)、等。
動(楽しい・おいしい)、等。
「課題を解決する」とすると価値が分かりやすい。
だから顧客発見では「顧客の課題」を仮説検証する。
程度:「いいね」 v.s 「絶対必要」
Nice to HaveかMust Haveか
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- 10. p p
例:Instapaper
顧客の課題
・見たいWeb記事を再び見つけるのに時間がかかる。
見たいWeb記事を再び見つけるのに時間がかかる。
見つけられないことも少なくない。
・良いWeb記事なのに今はじっくり読む時間がない。
・画像も含めて見たい。
・今はコピペでやってるが面倒。さくっと簡単にやりたい。
製品
・見ているWebページをクリック1つで保存する。後で、
見ているWebペ ジをクリック1つで保存する。後で、
PCでもスマホでも閲覧可能。テキストだけでなく、画像
も保存するので同じページが再現される。
顧客の重要な課題を解決する。だから価値がある。
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- 11. 顧客発見ステップ:仮説構築と検証
大項目 小項目 検証後によくある発見・驚き(例)
顧客 ターゲット層(誰が買うのか?) ターゲット層が違った
顧客の課題・不満・欲求 課題・欲求はそれほどでもなかった
MVP 利用者と費用負担者が違った
利用者と費用負担者が違 た
顧客のタイプ 日常からすると現実的でなかった
顧客の日常 顧客の立場からは採算が合わない
ROI ○、×という機能は要らない
製品・価値
製品 価値 製品がもたらす価値 思うような価値がなかった
思うような価値がなか た
製品仕様(機能・性能) 既存品との差があまりなかった
所有と活用のための全体コスト(TCO) 製品以外の部分でのコスト負担大
依存性(製品普及上、必須となる前提)
開発・出荷スケジュール
市場タイプ 既存市場、新規市場、再セグメント化された市 再セグメント化不十分で既存市場へ
場 の参入になると判明
競合 直接競合 競合相手が強すぎた
代替品 意外な競合の発覚
後発参入
収益モデル 価格 値段が高すぎる
コスト サポートコスト負担が重い
需要喚起策 販売促進・広告宣伝手法
販売促進 広告宣伝手法 リーチするための媒体が違った
リ チするための媒体が違った
ご意見番
販売チャネル 流通経路 思いのほか流通が複雑
流通コスト(マ ジン)
流通コスト(マージン) 代理店の交渉力が強すぎる
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- 12. リーンスタートアップ
アジャイル開発と顧客開発の融合
アイデアを基にコーディングし素早くMVPをリリース。顧客の反応に応じて
アイデアを基に ディングし素早くMVPをリリ ス。顧客の反応に応じて
軌道修正(ピボット)し、またコーディングしてリリースを、繰り返す。
このサイクルを早回しすることで顧客ニーズに即した製品・サービスを効
率的に立ち上げていく方法。
率的に立ち上げていく方法
特にインターネットサービスの立ち上げに向く
出典:Lessens Learned(ブログ)、Eric Ries著
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- 13. 顧客開発事例:メイシー
項目 仮説 検証結果と学び
製品
製品・ 名刺管理クラウドサ ビス
名刺管理クラウドサービス -検索機能が最も重要な機能
検索機能が最も重要な機能
価値 -外出先でも携帯電話からアク -簡単に、しかも細やかな検索が
セス可能 必要
-Macライクな使いやすいUI -グーグルのような検索窓から
グ グルのような検索窓から
キーワード検索できると良い
-名刺データ入力サービスで
入力の手間を解消 -大量の名刺を第三者に預けるの
は懸念される。
-検索、電子メール、メールリ
検索 電子メ ル メ ルリ
ストなど機能も豊富 -利用者が自分で入力できる
モードが必要。
-思いのほか名刺入力サービスの
価値が認められない。
-凝ったGUIは要らない=> シンプ
ル化(たった2画面)
ル化(た た2画面)
顧客 -営業部門のある企業 -大企業は難しい。
-個人事業主
個 事業 -中小企業や個人事業主の方が話
中小企業や個人事業主の方が話
が早く進みそう。
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- 14. まとめ
スタートアップや新規事業の失敗の原因は「
タ プや新規事業 失敗 原 は「
モノ」が売れないことが圧倒的。
製品・サービスの開発中から徹底的に顧客を
”研究開発”して 売れないリスクを低減するこ
研究開発 して、売れないリスクを低減するこ
とが重要。
顧客開発モデルが役立つ
デ が
参考文献:「アントレプレナーの教科書(The Four Steps to the
Epiphany)」, Steven Gary Blank著 14
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