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How I made my millions?
-学振と民間助成で自分がやりた
い研究をする方法-
一橋大学 イノベーション研究センター 特任助手
原泰史
今日の内容
• 自己紹介
• 特別研究員になった時の話
• 松下研究助成を取った時の話
• まとめ
2
自己紹介
• 職歴
• 2002-2009 株式会社クララオンライン
• サーバ管理、技術開発、経営企画などを担当
• 2009-2012 日本学術振興会特別研究員 DC1
• 2012-2014 一橋大学イノベーション研究センター
• 特任助手
• 2013- 公益社団法人日本フィランソロピー協会
• IT サポート, 後方支援 etc…
• 2013- 神奈川大学経済学部非常勤講師
• 経営学/経営学総論を担当
• 2014- 東洋大学経済学部非常勤講師
• 産業組織論を担当
• 原 泰史 (はら やすし)
• 一橋大学イノベーション研究センター 特任助手
• 1982年生まれ
• 学歴
• 1998-2004 豊田高専情報工学科
• 途中、1年間マレーシアに留学 (2000年)
• たぶん、高専出て就職したほうが生涯賃金は一番高
かったはず・・・・・・
• 2004-2006 神戸大学経済学部編入学
• 2006-2009 一橋大学経済学研究科修士課程
• 2009-2012 一橋大学商学研究科博士後期課程
3
CV (抜粋)
• Presentation (in 2013):
- DRUID ACADEMY 2013, Aalborg, Denmark,
January 2013, “How star scientists make high
performance? – empirical study for pharmaceutical
industry”
- 10th Asialics Conference, Tokyo, Japan,
September 2013, “Policy Change Impact to R&D
Process -Case Study Analysis of Innovative Drug
invented in Japan and US -”
- The Governance of a Complex World -Innovation
and cooperation as entrepreneurial challenges ,
Rotterdam, The Netherlands, October 2013,
"Variety of future-orientation: The case of G-19-
countries"
- 「科学とイノベーションの距離─サイエンスリンケージデータベー
スに基づく定量分析- (“The Distance between Science
and Innovation – quantitative analysis based on
science linkage database”) 」, 研究・技術計画学会 第
28回年次学術大会 (The Japan Society for Science
Policy and Research Management 28th Annual
Conference), 東京 (Tokyo, JAPAN) , 2013
- Fourth Asia–Pacific Innovation Conference,
Taipei, Taiwan, December 2013, “Do Doctoral
Degree and Prior Publication Matter? How Do They
Vary across Countries? Science-Linkage and
Technological Development in Laser Diodes”)
• Publications (in 2013)
• “The Landscape of Studies on Science, Technology
and Innovation Policy: A synthesis report”, The
Journal of Science Policy and Research
Management, 2013, Volume 28, No 1, pp9-22.
• "Actemra and Remicade: Key Factors to Determine
First Mover Advantage in R&D Process of Both
Antibody Drugs" (「アクテムラとレミケード 抗体医薬品開発
における先行優位性を決めた要因), Hitotsubashi
Business Review (一橋ビジネスレビュー), 2013, Volume
61, No. 3
4
特別研究員になったときのはなし (1)
2. 申請書を書くとき考えたこと
• 博士論文を執筆するために特別研究員になるので
はなくて、研究活動をする手段として特別研究員に
なる
• 自分が今後研究生活を送るために必要なファンドを
獲得する、ひとつの方法である
• 「自分を、サービスのひとつとして売り込む」
• 会社で書いていた製品/サービスの企画書と同じように
書いた
• 5W1H をはっきりと、明確に
• 専門用語は必要最低限に、使うのなら定義をはっきりと明
記してから使う
• ということを考えながらシノプシスをまとめたあとに、三時
間くらいで書き上げる
1. 学振との出会い
• 2008年のこと。事務室の張り紙を申し
込み10日前くらいに見かける
• 学術振興会について、いろいろなひとに
聞いてみた
• 働いている会社には、大学院出身のひと
もいたので制度について聞いてみる
• 修士を働きながら取るのはすごく大変だっ
たので、博士をするのであれば何かしら
ファンドを取らないと無理だろうと判断
• 申し込みを行うことにした
• とりあえずは、書いてみよう。
5
特別研究員になったときの話 (2)
• 学振をとるために(おそらく)必要だったこと
• 研究の新規性をアピールする
• 申請書のフォーマットをまもる
+
・わかりやすい実績があるとよりよい(かもしれない)
3. 申請書を書いた後にやったこと
• 事務室のひとに赤を入れてもらう
• たくさんなおしてもらう
• 推薦書を修士の指導教官に書いても
らう
4. 10月ごろに採用決定
• 面接はありませんでした の第二章にIIR米倉
先生との共著論文が
掲載
6
特別研究員になってからわかったこと
• 研究って働くのとだいぶんちがう!
• 研究「テーマ」と「ディシプリン」と「フィールド」は違う
• 正直、DC1 の書類を書いた時は混同してました
• 計画書のフィールドのまま研究をしても成果を出すのは難しい
• IT に思い入れがありすぎる…
• そこで、、、
• ソリューション1. イノベーション研究センターの産学官連携プロジェクトに参加する
• その後、JST「政策のための科学」研究開発プロジェクトに参画することに (現在のお仕事へ)
• ソリューション2. ビギナーズラックではなく、お作法に則った研究ができるよう経験を積む
• 海外での研究発表をしたり、IIRの若手の先生と共著論文を書く (2011年に査読付き論文ゲット!)
• フィールドを変えて、テーマをより抽象化させ「技術の社会構築性」をテーマに研究を
行うことにする
7
特別研究員になってよかったこと
• 研究に集中できる (会社にいってタイムカードを押さなくてもいい!)
• 論文発表や研究発表の場数をこなすことができる
• 特別研究員生活の間にいった国: イタリア (サマースクール参加), スペイン (ワークショップ
参加), オーストリア (学会), インド (学会), シンガポール (ワークショップ参加)
• 研究の仲間をたくさんつくる
• “自分と同じような研究をしているひとは世界中にたくさんいるので、そのひとたちと研究をす
ることで、よりよいものをつくる”
8
松下幸之助記念財団2010年度研究助成(題目)「日本の
FTA 活用実態―特定原産地証明書のデータサーベイを通じて」
をとったときの話
• 松下の探し方
1. 「特別研究員」が応募できる「助成金」で検索
2. Google で2,3 番目にヒット
3. 共同研究者と(メールや口頭で)相談しながら
書類を1週間ぐらいで準備
4. 神戸大学のときの指導教官に書類をもらいにいく
5. 提出
6. Acceptance をもらう
• きっかけ
• 神戸大時代の先生から共同研究をも
ちかけられた: 「FTA の実データを使っ
て研究がしたい!」
• しかし、学振(や科研費)のお金を使う
ことはできない
• もう特別研究員だし、科研費ももらって
いるけど一橋でのメインの研究がある…
• でも、統計ソフトや(必要に応じて)
インタビューをする必要がある
⇒ 民間のファンドを使おう!
9
提出書類の書き方(1)
• “世界的な視野に立った研究”
• “我が国と諸外国との間に介在する諸問題の解決、
あるいは相互理解を促進させるための諸施策の提
案”
⇒ FTA の研究ってニーズを満たしているかも!?
10
提出書類の書き方 (2)
• 応募条件をチェックする
11
提出書類の書き方 (3)
・たくさんの書類が届くので、様式を守るこ
とはとても大切
・推薦者も、(指導教官や知り合いでは
なくて)関連する領域の先生にお願いを
する (採用確率をアップさせるために)
・経費の記載内容も綿密に書類を読んで
記述する
• 申請書の書類をよく読んでみる
12
提出書類の書き方 (4)
• 明記されている要件は必ず守る
• 「社会的意義」を意識する
• 研究のための研究と思われたらアウト
• 推薦者を誰にするのか考える
13
まとめ
• 基本的には、研究計画書の書き方はどれも同じです
• 問題点は「何」か
• 既存研究では「何」が足りていないのか、「どこ」が見落とされているポイントなのか
• では、本研究は「何」が新規性として主張できるのか
• 新規性を主張するために、「どのような」手法を採っているのか
• 研究によって、「どのような」含意を得られるのか、「だれ」が研究により受益できるのか
• 科研費と(民間助成のような) ターゲットが定まった研究資金の違いは?
• JSTや松下など、具体的なアウトプットを要求される研究の場合には、要項をよく読んで、彼ら
が何を要求しているのかを考えてみましょう。
• 募集要項の最初から最後までをちゃんと読んで、ニーズが何かをよく考えてみる
• いくら素晴らしい研究でも、ファンド元が望んでいない研究では資金を得ることはできません (ス
タートアップとVC の関係)
14
まとめ (2)
• 自分の人生で、研究って本当に大切なこと?本当に研究者になる必要はあ
る?
• まわりの同級生や友だちが(一橋アドバンテージを使って)富める生活をして、かっこいい彼
氏や彼女と付き合ったり結婚していく様子をフェイスブックで観ても平気?いらいらしない?
• 人生をある程度犠牲にしても、研究すべきテーマがある?
• ということを、最近かんがえています。
• Fraud だめ、ゼッタイ!
• 研究者以外にも生きる道はたくさんあります
• (無理に業績をつくろうとして)コピペしたり虚偽の論文をでっち上げるくらいなら、普通の
仕事を見つけて働いたほうが稼げます、幸せな人生を暮らせます
• 空白を恐れない!
15
さいごに
• 不明な点がありましたら、以下までご連絡ください。
• ツイッター @harayasushi
• フェイスブック : https://www.facebook.com/yasushi.hara
• LINE : @harayasushi
16
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  • 2. 今日の内容 • 自己紹介 • 特別研究員になった時の話 • 松下研究助成を取った時の話 • まとめ 2
  • 3. 自己紹介 • 職歴 • 2002-2009 株式会社クララオンライン • サーバ管理、技術開発、経営企画などを担当 • 2009-2012 日本学術振興会特別研究員 DC1 • 2012-2014 一橋大学イノベーション研究センター • 特任助手 • 2013- 公益社団法人日本フィランソロピー協会 • IT サポート, 後方支援 etc… • 2013- 神奈川大学経済学部非常勤講師 • 経営学/経営学総論を担当 • 2014- 東洋大学経済学部非常勤講師 • 産業組織論を担当 • 原 泰史 (はら やすし) • 一橋大学イノベーション研究センター 特任助手 • 1982年生まれ • 学歴 • 1998-2004 豊田高専情報工学科 • 途中、1年間マレーシアに留学 (2000年) • たぶん、高専出て就職したほうが生涯賃金は一番高 かったはず・・・・・・ • 2004-2006 神戸大学経済学部編入学 • 2006-2009 一橋大学経済学研究科修士課程 • 2009-2012 一橋大学商学研究科博士後期課程 3
  • 4. CV (抜粋) • Presentation (in 2013): - DRUID ACADEMY 2013, Aalborg, Denmark, January 2013, “How star scientists make high performance? – empirical study for pharmaceutical industry” - 10th Asialics Conference, Tokyo, Japan, September 2013, “Policy Change Impact to R&D Process -Case Study Analysis of Innovative Drug invented in Japan and US -” - The Governance of a Complex World -Innovation and cooperation as entrepreneurial challenges , Rotterdam, The Netherlands, October 2013, "Variety of future-orientation: The case of G-19- countries" - 「科学とイノベーションの距離─サイエンスリンケージデータベー スに基づく定量分析- (“The Distance between Science and Innovation – quantitative analysis based on science linkage database”) 」, 研究・技術計画学会 第 28回年次学術大会 (The Japan Society for Science Policy and Research Management 28th Annual Conference), 東京 (Tokyo, JAPAN) , 2013 - Fourth Asia–Pacific Innovation Conference, Taipei, Taiwan, December 2013, “Do Doctoral Degree and Prior Publication Matter? How Do They Vary across Countries? Science-Linkage and Technological Development in Laser Diodes”) • Publications (in 2013) • “The Landscape of Studies on Science, Technology and Innovation Policy: A synthesis report”, The Journal of Science Policy and Research Management, 2013, Volume 28, No 1, pp9-22. • "Actemra and Remicade: Key Factors to Determine First Mover Advantage in R&D Process of Both Antibody Drugs" (「アクテムラとレミケード 抗体医薬品開発 における先行優位性を決めた要因), Hitotsubashi Business Review (一橋ビジネスレビュー), 2013, Volume 61, No. 3 4
  • 5. 特別研究員になったときのはなし (1) 2. 申請書を書くとき考えたこと • 博士論文を執筆するために特別研究員になるので はなくて、研究活動をする手段として特別研究員に なる • 自分が今後研究生活を送るために必要なファンドを 獲得する、ひとつの方法である • 「自分を、サービスのひとつとして売り込む」 • 会社で書いていた製品/サービスの企画書と同じように 書いた • 5W1H をはっきりと、明確に • 専門用語は必要最低限に、使うのなら定義をはっきりと明 記してから使う • ということを考えながらシノプシスをまとめたあとに、三時 間くらいで書き上げる 1. 学振との出会い • 2008年のこと。事務室の張り紙を申し 込み10日前くらいに見かける • 学術振興会について、いろいろなひとに 聞いてみた • 働いている会社には、大学院出身のひと もいたので制度について聞いてみる • 修士を働きながら取るのはすごく大変だっ たので、博士をするのであれば何かしら ファンドを取らないと無理だろうと判断 • 申し込みを行うことにした • とりあえずは、書いてみよう。 5
  • 6. 特別研究員になったときの話 (2) • 学振をとるために(おそらく)必要だったこと • 研究の新規性をアピールする • 申請書のフォーマットをまもる + ・わかりやすい実績があるとよりよい(かもしれない) 3. 申請書を書いた後にやったこと • 事務室のひとに赤を入れてもらう • たくさんなおしてもらう • 推薦書を修士の指導教官に書いても らう 4. 10月ごろに採用決定 • 面接はありませんでした の第二章にIIR米倉 先生との共著論文が 掲載 6
  • 7. 特別研究員になってからわかったこと • 研究って働くのとだいぶんちがう! • 研究「テーマ」と「ディシプリン」と「フィールド」は違う • 正直、DC1 の書類を書いた時は混同してました • 計画書のフィールドのまま研究をしても成果を出すのは難しい • IT に思い入れがありすぎる… • そこで、、、 • ソリューション1. イノベーション研究センターの産学官連携プロジェクトに参加する • その後、JST「政策のための科学」研究開発プロジェクトに参画することに (現在のお仕事へ) • ソリューション2. ビギナーズラックではなく、お作法に則った研究ができるよう経験を積む • 海外での研究発表をしたり、IIRの若手の先生と共著論文を書く (2011年に査読付き論文ゲット!) • フィールドを変えて、テーマをより抽象化させ「技術の社会構築性」をテーマに研究を 行うことにする 7
  • 8. 特別研究員になってよかったこと • 研究に集中できる (会社にいってタイムカードを押さなくてもいい!) • 論文発表や研究発表の場数をこなすことができる • 特別研究員生活の間にいった国: イタリア (サマースクール参加), スペイン (ワークショップ 参加), オーストリア (学会), インド (学会), シンガポール (ワークショップ参加) • 研究の仲間をたくさんつくる • “自分と同じような研究をしているひとは世界中にたくさんいるので、そのひとたちと研究をす ることで、よりよいものをつくる” 8
  • 9. 松下幸之助記念財団2010年度研究助成(題目)「日本の FTA 活用実態―特定原産地証明書のデータサーベイを通じて」 をとったときの話 • 松下の探し方 1. 「特別研究員」が応募できる「助成金」で検索 2. Google で2,3 番目にヒット 3. 共同研究者と(メールや口頭で)相談しながら 書類を1週間ぐらいで準備 4. 神戸大学のときの指導教官に書類をもらいにいく 5. 提出 6. Acceptance をもらう • きっかけ • 神戸大時代の先生から共同研究をも ちかけられた: 「FTA の実データを使っ て研究がしたい!」 • しかし、学振(や科研費)のお金を使う ことはできない • もう特別研究員だし、科研費ももらって いるけど一橋でのメインの研究がある… • でも、統計ソフトや(必要に応じて) インタビューをする必要がある ⇒ 民間のファンドを使おう! 9
  • 13. 提出書類の書き方 (4) • 明記されている要件は必ず守る • 「社会的意義」を意識する • 研究のための研究と思われたらアウト • 推薦者を誰にするのか考える 13
  • 14. まとめ • 基本的には、研究計画書の書き方はどれも同じです • 問題点は「何」か • 既存研究では「何」が足りていないのか、「どこ」が見落とされているポイントなのか • では、本研究は「何」が新規性として主張できるのか • 新規性を主張するために、「どのような」手法を採っているのか • 研究によって、「どのような」含意を得られるのか、「だれ」が研究により受益できるのか • 科研費と(民間助成のような) ターゲットが定まった研究資金の違いは? • JSTや松下など、具体的なアウトプットを要求される研究の場合には、要項をよく読んで、彼ら が何を要求しているのかを考えてみましょう。 • 募集要項の最初から最後までをちゃんと読んで、ニーズが何かをよく考えてみる • いくら素晴らしい研究でも、ファンド元が望んでいない研究では資金を得ることはできません (ス タートアップとVC の関係) 14
  • 15. まとめ (2) • 自分の人生で、研究って本当に大切なこと?本当に研究者になる必要はあ る? • まわりの同級生や友だちが(一橋アドバンテージを使って)富める生活をして、かっこいい彼 氏や彼女と付き合ったり結婚していく様子をフェイスブックで観ても平気?いらいらしない? • 人生をある程度犠牲にしても、研究すべきテーマがある? • ということを、最近かんがえています。 • Fraud だめ、ゼッタイ! • 研究者以外にも生きる道はたくさんあります • (無理に業績をつくろうとして)コピペしたり虚偽の論文をでっち上げるくらいなら、普通の 仕事を見つけて働いたほうが稼げます、幸せな人生を暮らせます • 空白を恐れない! 15
  • 16. さいごに • 不明な点がありましたら、以下までご連絡ください。 • ツイッター @harayasushi • フェイスブック : https://www.facebook.com/yasushi.hara • LINE : @harayasushi 16