4歳の子供を連れて学会に参加してみた
- 2. プロローグ: 突然ほぼシングルファーザーに
• 家族構成 (2年前)
• 私,妻,子供4歳男,子供1歳男
• 自宅近くには親族おらず
• 私・妻とも実家は電車で3〜4時間かかる
• 2017年夏のある長い一日
• 妻が体調悪いと言い出す
• 近くの病院へ連れていくと「うちでは面倒見られません」と言われる
• 病状があまりよくなかった
• 救急車で大病院へ連れていかれる
• 自宅から車で40分のところ
• 医者「今日から1ヶ月は最低入院してください」
• むしろ,なぜ帰ることができると思ったのか不思議だと言われた
その日から私だけで子供二人を見なければいけなくなった
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医者が和牛の
水田さんに似ていた
- 3. どうしよう
• 仕事どうしよう,幼稚園どうしよう,生活どうしよう
• 機会があればまた
• 学会どうしよう
• 1週間後と2週間後に学会に行く予定を立てていた
• WebDB 2017 (情報処理学会DBS研究会) @ 御茶ノ水女子大学 (茗荷谷)
• FIT2017 (情報処理学会/電子情報通信学会) @ 東京大学本郷キャンパス
• 行く必要があった
• 学生の引率,発表の指導
• 担当の仕事
• 急だったので人に任せることができなかった
• 最近は子連れで学会へ行くための制度が整備されつつあるようだ
• 学会から,大学から
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子連れで学会へ行こう (一人は実家に預けた)
- 4. HELP! -大学編-
• 出張時に利用するベビーシッター代を大学が全額負担!
• NAISTが特別にしている事業のようだ
• 調査したが他大学では行われていない様子
• 企業ではやっているのかな?未調査
• 日帰りなら家でベビーシッターが見てくれる時に必要な費用を全額負担
• 日帰りではないので今回は使わず
• どれくらい助かるのか試算
• 入会費: 5万円
• 年会費: 1万円
• 保育費: 2万円x 3日 = 6万円
• 9時から17時までの8時間で計算,2,500円/h.
• 合計: 12万円 / 1出張
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2回の出張で24万円もの費用を負担してもらえるのはありがたい!
- 5. HELP! -学会編- WebDB2017
• 情処DBS・DBSJ・信学会DE 主催
• 200人〜250人程度の参加者(たぶん)
• 合宿形式ではない
• 2017年開催からベビーシッターサービスを開始
• 会場にある部屋で会期の期間中預かってもらえる
• 上限3名くらいまで
• 費用はたしか1日2,000円くらいだと思う
• 保険にも入っていたのでいざという時の保障あり
• どう考えても赤字だが学会で負担してもらえた(と思う)
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学会に子供を連れてきたが問題なく参加できた!
- 6. HELP! -学会編- (FIT2017)
• 情報処理学会と電子情報通信学会(ISS/HCG)の合同で開催
• 計算機に関するあらゆる分野が集まる
• ベビーシッターサービスについて調べた
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FIT2017 Webページより引用
- 7. HELP! -学会編- (FIT2017)
• 情報処理学会と電子情報通信学会(ISS/HCG)の合同で開催
• 計算機に関するあらゆる分野が集まる
• ベビーシッターサービスについて調べた
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FIT2017 Webページより引用
- 8. HELP! -学会編- (FIT2017)
• 事務局に問い合わせた
• 「そのようなサービスは行っておりません」という冷たい返事
• 2週間前に急にそのような対応はできないという返答
• 突然のことだったので仕方ない面もあり
• 会場近くのベビーシッターは案内してもらえた
• 大学の援助でなんとか参加した
• ベビーシッターや場所を自分で探した
• 知らない土地でベビーシッターを探すのは大変だった
• 東京だからなんとかなったが地方だと絶望的
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東京ドームホテルのベビーシッタールーム
- 9. その他主な学会での対応一覧 2018年度版
• 国際会議全般
• ベビーシッターサービスを行っているという情報を聞いたことなし
• 情報処理学会 全国大会 (この会議)
• 託児室を整備(3000円/日) (2015年から)
• 電子情報通信学会 総合大会
• 託児室を整備(300円/時間) (少なくとも2016年から)
• 言語処理学会 年次大会
• 託児室を整備(無料)
• 人工知能学会 全国大会
• 託児室を整備(無料)
• DEIM
• 託児室を整備(2000円/日)
• 私がベビーシッターの委員をやった
9発表者調べ.調査漏れや不正確な情報の可能性あり
託児室は整備できないが
ベビーシッター代の一部を
負担する,という学会もあ
り
- 10. まとめ
• 子育ては女性の仕事とは限らない
• 実際,突然男一人で子育てをやらなければならないことがあった
• いわゆる「女性の社会進出」とは別の話 (関連はある)
• 女性の社会進出に関する活動に反対するものではありません(よくわからないだ
け)
• 突然の事態にも対応できる制度があったりなかったり
• 多くの参加者が見込まれる学会ではぜひ制度を整備して欲しい
• FIT は頑張って制度を整備してほしい
• 何が必要なのかよくわからない人が適当に設計した制度にはロ
クなものがない
• とりあえずベビーシッターサービスしといたらいいんでしょ的な 10
- 11. 子育て世代に学会が援助できること
• 経済的援助
• ベビーシッター代の補助
• 子供分の費用の優遇(学会で食事が出るときなど)
• 交通などの優遇(学会でバスを出すときなど)
• 時間的援助
• 補助申込書などの書類作成作業を削減
• 開始時間・終了時間の調整
• 子供は8時まで起きていられないのにバンケットを8時開始にするのをやめる
• 仕事を振るときには補助となる人をつけてもらう
• できる限りは学会活動に貢献したいと思ってはいます
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「経済的援助」と「時間的援助」が大変助かります
- 12. エピローグ
• 2018年の夏: プロローグから約1年後
• 妻が家に帰ってきた
• 産まれたばかりの小さな子(0歳)を連れて
• 今年のDEIM(国内研究会)に子連れで参加した
• 研究者コミュニティは我が子を暖かく迎えてくれた(と思う)
• 学会や大学から多くのご支援をいただいた
• たくさんの参加者が子供にかまってくれた
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- 13. 学会に子供を連れて参加することへの賛否
• 参加すべきでない
• 子供を連れてこなければ参加できないのであれば参加不要
• 自己責任.学会が子供を連れてくるように依頼したわけではない
• 学会が費用を負担する根拠が無い
• 自分が子育てしているときにはこのような支援が無く辛い思いをしたの
だから,同じ境遇の人には同じように辛い思いをすべき
• 不公平.子供がいない人が子供のいる人になぜ出費しなければならない
か
• 何かあったときに学会がリスクを負いたくない
• 参加してもよい
• 子供がいても学会に参加できれば活動の幅・時間は増える
• 内閣府がなんだか男女共同参画がどうのこうのと言ってるらしい,知ら
ないけど.
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