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>インディアンが代々受け継いできた穀物
の種
>アートやデザインのアイディア
 seeds, words, music, design, or chemical
processes …etc
何かを改良する人は全て先人の発明に手を加
えている。
 しかしだからと言って最新の改良者に所有権
を更新していってもよいのだろうか?
知的所有権は知識や創造性を民営化しているの
か?
 アーティストやデザイナー達が抱えるコピーライ
トの問題の中で最も懸念していることは、彼らが
生計を立てられるチャンスを手に入れられないと
いうことである。
 今のコピーライトのシステムは少数のbest-selling
artistsには有効であってもマジョリティーである
その他のアーティスト達には全く無意味である。
 彼らのチャンスは民営化以外の方法で訪れるのだ
ろうか・・・?
 デジタル化が進み1990年代には人々はコピーライ
トのシステムに違和感を持ち始めた。
 オープンソースやクリエイティブコモンズは、
best-selling artists以外のアーティスト達のための
公平な市場を作るということには全く役立ってい
ない。
 どのアーティストにも納得のいく収入を約束し、
誰もが持っている知識や創造性の民営化を止める
ためには、より基本的な解決策が必要となってく
る。
What if We Would Abandon Copyright?
 → より多くのアーティストが納得のいく収入を得
られるようになる。
 → 生産、流通、プロモーションの資産はより多く
に共有され、より自由にアクセスできるようにな
る。
 →莫大な量の知識やアイディアがパブリックドメ
インに存在するようになり、無料で誰もが利用可
能となる。
 → 消費者はトップスターだけでなくより幅広い文
化に囲まれ、自由に選択できるようになる。
文化的企業家
 起業家の特徴:ある特定のフィールドでリス
クを取りに行く。
 このフィールドはどのビジネスとも似つか
ず、アーティスト達は常に積極的に行動しな
ければならず、周りより一歩先にいなければ
ならない。
 しかし、起業家達にリスクを取りに行かせる
環境がまだ整っていない。
The Two Controlling Markets
 これまでに存在する文化的マーケットには2つのネガ
ティブな支配が存在する。
 1.著作権法 →投資を守る法であるため、 best-
sellersには有効である。そのため文化市場の多様性を
頃している。
 2.独占権→ films, music, books, design, visual
arts, shows and musicalsなどは本当に一部の企業に
しか市場コントロールが許されていない。
 これら2つは相互作用しているため、これら2つを同
時になくしてしまう必要がある。
The Power of the Giants
 大企業達は、多くの商品に対する著作権を持
ち、その著作権により市場でも権力を持つ。
 対して多くの文化的企業家達は市場へのアク
セスすらない。
 この構図の中では、多くのアーティスト達は
成功できないだけでなく生活するだけの収入
を得ることも難しい。
A Proposal for a New Market
 正統な市場を作り出すためには以下の2つの
取り組みが必要である。
 1.著作権の廃止
 2.市場を正常化する
(ここでの「正常」とは平等のことを指
す。)
 1.著作権の廃止
これが成功すると翌日にはすでに誰もが手
を加えることができる。(守られない状況下
においてアーティスト達がとんでもないアイ
ディアを形にしなくなるとは限らない。)
 2.市場を正常化する
市場には多様性が必要であり、誰もが自由
に選択できる環境が必要。
The Consequences
 結果的に商品の生産、流通、プロモーション
のどの段階でも大企業の独占はなくなるだろ
う。
 そして文化的企業家達にとってよりリスクを
負いにいきやすい環境になるだろう。
 この市場では消費者が自由に選択するため、
より多くの消費者が集まったものはbest-seller
ではなく‘well-seller’となる。
 著作権がないと、第3者によって無償で使われたり、
リリース直後に他人に手を加えられてしまうことが想
定されるが、そうならないと考えられる理由がいくつ
か挙げられる。
 第1の創造者は誰もが全く同じものを創れないという
時点でその作品に価値を持たせることができる。独占
企業がいない市場では、圧倒的な市場コントロールの
力が存在しないため、これを盗まれる心配もない。
 また、同じアイディアを思いつくであろう起業はいく
らでもあり、この考えより他企業がすでにリリースさ
れたものにお金をつぎ込む労力をかけるとは考えにく
い。
 また、他の起業家が作品を合法的にコピーで
きるようになることは問題ではない。なぜな
ら彼一人でなく、誰もが同じようにコピーで
きるようになるからだ。
 さらに一番初めの起業家は最も安い価格で提
供できるため、競争が起きない。
 そしてそのコピーたちは創造者の名声を生む
ことに繋がっている。
The Power to the Masses
 今まで述べてきた市場が実現されると…
 膨大な量の文化的起業家達がスターの脚光に
邪魔されることなく収益を得ることができる
だろう。
 選ばれたアーティスト達はbest-sellersとして
世界に拡散する仕組みがもうないためwell-
sellersとなる。
 また、アーティスト同士の間の収入の差も自
然と釣り合いが取れるようになる。
 不安定な収入でやりくりしなければならない
ビジネスではなくなり、先の仕事を考えるビ
ジネスとなる。
 そして今までリスクを負うチャンスもなかっ
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る。

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