ビジネス構造化経営研究会第一回朝食会 20111027

第一回朝食会
～Apple社の構造を読み解く～

ビジネス構造化経営研究会
研究員細谷友紀

目次

1. Apple社とは
2. Apple社の製品／サービス群
3. ビジネススコープの時系列的変化
4. 顧客接点（チャネル）へのこだわり
5. 取引先も含めた強固な供給力
6. 強み（優位の源泉）

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RIP Steve Jobs

Steven Paul "Steve" Jobs (February 24, 1955 – October 5, 2011)


１．本日のトピックス～ Apple社～

Apple社の強み（利益創出の源泉）は何か
 エコシステム？
 プ
プロダクト？
 ブランド力？
 オペレーション？


１．本日のトピックス～ Apple社（株価の動きas of Oct 25, 2011）～


＜参考資料＞米国時価総額ランキング as of Oct 24, 2011

Rank Symbol Company Market Cap
1 XOM Exxon Mobil Corporation 394.92B
2 AAPL Apple 376.19B
3 PTR PetroChina Company 231.99B
4 RDS.B Royal Dutch Shell 229.67B
5 MSFT Microsoft Corporation 229.29B
6 RDSA Royal Dutch Shell 223.66B 上位30社中業種別ランキング
7 IBM International Business Machines Corporation 217.66B
8 CVX Chevron Corporation 213.63B 1. 石油企業：9社
9 CHL China Mobile 199.87B 2. IT企業：6社
10 WMT Wal-Mart Stores 197.17B
11 GOOG Google 192.58B 3. 金融業：5社
12 BRK.A Berkshire Hathaway 191.65B 4. 通信企業：3社
13 BRK.B
BRK B Berkshire Hathaway 191.00B
191 00B
14 PG Procter & Gamble 182.47B 5. 消費財：3社
15 JNJ Johnson & Johnson 177.38B 6. 製薬企業：2社
16 GE General Electric Company 174.46B
17 PBRA Petrobras - Petrleo Brasileiro 171.55B 7. 小売業：1社
18
19
T
ORCL
AT&T
Oracle Corporation
171.14B
171 14B
166.50B
8. 製造業社
製造業：1社
20 KO The Coca-Cola Company 155.84B
21 PFE Pfizer 152.97B
22 HBC HSBC 150.00B
23 VOD Vodafone Group 148.50B
24 WFC Wells Fargo 140.02B
25 JPM JPMorgan Chase 134.79B
26 NVS Novartis 134.55B
27 BP BP 131.57B
28 INTC Intel Corporation 129.12B
29 BHP BHP Billiton 127.49B
30 TOT TOTAL 124.89B 出展：http://ycharts.com/rankings/market_cap

１．本日のトピックス～ Apple社（収益の動き）～


２．Apple社の製品／サービス群（1/2）
Apple が提供するエコシステム
A l が提供するシム

Movie
M i

Game Books
Music

TV

２．Apple社の製品／サービス群（2/2）

商品の基本タンは
商品の基本パターンは
• Mac（コンピューターデバイス）
• iPod（ミュージックプレーヤー）
iPhone（スマトフォン）
• iPhone（スマートフォン）
• iPad（タブレットデバイス）
• iTunes（エンターテインメントコンテンツサービス）


＜参考資料＞ Apple社の売上ポートフォリオ

FY11
2.2% 2.7% 2010/10/1 ～ 2011/9/30
売上総額： $108,249M

20.1%
20 1% Mac
18.8% iPod
Music Related
Music Related
6.9% iPhone
5.8% iPad
iP d
Periferals
43.5% Software


３．ビジネススコープの時系列的変化
顧客構造を理解し、どの顧客パターンに対し、ある特定の商品パターンを提供している
かを明確に理解して値下げアクションをとることは、漫然と価格を下げることで販売量が
増える事とは全く別の現象を発生させる。

顧客構造商品提供のイメージ

顧客パターン
顧客パタ顧客価値領域 2009 2010 2011
Innovator / • 新製品
Early Adaptor • 新機能／高機能 iPhone 3GS iPhone 4 iPhone 4S
（Apple Freak） • 価格は無頓着

• 有名な製品
Early Majority
Early Majority • 必要な機能／比較優位な機能 iPhone 3 iPhone 3GS iPhone 4
• 価格は市場環境に合わせる

• 間違いない製品
Late Majority /
Late Majority /
Laggard
• 枯れた機能／最低限な機能 iPhone 3 iPhone 3GS
• 価格に固執

ユーザーが欲している製品を提供するための高い製品企画力

＜参考資料＞iPhoneのスマートフォンシェア


４．顧客接点（チャネルへ）のこだわり～ Apple Channel Program ～

【狙い】
• 過当な価格競争の防止
• 取り扱い店舗の厳選による
Distribution Costの削減
• ブランドの維持

他にも、Service（問合せや修
理）、Train、ConsultのProgramが
存在


５．取引先も含めた強固な供給力（1/2）


５．取引先も含めた強固な供給力（2/2）

■ Supplier Management ■
集中購買：： iPhoneやiPadに搭載されるA5プロセッサーはサムスンが独占的に供給。年間供給量は5,000
万個に及ぶ（10年の出荷台数、iPad：約1,800万台、iPhone4：約3,300万台）「発注量がケタケタ
万個に及ぶ（年の出荷台数 i d 約万台 i h 約万台）「発注量が1ケタ、2ケタ
多いのに値切らない。むしろ高く買う」

取引先監査：：2010年6月に、中国を中心とした全世界の 127施設を対象に調査を実施。取引先監査報告
書を公開し、37拠点でCSR違反のような規範違反があることが判明。

■Distribution Management ■
在庫管理：：大量調達の反面在庫リスクも高まるそのリスクを最小化させるための情報インフラとして
大量調達の反面、在庫リスクも高まる。そのリスクを最小化させるための情報インフラとして、
世界中の販売店に神経のように張り巡らした独自の在庫管理システムが存在する。主力製品はも
ちろん、ケーブルなどのアクセサリー品までが対象。

流通管理：： 1998年に日本におけるApple製品の取扱店舗を、約3500店から約100店舗に減らすことで、流
通コストの圧倒的な削減を実現した。


６．強み（競争優位の源泉）

Apple社の強み（利益創出の源泉）は何か
 エコシステム
システム
⇒ ユーザーを掴む各種サービスにより、新製品や多様なプロダクトを提供し、アプリケー
ションの開発者を巻き込み、次々に自社製品を購入につなげるためのエコシステム

 プロダクト
⇒高い製品企画力（含む原価企画）により、ユーザーが欲するプロダクトを企画し、自社
製品に必要な部品のそれぞれの価値を理解し、部品の徹底した共通化による調達力
製な部れぞれ価値を解部徹底達
を強化し、徹底したプロダクトの提供

 ブランド力
⇒直販チャネルであるApple Store（路面店／オンラインストア）や、Reseller Management
による顧客接点を重要視しながら妥協のないプロダクトを提供し、ブランド力を維持

 オペレーション
⇒大量調達にも関わらず値切らない姿勢と、取引先に対する監査を通じたSupplier
⇒大量調達にも関わらず値切らない姿勢と取引先に対する監査を通じたSupplier
Managementや、全世界に及ぶ在庫管理、供給計画などのオペレーション力

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