秀英体と文字コード 大日本印刷
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秀英体と文字コード 大日本印刷 2014.12.10 日本電子出版協会
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秀英体と文字コード 大日本印刷
- 1. 秀英体と文字コード 2014.12.10 大日本印刷株式会社 C&I事業部ICT開発本部秀英体開発室 宮田愛子 1 アップデート「漢字データベースとユニコード」
- 2. 2 目次 ① 秀英体とは ② 秀英体の変遷 ③ デジタルフォント開発の経緯～文字コードへの対応～ （１）Unicode対応（電子書籍） （２）JIS X 0213:2014対応（一太郎文藝） （３）Adobe-Japan対応（平成の大改刻） ④ 字形やデザイン処理 ⑤ これからの取り組み
- 3. （大正13年の広告3 ） 秀英体とは ・DNPのオリジナル書体 ・前身の秀英舎が明治時代 に開発 ・築地体と並び、明朝活字 の二大潮流の１つ ・出版分野(文芸、辞典、 情報誌)で多く利用 ・100年以上に渡って継承、 デジタルメディアにも展開 ・豊かな文字コミュニケー ションを支えるために、 現在も開発を続けている
- 4. 秀英体の変遷 平成の大改刻 2006年～ ・明治 ・大正 ・昭和中期 ・昭和後期 ・平成初期
- 5. 5 秀英体の変遷 明治9年 明治15年 明治45年 昭和22年 昭和26年 昭和46年 平成12年 平成21年 1876 1882 1912 1947 1951 1971 2000 2009 活版印刷 写植 CTS DTP 昭和51年1976 活版印刷（金属活字） 戦後雑誌創刊が相次ぎ、出版市場が急速 に拡大していくなか、シェアを写植や CTSに奪われ、急速に縮小。 写植（写真植字） 昭和30年代から台頭、自由度の高い組版を可能に。 70～80年代のビジュアル雑誌は写植一辺倒。しか しDTPが登場して急速に衰退。 CTS（大型コンピュータ） 辞書、文芸書、名簿、白書など難易度 の高い大容量組版に威力を発揮。 DTP（パソコン） 90年代に登場し、瞬く間 に普及。中心手法に。 秀英明朝 初号 1～8号 4号 秀英細明朝 平成の大改刻 ビットマップ ↓ アウトライン
- 6. 6 デジタルフォント開発の経緯 1970年～ ＣＴＳ対応（Computer Typesetting System) ・明朝ビットマップ化（100×120ドット） 1990年～ ・明朝アウトライン化（ベクターデータ） 1993年・ファミリー拡充（ウエイト展開、ゴシック追加） 1995年・字種拡充（辞典、Unicode対応） ・TrueType化 ⇒電子書籍対応（CDROM出版） 1992年 2000年～ Unicode、DTPの普及 ・PostScript化 ・OpenType化 2005年JIS X 0213:2004対応⇒一太郎文藝 2006年全面リニューアル⇒平成の大改刻 ・ファミリー＆字種拡充（初号・丸ゴ、Adobe Japan 1-6） Unicode 1.0.1 2004年 JIS X 0213:2004 Adobe-Japan 1-6
- 7. 約14,000字搭載 7 電子書籍対応（1995年～ JIS第1,2水準(JIS X 0208)、Shift_JIS) ◎ ４つのTrueTypeフォントを利用 ●1盤面 JIS第１・２水準 98 SJIS; x98D2 SJIS; x98D2 SJIS; xE1C2 SJIS; x88BF D2 ●2盤面 JIS補助漢字 ●3盤面 外字（記号） ●4盤面 外字（漢字） 6879文字 ◎ DNP基本字形（＝出版用字形）の採用 SJIS;x89A8 ●1盤面 JIS第１・２水準 異体字変換辞書保有 SJIS;x88A7 SJIS;x89A8 SJIS;x88A7 ※JIS1・2水準は 7,000字弱 5801文字 468文字 227文字 必要な文字は追加 JIS第1・2水準 と異なる 独自マッピング 冊子と同じ字体 風合いで表現 正字を採用
- 8. 8 一太郎文藝(ジャストシステム2005) ・はじめてPC用ソフトに搭載 ・仕様 No Image －書体：秀英細明朝 －形式：TrueType －搭載範囲：約15,000字 JIS X 0208 / JIS X 0212 / JIS X 0213:2004
- 9. 9 全面リニューアル「平成の大改刻」2006年～ 出版物 広告物 DM WEB 情報端末 映像字幕 包装 秀英体 PT & ITへの展開 この先の 100年へ
- 10. あ銀 10 全面リニューアル「平成の大改刻」2006年～ ・利用環境の変化に対応 印刷技術 ・DTP化への対応⇒フォントのオープン化 ・フィルムレス製版対応⇒従来の太さを再現 ・表示メディアの進展⇒表示適正を考慮 ・ソーシャルメディアの普及⇒新書体の検討 メディア あ銀 あ銀 あ銀 あ銀 あ銀 あ銀 あ銀 あ銀 あ銀 （左から）●本文用「明朝ファミリー（Ｌ/Ｍ/Ｂ)」の改良●見出し用「初号明朝」の初デジタル化 ●新書体「角ゴシック金（L /Ｂ）、角ゴシック銀（L /Ｂ）、丸ゴシック（Ｌ/Ｂ）」
- 14. 秀英体漢字制作の考え ・漢字は規格通りに作れば……いい？！（わけではない） 14 例） 常用漢字表JIS X 0208:1990 ⇒表現の違い、デザインの差の部分も含め 秀英体としての「基準」を作る必要がある。
- 15. ・JIS例字の変更（1978→1983） ・フォントは例字にならって作られることが多い →PCと出版物で字形が異なり、混乱 →重版、再版時の負荷軽減・事故防止 ・印刷会社として、規格の改訂に左右されない 基軸となるルール「DNP基本文字規定」を策定（1995年） 15 秀英体漢字制作の考え
- 16. 16 秀英体漢字制作の考え DNP基本文字規定（1995年） ・常用漢字、人名漢字はそれぞれの字形による。 ・その他は原則、正字形を採用。 偏や旁などの部品の形を統一した字形とする。 今回の開発対象 ・多書体展開（明朝→初号→角ゴ→丸ゴの順に開発） ・文字範囲：Adobe Japan 1-6 →DNP基本字形、規格字形どちらも開発 →明朝以外はAdobe-Japan 1-3 ⇒「DNP基本文字規定」に沿いながら これまでの秀英明朝(既存)の字形を継承する方針で制作。
- 17. 17 秀英体漢字制作の考え 字形チェックの観点 ◎漢字の違い：正しい字体か ◎デザインの違い：統一されているか、書き分けが必要か
- 18. 18 秀英体漢字制作の考え 既存字形以外の判断材料 1983 例字 CID 6773 CID 13602 ・Adobe-Japanで別のコードが割り当てられているか （収録元の規格書の例字はどうなっているか） ・角川書店「新字源」、大修館書店「大漢和辞典」 ・同じ部品をもつ文字はどうか 例） ・既存の秀英で保有しているか、差異の大小等
- 19. 既存と異なる場合の判断 しんにょう長さ 19 秀英体漢字制作の考え 2004 例字1990 例字1983 例字 CID 8266 CID 1133 CID 13408 他にもあり他になし ⇒同じ字形を割り当てる
- 20. 20 秀英体漢字制作の考え 画数を意識した処理 明朝 角ゴ 丸ゴ 墨だまり有 接触 墨だまり無 接触 画数を 明確に かきこけら
- 21. 21 秀英体漢字制作の考え 書体間で処理を統一（接触） 明朝 角ゴ 丸ゴ すでのつくりひとあし 右マゲハネ起筆 全字幅は横画 その他は左ハライ 参考 Ｂold 明朝：既存にあわせる 角ゴ：接触の場合、墨だまり無 丸ゴ：接触の場合、墨だまり無 (両方非接触の場合だけ離す)
- 22. 22 秀英体漢字制作の考え 角ゴ・丸ゴ固有の処理 明朝 角ゴ 丸ゴ とらがしら「ハ」 横画＋垂直偏の場合：トメ 旁／全字形／カマエの場合：ハライ
- 23. 23 秀英体漢字制作の考え 丸ゴ固有の処理 明朝 角ゴ 丸ゴ かたうろこ ゲタ「水」 つけるものとつけないもの非接触
- 24. 24 全面リニューアル「平成の大改刻」2006年～ （左から） 秀英明朝L/Ｍ/Ｂ、秀英初号明朝 秀英角ゴシック金L/B、秀英角ゴシック銀L/B 秀英丸ゴシックL/B 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 明いそぐ夜の美しき 本文用の秀英明朝の特徴、 「い」「こ」等が一筆書き！
- 25. 全面リニューアル「平成の大改刻」2006年～ ・2009年～ 本格的なオープン化 秀英体角ゴ銀L 秀英丸ゴL ⇒StdN対応 電子辞書アプリ ロゴヴィスタ(株)様／2013年25 MORISAWA PASSPORT (株)モリサワ様／2009年 映像字幕制作ソフト (株)カンバス様／2009年 一太郎2013 玄 (株)ジャストシステム様／2013年 ゲーム字幕制作 (株)スクウェア・エニックス様／2010年 一太郎2015 (株)ジャストシステム様／2015年 No Image
- 26. 26 これからの取組み ・利用環境に即した「読みやすさ」の定量評価 →2012年ジャパンディスプレイ社（以降JDI）との連携 （高精細液晶651ppi での文字表示実験） →2013年成蹊大学との連携 （タブレットにおけるゴシック体の年齢別読みやすさ評価） →2014年北里大学、JDIとの連携 （眼科医療の見地から文字の読みやすさ評価） ・書体開発 →角ゴシックM ⇒電子書籍で幅広い世代に読みやすい →明朝かな（アンチック、四号かな・四号太かな） ⇒秀英体らしさの追求
- 27. いろはにほへとちり ぬるをわかよたれそ つねならむうゐのお くやまけふこえてあ さきゆめみしゑひも せすん 秀英アンチック ▼利用例：銀花（左）広辞苑（右） アンチック＋秀英明朝B いろはに東国愛 アンチック＋秀英角ゴB いろはに東国愛 ▼ひらがなイメージ ▼組合せ利用例 No Image
- 30. 見出し 小見出し リード 本文 モダン ヤング クラシック シニア 丸ゴB 丸ゴL 角ゴ金B 角ゴ金L 明朝B 明朝M 明朝L 横太B 横太M 初号 角ゴ銀B 角ゴ銀L アンチック 角ゴ金M 角ゴ銀M 四号太 四号 秀英体コンセプトマップ ウエイト強化活字書体らしさ 秀英体らしさの追求
- 31. 31 時代とともに進化しつづける 大日本印刷のオリジナル書体、秀英体 お問い合せはコチラまで！ 大日本印刷株式会社 C&I事業部ICT開発本部秀英体開発室 tel:03-6431-5870 fax:03-6431-3111 担当：宮田愛子 （Miyada-A@mail.dnp.co.jp）