kintone hive 2023 大阪事例 kintone hive osaka vol.11 ユーザー事例 認定NPO法人おてらおやつクラブ 桂浄薫氏　茶円春希氏

2. kintoneで「おすそわけ」DX
〜お坊さんと学生が社会課題を解決〜

3. おてらおやつクラブ理事
システム担当
桂 浄薫（じょうくん）
奈良県天理市
善福寺（ぜんぷくじ）
33代 住職

4. お寺の習慣

5. おそなえ
お寺には檀信徒や地域の方々から沢山のお供え物が集まる

6. おさがり
仏前にお供えした物をお下げして住職らが頂戴する

7. おすそわけ
子どもが集まる法要で配ったり来客のお茶菓子に振るまう

8. お寺の習慣
「おそなえ・おさがり・おすそわけ」
を活かして
「子どもの貧困」の解決を目指す活動

9. 解決する問題
「子どもの貧困」は日本社会の深刻な問題

10. お寺の「ある」 社会の「ない」
つなぐ
おそなえ
地域コミュニティ
ゆとりある場所
食べものがない
相談できる人がない
居場所がない
もともとお寺にある習慣と
困窮している家庭をつなぎなおす

11. 2023年5月23日
10年前 2013年5月24日
大阪市天満で母子餓死事件が発生

12. 母（28歳）と男児（3歳）
の遺体が発見される
室内に食べ物はなく、電気ガスも停止
生活に困窮して餓死した可能性が高い

13. 最後におなかいっぱい
食べさせてあげたかった
ごめんね

14. 2014年 活動開始
2017年 NPO法人
2020年 認定NPO法人

15. 檀信徒
地域の方
応援者
お寺
支援団体
家庭
全国
1800寺院
おすそわけ
おそなえ
700
団体
8000
世帯
※2023年5月現在

16. kintone導入による「おすそわけ」DX
１．マイページシステム（2020年）
２．匿名配送システム（2021年）

17. １．マイページシステム（2020年）
WordPressのフォームからSalesforce入力が手作業
WordPressのフォームとkintone連携を自動化
マイページで寺院と団体を特定、手作業が不要

18. kintoneとWordPressの連携
細谷崇さんに開発依頼
・寺院マイページ
・団体マイページ
おすそわけを確実に定量化
kintoneで管理・集計が容易に

19. 寺院マイページ
発送と受取を管理

20. 発送管理アプリ
誰から誰へ
寺院ID、団体ID
発送日、受取日
受取報告の有無

21. ２．匿名配送システム（2021年）
・コロナ禍で家庭からの「たすけて」が急増
・事務局１カ所からの配送が限界に
・全国の寺院から送るため、個人情報に配慮した匿名配送が必要
17倍に急増

22. お寺に遊びに来ていた奈良先端科学技術大学院の学生に
「プログラミングできるなら手伝ってよ」

23. お寺に遊びに来ていた奈良先端科学技術大学院の学生に
「プログラミングできるなら手伝ってよ」
奈良高専など地元に優秀な学生がいる
彼らに関わってもらいたい
ビジネスコンテスト受賞歴あり
「でもそれ、実際にできるの？」

24. 奈良先端科学技術大学院
茶円 春希（ちゃえん はるき）
おやつクラブに関わるまで
お寺に縁もゆかりもなかった
事業システムの開発経験なし
プログラミング技術も未熟
kintoneも知らない

25. 僕たちのチャレンジ
・事務局１極集中から全国のお寺に分散
・匿名で家庭に送るシステム

26. ひとり親家庭
全国のお寺
事務局
1. 手のひらからいつでも「たすけて」
2. 集荷依頼が
ヤマト運輸へ
3. ヤマト運輸が
寺院へ行く
4. 受取報告

27. APIログ管理アプリ
集荷依頼者
集荷先
配送先
レスポンス情報
請求情報

28. 開発で工夫（苦労）したところ
・Webhookの制限 1分間60回
→レコード更新時の処理を一括で行うことで使用回数を削減
・kintone APIのリクエスト数の上限 1日10,000回
→WordPressのデータベースに情報をキャッシュする
・取得レコードの絞り込みをするクエリの組み立てが煩雑
→絞り込み条件のクエリをコピーするボタンを作成

29. クエリをコピー
集荷先住所̲都道府県 = "北海道" or 集荷先住所̲都道府県 = "沖縄"
クエリのコピー・編集

30. クエリのコピー・編集
クエリを編集

31. 匿名配送システムの効果
・全国のお寺から家庭へ配送、事務局負担が半減
・いつでも、LINEで「たすけて」、お寺は集荷依頼
・APIで配達状況を把握、受取報告率がほぼ100％

32. おてらおやつクラブに携わって初めて
「日本に貧困問題がある」ことを知った
同時に僕たちの技術が社会課題の解決に
大いに役立つことを知った

33. おてらおやつクラブの改善
＝ 貧困問題の解決
＝ より良い社会の実現

34. システムや仕組みで
・「たすけて」のハードルを下げられる
・「たすけたい」をごく自然にできる
→助け合い社会の醸成に貢献できた

35. お母さんの声

36. 届きました！
たくさん入れてくださって、本当にありがとうございます。
小1の息子は大喜びです！ 美味しそうなお菓子に、
「やったぁぁぁあ！！」と感動してました！
「なんでくれるん？ なんでくれるん？」
と疑問を抱いてましたが、、、笑
「世の中は本当はいい人ばっかりで、助け合いしてるんやよ。
私らも困ってる人いたら、今度は助けてあげような」
と言いました。皆さんに感謝の気持ちをお伝え願います。
（大阪府 50代 お母さん／男児1人）