SlideShare une entreprise Scribd logo
1  sur  16
Télécharger pour lire hors ligne
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 1
KYC and identity
on blockchain
2018/8/30 blockchain.tokyo #11
@mosa_siru
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 2
自己紹介
● CTO@LayerX
○ チーム立ち上げ、マイニング、ICOコンサル etc..
○ 最近はトークン設計と英語に頭を悩ませています
● DeNA (2013-2015)
○ ハッカドール立ち上げ等
● Gunosy (2015-2018)
○ 新規事業の少人数立ち上げ
■ ニュースパス
■ バザリー
■ ブロックチェーンチーム
● ボンバーマンでTV出演
Yusuke Enomoto @mosa_siru
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 3
現状、アドレスと”個人”が信用できる形で紐付いていない。
KYCはブロックチェーンにおける最も重要な課題のひとつ
今後のブロックチェーン発展に不可欠な要素。
KYC (know your customer: 顧客確認)
● AML(Anti-Money Laundering)
○ 現在取引所が各自で行っている作業
○ ICO時における適格投資家の確認
● 送金時のミスや詐欺防止
● 信用の形成
○ Dapps上で不正な行動をして信用スコアがマイナスになっても、アカウント
を作り直せる問題
● Sybil attackの防止
○ 大量のアカウントを用いた不正
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 4
主要プレイヤーがidentity providerになるために動いている
KYCをめぐる最近の動き
● CoinbaseがDistributed Systemsを買収
し、「coinbaseでログイン」を計画
○ https://techcrunch.com/2018/08/15/lo
gin-with-coinbase/
○ ユーザーをmetamaskのインストールな
しに認証できる
○ 2000万人のユーザーデータ
● TelegramがICO時のKYC確認用に
Telegram Passportを提供
○ https://core.telegram.org/passport
○ API, SDKの提供
○ ユーザーがuploadした個人情報はEnd
to Endで暗号化され、Telegramはアク
セスできない
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 5
プラットフォームではなくユーザー自身が自分の情報を保有/管理する世
界はブロックチェーンならでは。
identityのあるべき姿
● Security
○ 個人情報が流出しない
● Portability
○ 統一された規格で、各サービスで利用可能
● Access control
○ ユーザーが適切なサービスに適切なスコープでAuthorize(認可)する
○ 認可されていないサービスには見えない
○ 認可後のrevokeも可能
=> OpenID connect
● 余談:現実でもIDがなくて困っている人がいる(戸籍や難民問題等)
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 6
それぞれブロックチェーンやノードポリシー、インセンティブ構造等が異なる。
また、彼らとmicrosoft等で、DIF(Decentralized Identity Foudation) も設立されている
それらを目指すプロトコル
● uPort
○ consensysのプロジェクト
○ パブリックなidentityプロトコル
● Civic
○ ICO済。データの利用にtokenが必要
○ RSK上で実装予定
● HyperLedger Indy
○ デフォルトではEvenym開発の”Sorvin ID"
が利用される
○ 許可された団体(政府、銀行等を想定)のみ
が書き込み (private chain)
● Blockstack (Onename)
○ 老舗。Bitcoin上で開発。
○ IDのみならず、PaaSの提供を目指す
● Veres One
○ 独自チェーン
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 7
標準化の動き ERC725: Identity
- Fabian Vogelsteller(ERC20, Mist, Web3.js 開発者) による提案
- Identityの標準仕様。ユニークなindentityが持つ、サードパーティーによって検証さ
れた情報や署名用の鍵のための標準インターフェース
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 8
標準化の動き ERC725: Identity
- Allianceも発足し、多くのプロジェクトが採用
- Status, Origin Protocol, Polymath, ...
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 9
その前に ERC735: Claim Holder
- Claim(Identityに対し、Issuerが発行した情報)を管理するインターフェース
- ERC725と組み合わせて用いる
- Claimのイメージ: “こいつは、このemailアドレスを持っているよ”
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 10
標準化の動き ERC725: Identity
登場人物整理:
1. Identity: Claimを持つ人 (ClaimHolder). 各種keyを保持
2. Issuer: Claimを発行する人 (ClaimVerifier)
3. Execution: Claimをチェックした後、Indentityにかわって実行するProxy
(KeyHolder, ClaimChecker)
https://www.slideshare.net/FabianVogelsteller/erc-725-identity
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 11
Origin Protocolによる実装のデモ
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 12
uPort
- Ethereum上で実装。トークンはなし。
- 個人情報を一元的に管理する
- 現状、ユーザーがサービス利用時(リアル/ネット)に、
いちいち個人情報を入力する必要がある
- 個人情報の変更時に異様に大変
- 現状は各種の団体がそれぞれ個人情報を持ち、
漏洩リスクも高い
- スマホ等を通して、uPortに載せた必要な情報だけ提供す
る
- 年齢や性別、住所だけでなく、税金の支払い情報やカル
テなども載せられる
- 信用経済を作れる可能性
分散型OpenID connectのイメージ
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 13
uPortのアーキテクチャ
- uPort Registry:
- IPFSのhash値や、署名検証用の公開鍵のみがブロックチェーン上
に保存される
- ユーザーの機密情報はローカルにあり、パブリックな形では保持さ
れない。
(復元用に、暗号化されたバックアップはサーバー保持可能)
- uPort Identity:
- Proxy: identityに相当。ここからTxを転送する
- TxRelay: Metatransaction発行. ユーザーのgasは不要
- IdentityManager: Proxyを作成・管理する。復元機能も担当。
- MetaIdentityManager: IdentityManager + TxRelay
ユーザーの利便性をとことん追求している印象。
ICOもしていない。
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 14
ERC780: Ethereum Claims Registry (ECR)
- Joel Torstensson (uPort開発者) 提
案。
- Claimsを共通管理するシンプルな仕様
- ERC725はindentityごとにClaimsコ
ントラクトが必要だった
- uPortではJWTで表現することで、オフ
チェーンでも利用可能なClaimに
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 15
uPortの開発知見を活かして提案された仕様。
ERC1056: Lightweight Identity
- Joel Torstensson (uPort開発者) 提案。
- ERC725だと、1つのIdentityにつき1つのコントラクトが必要。作成コスト(gas)がバカ
にならない
- ERC1056なら、Ethereumアドレスが有効なDID(Decentralized ID)となるので、
Identityを無料で利用可能。
- 一定時間有効で、取り消しも可能な”Delegrater”を指定できる
2018 LayerX Inc. all rights reserved. 16
LayerXでは、ブロックチェーン技術に100%コミットしたい
エンジニアを募集しています!!!!!
おわりに
- Identityはブロックチェーンにおける大きなトピック!
- プロトコル系は、KYC自体をパブリックに開放している
- どのissuerを信頼するかはユーザー/開発者次第
- 海外ではIdentity専用のカンファレンスが開かれてたりする…

Contenu connexe

Tendances

FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎
FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎
FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎
ken_kitahara
 

Tendances (20)

DDD x CQRS 更新系と参照系で異なるORMを併用して上手くいった話
DDD x CQRS   更新系と参照系で異なるORMを併用して上手くいった話DDD x CQRS   更新系と参照系で異なるORMを併用して上手くいった話
DDD x CQRS 更新系と参照系で異なるORMを併用して上手くいった話
 
例外設計における大罪
例外設計における大罪例外設計における大罪
例外設計における大罪
 
マイクロにしすぎた結果がこれだよ!
マイクロにしすぎた結果がこれだよ!マイクロにしすぎた結果がこれだよ!
マイクロにしすぎた結果がこれだよ!
 
Unity 2018-2019を見据えたDeNAのUnity開発のこれから [DeNA TechCon 2019]
Unity 2018-2019を見据えたDeNAのUnity開発のこれから [DeNA TechCon 2019]Unity 2018-2019を見据えたDeNAのUnity開発のこれから [DeNA TechCon 2019]
Unity 2018-2019を見据えたDeNAのUnity開発のこれから [DeNA TechCon 2019]
 
45分間で「ユーザー中心のものづくり」ができるまで詰め込む
45分間で「ユーザー中心のものづくり」ができるまで詰め込む45分間で「ユーザー中心のものづくり」ができるまで詰め込む
45分間で「ユーザー中心のものづくり」ができるまで詰め込む
 
スマホゲームのチート手法とその対策 [DeNA TechCon 2019]
スマホゲームのチート手法とその対策 [DeNA TechCon 2019]スマホゲームのチート手法とその対策 [DeNA TechCon 2019]
スマホゲームのチート手法とその対策 [DeNA TechCon 2019]
 
(2017.6.9) Neo4jの可視化ライブラリまとめ
(2017.6.9) Neo4jの可視化ライブラリまとめ(2017.6.9) Neo4jの可視化ライブラリまとめ
(2017.6.9) Neo4jの可視化ライブラリまとめ
 
DNS移転失敗体験談
DNS移転失敗体験談DNS移転失敗体験談
DNS移転失敗体験談
 
「UXデザインとは」からはじめる「本流」のUXデザインはじめの一歩 | UXデザイン基礎セミナー 第1回
「UXデザインとは」からはじめる「本流」のUXデザインはじめの一歩 | UXデザイン基礎セミナー 第1回「UXデザインとは」からはじめる「本流」のUXデザインはじめの一歩 | UXデザイン基礎セミナー 第1回
「UXデザインとは」からはじめる「本流」のUXデザインはじめの一歩 | UXデザイン基礎セミナー 第1回
 
それはYAGNIか? それとも思考停止か?
それはYAGNIか? それとも思考停止か?それはYAGNIか? それとも思考停止か?
それはYAGNIか? それとも思考停止か?
 
Redisの特徴と活用方法について
Redisの特徴と活用方法についてRedisの特徴と活用方法について
Redisの特徴と活用方法について
 
FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎
FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎
FridaによるAndroidアプリの動的解析とフッキングの基礎
 
ネットストーカー御用達OSINTツールBlackBirdを触ってみた.pptx
ネットストーカー御用達OSINTツールBlackBirdを触ってみた.pptxネットストーカー御用達OSINTツールBlackBirdを触ってみた.pptx
ネットストーカー御用達OSINTツールBlackBirdを触ってみた.pptx
 
心理的安全性と、Veinの紹介 Psychological safety and introduction of Vein
心理的安全性と、Veinの紹介 Psychological safety and introduction of Vein心理的安全性と、Veinの紹介 Psychological safety and introduction of Vein
心理的安全性と、Veinの紹介 Psychological safety and introduction of Vein
 
チャットコミュニケーションの問題と心理的安全性の課題 #EOF2019
チャットコミュニケーションの問題と心理的安全性の課題 #EOF2019チャットコミュニケーションの問題と心理的安全性の課題 #EOF2019
チャットコミュニケーションの問題と心理的安全性の課題 #EOF2019
 
マルチテナントのアプリケーション実装〜実践編〜
マルチテナントのアプリケーション実装〜実践編〜マルチテナントのアプリケーション実装〜実践編〜
マルチテナントのアプリケーション実装〜実践編〜
 
20分でわかるgVisor入門
20分でわかるgVisor入門20分でわかるgVisor入門
20分でわかるgVisor入門
 
PlaySQLAlchemy: SQLAlchemy入門
PlaySQLAlchemy: SQLAlchemy入門PlaySQLAlchemy: SQLAlchemy入門
PlaySQLAlchemy: SQLAlchemy入門
 
SPAセキュリティ入門~PHP Conference Japan 2021
SPAセキュリティ入門~PHP Conference Japan 2021SPAセキュリティ入門~PHP Conference Japan 2021
SPAセキュリティ入門~PHP Conference Japan 2021
 
OSS活動の活発さと評価の関係について
OSS活動の活発さと評価の関係についてOSS活動の活発さと評価の関係について
OSS活動の活発さと評価の関係について
 

Similaire à KYC and identity on blockchain

Similaire à KYC and identity on blockchain (20)

Androidのセキュア開発について考えてみた(明日、敗訴しないためのセキュアコーディング.ver2)
Androidのセキュア開発について考えてみた(明日、敗訴しないためのセキュアコーディング.ver2)Androidのセキュア開発について考えてみた(明日、敗訴しないためのセキュアコーディング.ver2)
Androidのセキュア開発について考えてみた(明日、敗訴しないためのセキュアコーディング.ver2)
 
OpenIDファウンデーション・ジャパンKYC WGの活動報告 - OpenID Summit 2020
OpenIDファウンデーション・ジャパンKYC WGの活動報告 - OpenID Summit 2020OpenIDファウンデーション・ジャパンKYC WGの活動報告 - OpenID Summit 2020
OpenIDファウンデーション・ジャパンKYC WGの活動報告 - OpenID Summit 2020
 
仮想通貨とBlockchainの課題と展望
仮想通貨とBlockchainの課題と展望仮想通貨とBlockchainの課題と展望
仮想通貨とBlockchainの課題と展望
 
【Tech Trend Talk vol.12】社外向け勉強会「電子国家エストニアを通してブロックチェーンの未来を見る -(GIG)」
【Tech Trend Talk vol.12】社外向け勉強会「電子国家エストニアを通してブロックチェーンの未来を見る -(GIG)」【Tech Trend Talk vol.12】社外向け勉強会「電子国家エストニアを通してブロックチェーンの未来を見る -(GIG)」
【Tech Trend Talk vol.12】社外向け勉強会「電子国家エストニアを通してブロックチェーンの未来を見る -(GIG)」
 
Collabogate ブロックチェーンハブ講演資料 20180706
Collabogate ブロックチェーンハブ講演資料 20180706Collabogate ブロックチェーンハブ講演資料 20180706
Collabogate ブロックチェーンハブ講演資料 20180706
 
ブロックチェーンを用いた自己主権型デジタルID管理
ブロックチェーンを用いた自己主権型デジタルID管理ブロックチェーンを用いた自己主権型デジタルID管理
ブロックチェーンを用いた自己主権型デジタルID管理
 
Web3時代のデジタルアイデンティティ (高橋健太 |株式会社日立製作所 研究開発グループ)
Web3時代のデジタルアイデンティティ (高橋健太 |株式会社日立製作所 研究開発グループ)Web3時代のデジタルアイデンティティ (高橋健太 |株式会社日立製作所 研究開発グループ)
Web3時代のデジタルアイデンティティ (高橋健太 |株式会社日立製作所 研究開発グループ)
 
【日商USA】webinar 2022.6.24 RSAカンファレンス2022 フィードバック
【日商USA】webinar 2022.6.24 RSAカンファレンス2022 フィードバック【日商USA】webinar 2022.6.24 RSAカンファレンス2022 フィードバック
【日商USA】webinar 2022.6.24 RSAカンファレンス2022 フィードバック
 
トレンド勉強会 - 国内外のリーガルテックスタートアップ
トレンド勉強会 - 国内外のリーガルテックスタートアップトレンド勉強会 - 国内外のリーガルテックスタートアップ
トレンド勉強会 - 国内外のリーガルテックスタートアップ
 
エンタープライズにおけるブロックチェーン活用 実用フェーズへの課題と期待
エンタープライズにおけるブロックチェーン活用 実用フェーズへの課題と期待エンタープライズにおけるブロックチェーン活用 実用フェーズへの課題と期待
エンタープライズにおけるブロックチェーン活用 実用フェーズへの課題と期待
 
Authlete: セキュアな金融 API 基盤の実現と Google Cloud の活用 #gc_inside
Authlete: セキュアな金融 API 基盤の実現と Google Cloud の活用 #gc_insideAuthlete: セキュアな金融 API 基盤の実現と Google Cloud の活用 #gc_inside
Authlete: セキュアな金融 API 基盤の実現と Google Cloud の活用 #gc_inside
 
『OpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ実装ガイドライン』解説
『OpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ実装ガイドライン』解説『OpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ実装ガイドライン』解説
『OpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ実装ガイドライン』解説
 
Blockchain Market Trend (June 2018)
Blockchain Market Trend (June 2018)Blockchain Market Trend (June 2018)
Blockchain Market Trend (June 2018)
 
OpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ利用ガイドライン
OpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ利用ガイドラインOpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ利用ガイドライン
OpenID ConnectとSCIMのエンタープライズ利用ガイドライン
 
GTMF 2015: ゲーム分析プラットフォームとしてのトレジャーデータサービス | トレジャーデータ株式会社
GTMF 2015: ゲーム分析プラットフォームとしてのトレジャーデータサービス | トレジャーデータ株式会社GTMF 2015: ゲーム分析プラットフォームとしてのトレジャーデータサービス | トレジャーデータ株式会社
GTMF 2015: ゲーム分析プラットフォームとしてのトレジャーデータサービス | トレジャーデータ株式会社
 
中長期運用を見据えたHyperledger Fabricのアプリケーション設計
中長期運用を見据えたHyperledger Fabricのアプリケーション設計中長期運用を見据えたHyperledger Fabricのアプリケーション設計
中長期運用を見据えたHyperledger Fabricのアプリケーション設計
 
DEXとBitcoin
DEXとBitcoinDEXとBitcoin
DEXとBitcoin
 
SIerからみたCordaEnterprise
SIerからみたCordaEnterpriseSIerからみたCordaEnterprise
SIerからみたCordaEnterprise
 
Web3 School
Web3 SchoolWeb3 School
Web3 School
 
5月中旬の仮想通貨Re-orgについて
5月中旬の仮想通貨Re-orgについて5月中旬の仮想通貨Re-orgについて
5月中旬の仮想通貨Re-orgについて
 

Plus de mosa siru

Plus de mosa siru (11)

LayerXのQAチームで目指したい動き方 (社内資料)
LayerXのQAチームで目指したい動き方 (社内資料)LayerXのQAチームで目指したい動き方 (社内資料)
LayerXのQAチームで目指したい動き方 (社内資料)
 
マイニングプールの収益配分と攻撃手法
マイニングプールの収益配分と攻撃手法マイニングプールの収益配分と攻撃手法
マイニングプールの収益配分と攻撃手法
 
Payment Channel Introduction
Payment Channel IntroductionPayment Channel Introduction
Payment Channel Introduction
 
Go, memcached, microservices
Go, memcached, microservicesGo, memcached, microservices
Go, memcached, microservices
 
ニュースパスのクローラーアーキテクチャとマイクロサービス
ニュースパスのクローラーアーキテクチャとマイクロサービスニュースパスのクローラーアーキテクチャとマイクロサービス
ニュースパスのクローラーアーキテクチャとマイクロサービス
 
lua_nginx_module JSON-RPC 2.0 Batch Request
lua_nginx_module JSON-RPC 2.0 Batch Requestlua_nginx_module JSON-RPC 2.0 Batch Request
lua_nginx_module JSON-RPC 2.0 Batch Request
 
Elasticsearch for Hackadoll
Elasticsearch for HackadollElasticsearch for Hackadoll
Elasticsearch for Hackadoll
 
捗るリコメンドシステムの裏事情(ハッカドール)
捗るリコメンドシステムの裏事情(ハッカドール)捗るリコメンドシステムの裏事情(ハッカドール)
捗るリコメンドシステムの裏事情(ハッカドール)
 
Twitter SmartList (第5回若手webエンジニア交流会)
Twitter SmartList (第5回若手webエンジニア交流会)Twitter SmartList (第5回若手webエンジニア交流会)
Twitter SmartList (第5回若手webエンジニア交流会)
 
コミュニティ分類アルゴリズムの高速化とソーシャルグラフへの応用
コミュニティ分類アルゴリズムの高速化とソーシャルグラフへの応用コミュニティ分類アルゴリズムの高速化とソーシャルグラフへの応用
コミュニティ分類アルゴリズムの高速化とソーシャルグラフへの応用
 
how to make twitter list automatically
how to make twitter list automaticallyhow to make twitter list automatically
how to make twitter list automatically
 

Dernier

Dernier (11)

新人研修 後半 2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
新人研修 後半        2024/04/26の勉強会で発表されたものです。新人研修 後半        2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
新人研修 後半 2024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
論文紹介:Video-GroundingDINO: Towards Open-Vocabulary Spatio-Temporal Video Groun...
論文紹介:Video-GroundingDINO: Towards Open-Vocabulary Spatio-Temporal Video Groun...論文紹介:Video-GroundingDINO: Towards Open-Vocabulary Spatio-Temporal Video Groun...
論文紹介:Video-GroundingDINO: Towards Open-Vocabulary Spatio-Temporal Video Groun...
 
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その22024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 
論文紹介:Selective Structured State-Spaces for Long-Form Video Understanding
論文紹介:Selective Structured State-Spaces for Long-Form Video Understanding論文紹介:Selective Structured State-Spaces for Long-Form Video Understanding
論文紹介:Selective Structured State-Spaces for Long-Form Video Understanding
 
LoRaWANスマート距離検出センサー DS20L カタログ LiDARデバイス
LoRaWANスマート距離検出センサー  DS20L  カタログ  LiDARデバイスLoRaWANスマート距離検出センサー  DS20L  カタログ  LiDARデバイス
LoRaWANスマート距離検出センサー DS20L カタログ LiDARデバイス
 
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアルLoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
LoRaWAN スマート距離検出デバイスDS20L日本語マニュアル
 
論文紹介: The Surprising Effectiveness of PPO in Cooperative Multi-Agent Games
論文紹介: The Surprising Effectiveness of PPO in Cooperative Multi-Agent Games論文紹介: The Surprising Effectiveness of PPO in Cooperative Multi-Agent Games
論文紹介: The Surprising Effectiveness of PPO in Cooperative Multi-Agent Games
 
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
業務で生成AIを活用したい人のための生成AI入門講座(社外公開版:キンドリルジャパン社内勉強会:2024年4月発表)
 
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
NewSQLの可用性構成パターン(OCHaCafe Season 8 #4 発表資料)
 
Observabilityは従来型の監視と何が違うのか(キンドリルジャパン社内勉強会:2022年10月27日発表)
Observabilityは従来型の監視と何が違うのか(キンドリルジャパン社内勉強会:2022年10月27日発表)Observabilityは従来型の監視と何が違うのか(キンドリルジャパン社内勉強会:2022年10月27日発表)
Observabilityは従来型の監視と何が違うのか(キンドリルジャパン社内勉強会:2022年10月27日発表)
 
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
Amazon SES を勉強してみる その32024/04/26の勉強会で発表されたものです。
 

KYC and identity on blockchain

  • 1. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 1 KYC and identity on blockchain 2018/8/30 blockchain.tokyo #11 @mosa_siru
  • 2. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 2 自己紹介 ● CTO@LayerX ○ チーム立ち上げ、マイニング、ICOコンサル etc.. ○ 最近はトークン設計と英語に頭を悩ませています ● DeNA (2013-2015) ○ ハッカドール立ち上げ等 ● Gunosy (2015-2018) ○ 新規事業の少人数立ち上げ ■ ニュースパス ■ バザリー ■ ブロックチェーンチーム ● ボンバーマンでTV出演 Yusuke Enomoto @mosa_siru
  • 3. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 3 現状、アドレスと”個人”が信用できる形で紐付いていない。 KYCはブロックチェーンにおける最も重要な課題のひとつ 今後のブロックチェーン発展に不可欠な要素。 KYC (know your customer: 顧客確認) ● AML(Anti-Money Laundering) ○ 現在取引所が各自で行っている作業 ○ ICO時における適格投資家の確認 ● 送金時のミスや詐欺防止 ● 信用の形成 ○ Dapps上で不正な行動をして信用スコアがマイナスになっても、アカウント を作り直せる問題 ● Sybil attackの防止 ○ 大量のアカウントを用いた不正
  • 4. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 4 主要プレイヤーがidentity providerになるために動いている KYCをめぐる最近の動き ● CoinbaseがDistributed Systemsを買収 し、「coinbaseでログイン」を計画 ○ https://techcrunch.com/2018/08/15/lo gin-with-coinbase/ ○ ユーザーをmetamaskのインストールな しに認証できる ○ 2000万人のユーザーデータ ● TelegramがICO時のKYC確認用に Telegram Passportを提供 ○ https://core.telegram.org/passport ○ API, SDKの提供 ○ ユーザーがuploadした個人情報はEnd to Endで暗号化され、Telegramはアク セスできない
  • 5. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 5 プラットフォームではなくユーザー自身が自分の情報を保有/管理する世 界はブロックチェーンならでは。 identityのあるべき姿 ● Security ○ 個人情報が流出しない ● Portability ○ 統一された規格で、各サービスで利用可能 ● Access control ○ ユーザーが適切なサービスに適切なスコープでAuthorize(認可)する ○ 認可されていないサービスには見えない ○ 認可後のrevokeも可能 => OpenID connect ● 余談:現実でもIDがなくて困っている人がいる(戸籍や難民問題等)
  • 6. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 6 それぞれブロックチェーンやノードポリシー、インセンティブ構造等が異なる。 また、彼らとmicrosoft等で、DIF(Decentralized Identity Foudation) も設立されている それらを目指すプロトコル ● uPort ○ consensysのプロジェクト ○ パブリックなidentityプロトコル ● Civic ○ ICO済。データの利用にtokenが必要 ○ RSK上で実装予定 ● HyperLedger Indy ○ デフォルトではEvenym開発の”Sorvin ID" が利用される ○ 許可された団体(政府、銀行等を想定)のみ が書き込み (private chain) ● Blockstack (Onename) ○ 老舗。Bitcoin上で開発。 ○ IDのみならず、PaaSの提供を目指す ● Veres One ○ 独自チェーン
  • 7. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 7 標準化の動き ERC725: Identity - Fabian Vogelsteller(ERC20, Mist, Web3.js 開発者) による提案 - Identityの標準仕様。ユニークなindentityが持つ、サードパーティーによって検証さ れた情報や署名用の鍵のための標準インターフェース
  • 8. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 8 標準化の動き ERC725: Identity - Allianceも発足し、多くのプロジェクトが採用 - Status, Origin Protocol, Polymath, ...
  • 9. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 9 その前に ERC735: Claim Holder - Claim(Identityに対し、Issuerが発行した情報)を管理するインターフェース - ERC725と組み合わせて用いる - Claimのイメージ: “こいつは、このemailアドレスを持っているよ”
  • 10. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 10 標準化の動き ERC725: Identity 登場人物整理: 1. Identity: Claimを持つ人 (ClaimHolder). 各種keyを保持 2. Issuer: Claimを発行する人 (ClaimVerifier) 3. Execution: Claimをチェックした後、Indentityにかわって実行するProxy (KeyHolder, ClaimChecker) https://www.slideshare.net/FabianVogelsteller/erc-725-identity
  • 11. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 11 Origin Protocolによる実装のデモ
  • 12. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 12 uPort - Ethereum上で実装。トークンはなし。 - 個人情報を一元的に管理する - 現状、ユーザーがサービス利用時(リアル/ネット)に、 いちいち個人情報を入力する必要がある - 個人情報の変更時に異様に大変 - 現状は各種の団体がそれぞれ個人情報を持ち、 漏洩リスクも高い - スマホ等を通して、uPortに載せた必要な情報だけ提供す る - 年齢や性別、住所だけでなく、税金の支払い情報やカル テなども載せられる - 信用経済を作れる可能性 分散型OpenID connectのイメージ
  • 13. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 13 uPortのアーキテクチャ - uPort Registry: - IPFSのhash値や、署名検証用の公開鍵のみがブロックチェーン上 に保存される - ユーザーの機密情報はローカルにあり、パブリックな形では保持さ れない。 (復元用に、暗号化されたバックアップはサーバー保持可能) - uPort Identity: - Proxy: identityに相当。ここからTxを転送する - TxRelay: Metatransaction発行. ユーザーのgasは不要 - IdentityManager: Proxyを作成・管理する。復元機能も担当。 - MetaIdentityManager: IdentityManager + TxRelay ユーザーの利便性をとことん追求している印象。 ICOもしていない。
  • 14. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 14 ERC780: Ethereum Claims Registry (ECR) - Joel Torstensson (uPort開発者) 提 案。 - Claimsを共通管理するシンプルな仕様 - ERC725はindentityごとにClaimsコ ントラクトが必要だった - uPortではJWTで表現することで、オフ チェーンでも利用可能なClaimに
  • 15. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 15 uPortの開発知見を活かして提案された仕様。 ERC1056: Lightweight Identity - Joel Torstensson (uPort開発者) 提案。 - ERC725だと、1つのIdentityにつき1つのコントラクトが必要。作成コスト(gas)がバカ にならない - ERC1056なら、Ethereumアドレスが有効なDID(Decentralized ID)となるので、 Identityを無料で利用可能。 - 一定時間有効で、取り消しも可能な”Delegrater”を指定できる
  • 16. 2018 LayerX Inc. all rights reserved. 16 LayerXでは、ブロックチェーン技術に100%コミットしたい エンジニアを募集しています!!!!! おわりに - Identityはブロックチェーンにおける大きなトピック! - プロトコル系は、KYC自体をパブリックに開放している - どのissuerを信頼するかはユーザー/開発者次第 - 海外ではIdentity専用のカンファレンスが開かれてたりする…