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昔の人はえらかった




おがさわら なるひこ




              1
!!!注意!!!
■   「実用的な話」「技術的な話」をする気は

       これっぽっちもありません
    ので、そういう話を聞きたい人は今すぐ他の会場へど
    うぞ :-)

■   でも、しゃべる内容は「とても面白い時代のとても面白
    い人の話」です(面白く話せるよう努力はします)。
    よろしくね。



                               2
自己紹介
■   小笠原徳彦 (Ogasawara, Naruhiko)
■   1971 年 3 月 26 日生まれ花の 39 歳
■   ついでにいうと花の独……

■   めんどいので中略

■   Prolog かわいいよ Prolog
■   とかいうのはいいとして、カヤック川下り仲間募集!
■   まあそんな感じで




                                     3
お願い
■   私は「優秀な技術者」では「ありません」。
■   私は「模範的な社会人」では「ありません」。

■   私から何かを学ぼうなどと、どうか思わないでください。
■   私の背中とか見られると困るので、お願いだからそん
    なことはしないでね。つーか絶対すんな。




                             4
おはなしの内容
■   前フリ:知識と知恵

■   この人を知っていますか?
       日本の○○自動化の幕開け
       技術は社会のもの、ビジネスは会社のもの
       ○○○○○○ 自動化システムの構築
       日本初○○業務オンライン化

■   まとめ

         伏字だらけなのはこのあとクイズするからで、気にしないでね。



                                         5
前フリ
知識と知恵

        6
「知」について考えてみた。




知


            7
「知」について考えてみた。




            知
知識              知恵
knowledge        wisdom




                          8
「知」について考えてみた。




            知
    知識             知恵
概念を言葉で説明することが     言葉にはしにくい「考え方」
     knowledge
     できること           wisdom
                  「知識の使い方」とも言える
テキストや人から学ぶことは比   本質的にはリスクを負って自ら
    較的たやすい       考えた経験から体得するしか
                         ない

                                  9
今は「知識の時代」?




             知


    知識
   世界は「知識」に溢れている
  インターネット、参考書、勉強会
                      知恵
                     失敗覚悟で本当に新
                     しいものに挑戦する機
テンプレート使ってチュートリアルに従    会が減ってない?
えば、だれでもそこそこのことはできる   知識を知恵に昇華で
それはすごく幸せなこと……だけど。     きているのかな?

                              10
始めてのことこそ、やる価値がある。
■ まだコンピュータ、 IT といったものに対しての「知識」
  が整理されていなかった頃、ひたすら「知恵」を働かせ
  て、がむしゃらに成果を出してきた人の話をします。
■ 刺激をうけて、みなさんも知恵をしぼってホントに新
  しいものを作る人になりたい! と、思って欲しい。
       だれかさんみたいに蘊蓄で生きてちゃダメだよ……。


■   今日のネタ本
       死ぬほど面白い
        ので○○を〇〇
                        http://ascii.asciimw.jp/books/
        〇〇でも読め!           books/detail/
                          4-7561-4678-3.shtml
                        ISBN: 978-4-7561-4678-6

                                                         11
この人を
知っていますか?

           12
この人を知っていますか?

        南澤 宣郎(みなみさわ のぶろう)さん
        (もうちょっとうつりが良い写真はなかったんでしょうか、
         情報処理学会さん)
        コンピュータ博物館: http://museum.ipsj.or.jp/pioneer/minami.html


■   国産電子計算機を作った人、ではありません。
■   計算機メーカーや大学の人でもありません。
■   今風にいえば「 IT 技術者」ではありません。
■   小野田セメントという会社の「事務自動化担当部長」
■   事務の自動化とはどうあるべきかを真剣に考え、ユー
    ザーの立場から様々な提案をしていった人

       いわば IT 産業の大恩人
                                                                  13
南澤氏の業績



1956 年   日本で始めて事務処理に半電子計算機を利用
         しかも擬似オンライン化も実現
1959年    日本の民間企業で始めて本格的事務処理用電
         子計算機「 UNIVAC File Computer 」導入
ー        上の二つから得られた事務の電子化のノウハウ
         を著書や論文・講演で公開
1960 年   国鉄(現 JR )のオンライン予約システム
         MARS の開発コンサルタント
1965 年   日本初のリアルタイムオンラインバンキング実
         現(三井銀行)のコンサルタント

                                      14
日本の事務自動化の
   幕開け

            15
きっかけ
■   1953 年のある日 社長の安藤豊禄氏に呼ばれて
        「事務処理の自動化について検討したい。
           ついては最近雑誌に出ている、
          電子計算機というものを調べてくれ」
■ 実は安藤社長は重役時代事務の機械化を二度主
  張して、当時の社長に却下されたことがある
■ 社長になっての夢の実現
       それはいいけど、ムチャぶりされた方は……。
       社長自ら「もう出世はできなくなるぞ」と言われた
       でも、若かった南澤さんは社長の熱意に感染して受けて
        しまった

                                    16
「事務の自動化」といって何をやる?
■   「全社の生産管理」を独学で検討
           支社              本社
                                           電子
                                          計算機



           伝票処理などをタイプライタ     送信された結果を
          で行うと、その結果が自動的に     全自動で処理し、       記録
              本社に送られる      本社・支社からアクセス可


       が、専門家・メーカーともども「前例がない」と反対
■   社長に具申
        新しいこととは他がやっていないから新しいのだ。
        しかし提案した人間が実現しなければ意味がない。
                 君がやれ。                           17
1950 年代の電子計算機事情

  ■   国産の電子計算機はまだまだ研究段階
  ■   「電子計算機」は「科学技術計算のため」、というのが
      常識で、事務への応用など考えられなかった
     ENIAC        世界初の実用的真   砲弾の弾道計算
1953 (1946)       空管計算機
     FACOM100     日本産業界初のリ   試作・技術検証機
     (1954)       レー式計算機
     FUJIC        日本初の真空管式   富士写真フイルムにて
     (1956)       計算機        レンズの設計用計算
     HIPAC MK-1   日立初のパラメト   電線の張力計算
     (1958)       ロン式計算機
     NEAC 1101    日本電気初のパラ   社内での技術計算用
     (1958)       メトロン式計算機   (東北大にも納入)
      他にも研究所や大学におけるプロジェクトもあったが、技術検証向け    18
とにかく今あるものを
■   日本アイ・ビー・エムへ
       「事務なら PCS (Punch Card
        System) がオススメです」
         ➔ パンチカードに入力された帳簿
           データを集計解析するもの
         ➔ 一つの機械を指すのではなく、

           一つの機能を持つ複数の
           機械の間をカードデッキを
           オペレータがかけかえて用いるシステム
                     会計機         集団  計算
    穿孔機 検孔機 分類機          照合機 翻訳機
                     製表機         穿孔機 穿孔機

       計算工程を全自動化しなければ
        望んだシステムにならない!

                                           19
あきらめない!
■   粘り強く交渉すると、ドイツ製の「カードプログラム式準
    計算機 (CPC) 」ではどうだということに
       即発注 (1953 年)、1956年導入

■   CPC とは?
       Card-Programming Electronic Calculator
       PCS の演算処理機構の部分
        を、パンチカードによりプログ
        ラム可能にしたもの
       メモリはリレー式でごく小さい
       でもまあ、これでやるしかない


                              Photo by Computer History Museum
                              http://www.computerhistory.org/collections
                               /accession/102693344                      20
CPC を中核に、システムを実現に移す
■   問題は通信ですよ、通信!
       昔はインターネットはおろか電話回線で通信する手段すら
        なかったんでございますわよ奥様……。

立ちふさがる壁「日本電信電話公社」(今の NTT )
■ 「電話とは音声を通すためのものである。公衆回線に
  電子計算機からの信号を流すなど許されない」
       蛇足ですがこれは 1980 年、村井純先生らが JUNET の
        実証実験を行うまで破られなかった壁

■   どうしてもというのであれば、電信の専用線であれば
    許してやらなくもない
       …… 電信?

                                          21
電信とはなんぞや。



■   元はモールス信号用
■   その後、機械式キーと紙テープやプリンタが付いた「テ
    レタイプ」が開発された
       20年ぐらい前までは通信事情が悪い国(例えばロシア)の
        大使館で現役で使われてました
       Unix の tty はこいつが起源

■   問題
       40/10000 字ぐらいでデータが化ける
        ➔   人間同士の通信ならいいけど、お金を扱うんじゃ困る!
       交換機がないので、線をいっぱいひかないといけない
       そもそも電信と計算機をつなぐしくみが世の中にない        22
ないなら作るのだ。
                                SL ・ TK 逆送自動誤字検出
          支社              本社           送受信装置
                                    通信エラー補正機能

                                      変換
                                       器
          STO 電信テープ穿孔
           自動タイプライター
          かなに加え漢字 70 文字          変換          CPC
              入出力可能



■   通信の両端とタイプライタは新興製作所というテレタ
    イプの会社と共同開発
       テープ←→カードの変換は UNIVAC の既製品が使えた
■   これで各拠点から CPC に(人手は介するが)つながる
    ようになった!
       日本初の(擬似)オンラインシステム
                                                   23
お金の話
■   社長曰く「技術については君の思うとおりやりなさい、
    ただし費用の枠は私が決める」
       こんなに開発コストかけてるのに、
        どうやって枠におさめよう???

■ しかし会社は道楽や慈善事業ではないので、どん
  なに画期的なことであっても投資対効果がなければ
  重役会や株主に説明がつかない
■ ので、頑張った




                            24
どうやって投資回収したの?
■   ポイント1:広告費に換算
       「事務処理自動化の記事が新聞に出たら、その大きさの広
        告を出したのと同じ効果がある」

■   ポイント2:アイディアと開発コストの引換え
       「ウチが出したアイディアでオタクは自由にモノを作って良
        い、その代わり大幅値引きしてくれ」
       「ウチを見学しに来た人たちにはオタクから買えというから」



■   ポイント3:セメントの売上に貢献する
       「機材購入費や開発費をセメントで支払わせてくれ」

                                   25
セメントで開発費を払う ?!
■   普通ならこんな発想は出てこない
       「作れ、だが予算はない」といわれたら諦める
       それでなくても昨今「やらない言い訳」をさがす人は多いし
        ね……。

■   でも実際に数億分のセメントを売り上げて、システム開
    発を行った

               彼の業績は多々あれど、
        「セメント担いで売ってでも思い通りのシステムを
           構築するんだ」というバイタリティが、
             もっとも尊敬したいところです!


                                  26
アメリカ視察旅行
■   1955年に設立された「電子計算機調査委員会」に、事
    務自動化の専門家として参加
       このメンバーもそうそうたる顔ぶれなんですが時間の都合
        で省略します……。

■   1956年にアメリカに視察へ
       米国では事務処理に対して電子計算機を使うことへの模
        索が始まっていた
       NY 郊外ラガーディア空港でオンライン予約システム見学
        ➔ 無人 24 時間運転、リアルタイム方式こそ理想
        ➔ プログラミングの重要性を意識

           - 電子計算機にオペレータは要らない
           - 必要なのは大量のプログラマ
        ➔ 現場の利用者に負担を強いないシステムに感銘




                                     27
UNIVAC File Computer 導入
■ 1955 年に「電信テープに直接入出力できる電子計算
  機」を IBM と UNIVAC にそれぞれ見積り
■ 1959 年、 UNIVAC File Computer (UFC) 導入
       世界初の事務処理専用機
        ➔   演算速度を犠牲にしてもメモリだけは大量に増設できた
             - 小野田セメント導入機は 1600 万キャラクタ

             支社        本社

                                   UFC




                                         28
       ほぼリアルタイムの(準)オンラインシステム実現
UFC 苦労話
■ 重すぎて普通に部屋に入れると床が抜けるので、強
  度がある梁の部分に置くために壁をぶち抜いて半分廊
  下に出した
■ 設置した冷房をフル稼働しても冷却能力が足りない
  ので、カバーを開けて直接風を当てた
       人間様には寒すぎたがしょうがない
■   起動直後は真空管が安定しないので 24 時間運転
    にした
       そしたら、磁気ドラムメモリが膨張して動かなくなったり
■   という問題を輸入元と一つ一つクリアしていった

■   UFC は日本に4台輸入されたが、小野田セメントが第
    一号だったので、このノウハウがいろいろ役立った
                                     29
技術は社会のもの、
ビジネスは会社のもの


             30
ノウハウの公開
■   著書
       1957 年「経営オートメーション」
       1958 年「オートメーションと経済学」
       同年「オートメーションと会計学」

■   論文
       CiNiiで「南沢 宣郎」と検索すると20件以上ひっかかる
        http://ci.nii.ac.jp/author?q=南沢 宣郎&count=20&sortorder=1

■   南澤さんもえらいが安藤社長もえらい

              技術は社会のもの、
             ビジネスは会社のもの
楽天の吉岡 (hyoshiok) さんのセリフですが、それを1950年代にやっていたのだ!
                                                                  31
例を二つほど……

経営事務における総合的機械化への動向
日本機械学會誌 60(461), 606-613, 1957-06-05
■ 1957年当時の事務機器における自動化について
    代表的な機器の紹介、のみならず

    自社の事務処理の計算機導入前のワークフローと、計算機導

     入後のワークフローの概略を説明
    1956年の米国視察旅行を踏まえた、米国の先進的な事務処理

     自動化・オンラインシステムの紹介

事務用データ処理の点から見た機器への要求
情報処理 2(1), 39-42, 1961-02-25
■ 自社の経験からつぎのような提言を行っている
   事務処理の自動化の障壁を除くために、価格を安くし、レンタル

    制度を導入すること
     ➔ これについては通産省の取りまとめで JECC というレンタル

       会社をメーカー共同出資で作ることで実現
   事務処理は処理速度よりもデータ容量
                                     32
国鉄座席予約自動化
 システムの構築


            33
   「国鉄事務近代化委員会」の発足
■   国鉄は日本の中でも数少ない、事務の自動化に理解
    があるところだった
       「国鉄事務近代化委員会」を発足(1956年 )
       ほとんどが電子計算機のメーカーあるいは大学の研究者
       事務畑からは南澤氏がただ一人選ばれる

■   東海道本線電車特急「こだま」を前に、予約システムの
    構築を検討
       「電子計算機で予約システムを構築すべき」と主張
        ➔ 1956年に見たラガーディア空港の予約システムが頭に
        ➔ 国鉄には国鉄電話という専用線があるからオンラインシステ

          ムへの課題はない
        ➔ 中央集権でやるべき、電子計算機なら分散する必要はない




                                    34
MARS 開発における南澤氏の業績①

電子計算機を使っているということをユーザーに意
識させないシステムづくり
■ 現場から「電子計算機化なんて対応できない、駅名の
  代わりにコードを入力するなんて不可能」
■ 答えて曰く「約束します、コードもキーボードも一切使
  いません」

対 策
■ 駅に対応するゴム印を用意し、東京なら「東京」のゴム
  印を押し付ける
       横に溝が切ってあり、その溝で駅名を判断
■   事務屋の発想に立った UI の提供

                              35
MARS 開発における南澤氏の業績②

「電子計算機は必ずトラブルを起こすもの」と想定し
たシステム運用
■ 国鉄の役員は怒る「必ずトラブルが起こるようなものを
  使うことができるか!」
■ しかし完璧なシステムを実現するのは高コスト
       ならばある程度のリスクは許容し、リスクが顕在化したとき
        の対策を用意しておいた方がよいときもある
        ➔   これは今に至るまでリスクマネジメントの真理!

対 策
■ 客は「予約したい」のではない
       座席に座りたいから、その手段として予約をする
       だから、予約が失敗したとしても、座れればそれでいい
■   調べてみると入り口付近の席は人気がない
       そこは車掌に任せ、席がない人に割り当てる          36
今も続く MARS の系譜
■   1960 年サービスイン
       完成した1959年当初は磁気ドラムメモリの故障などあり運
        用は苦労したが、サービスインまでには安定
        ➔ もちろん南澤さんだけの業績ではない
        ➔ これだけの大規模オンラインシステムは日本で始めて

        ➔ 国鉄の関係者も、大学の先生も、メーカー(日立)の人間も、

          必死になって頑張ったはず
       しかしそれも「オンライン予約システムをやる!」という判
        断がまずあってこそ!

■   ちなみに後に初代 MARS 計算機を入れ替えて高速
    化・安定化を図り、端末を全国に撒いたのが「みどりの
    窓口」
       JR になった今でも予約発券システムには MARS の名が
        残っています。
                                        37
日本初銀行業務
 オンライン化

          38
日本初銀行オンライン化
■   小野田セメントの主要銀行である三井銀行(現・三井
    住友銀行)が「 PCS を入れているが活用できていない
    のでなんとかしたい」したい旨、相談してきた
       ここでもコンサルとして入ることに (1959 年 )

■   調べてみると
       各拠点でバラバラに PCS その他の機械を入れているが、
        まったく連携がない
       それをただ単にオンライン化してもいいけど、けど……

■   せっかくだからリアルタイムオンラインバンキングを
    やりましょう!


                                       39
作戦
■   まずは本社に計算機を入れて、支店には端末を入れる
    だけという中央集権システムにすることから始める

■   リアルタイムオンライン化の当座の目標は「普通預金」
    に設定する
       顧客の70%を占める    作業削減効果が大きい
       受払件数が非常に大きい
       一件ごとの金額が小さい   リスクが小さい

■   ただし一番最初は「送金業務」に限定し、電信で行う
       「送金時間の劇的な削減」を顧客アピールに用いる

■   これで準オンラインシステムを構築しておいて待機
       普通預金のリアルタイムオンライン化は遠からず来るはず
        の交換機不要な電話通信網の開放を待って導入     40
ところが……
■   横並び意識が強い業界なので、全国銀行協会(全銀
    協)からクレーム

■   全銀協幹事行曰く「銀行ではミスは絶対に許されな
    い。米国にもリアルタイムオンラインバンキングの前例
    はない。電子計算機で絶対に間違えない保証はある
    のか」

■   答えて曰く「ではこうしましょう。 '64 年の東京五輪向
    けに、日本アイ・ビー・エムが記録の集計用にリアルタ
    イムオンラインシステムを構築しています。五輪だって
    間違いは許されません。そこで一度もトラブルを起こさ
    なかったら、そのシステムをそっくりそのまま納入するよ
    うにしましょう」
                               41
三井銀行オンラインバンキング立ち上げ
■   東京オリンピックのために、電電公社もついに折れて
    電話専用線による通信を許可(!)
       読み大当たり
       モデムによる通信が可能になった
       高価な交換機が不要になった上、速度も向上!

■   東京オリンピックのシステムは日本アイ・ビー・エムの
    努力によりノートラブルで稼働!

■   このシステムがまるごと三井銀行に納入 (1965 年 )
       稼動後もトラブルなし

■   三井の成功を見て、他行もオンライン化へ
       今の世の中は南澤さんの予言した通りになっている
                                   42
まとめ


      43
南澤さんの「これがすげー」ポイント
■   「今あるもの」から考えないで、あるべき姿を描く
       あるものを活用し、ないものは共同開発も辞さず、あるべき
        姿を実現する
       専門家の意見を鵜呑みにしない

■   ちゃんと採算という結果も残す
       会社は道楽ではない。開発費はなんとしても回収する
       セメント売ってでも作るべきものは作る!

■   ノウハウを社会にフィードバックする
       多くの著書・論文・講演・コンサルティング
          ユーザー視点で「電子計算機」から
         「コンピュータシステム」に発展させた
         日本のシステムインテグレータ第一号         44
ワタクシ思うのです。
■   現在、技術は進化し、フレームワークは整備され、ノウ
    ハウは蓄積されて、ゼロからのモノづくりをしなければ
    ならないケースは減ってきました。

■   しかし、だからこそ、「ノウハウがない」「実績がない」
    「技術的に困難である」ことから、安易に「できない」と
    いう結論に飛びついてやしないでしょうか?

■   できないことに固執するより、できる範囲のことでなに
    かお客様の役に立てないか、それを考えられる人にな
    りたいですよね。

■   60 年以上前の人たちができて、ぼくらにできないなど
    ということはない!                 45
二十一世紀の奴らも
頑張ったな、と言わ
れるように頑張ろう
ではありませんか!

            46
おしまい。


        47
おまけの
雑学コーナー

         48
パンチカードって?




■ 「ジャカード織り機」という自動織り機
  の模様指定カードを元に考案
■ 元は統計処理用
■ コンピュータへの入力装置として使われた
       簡単な制御コマンド+プログラム+データをひとまとめにして
        計算機に放り込む=バッチ処理
       この紙一枚で80文字の表現能力が
        ➔ 桁を「フィールド」と区切ってそれぞれに意味を持たせるとい
          う考えが COBOL で採用= Record
        ➔ Pascal を経て C の構造体へ
                                      49
真空管? リレー? パラメトロン?
■   どれも「論理素子」と呼ばれる電気的スイッチ
          V
     IN       OUT   V に電圧をかけた状態で IN に電圧をか
                    けるとスイッチが入り OUT に通電
              GND


名称        利点             欠点
真空管       製造技術が確立、動作が    寿命が短い (3000 〜4000
          高速             時間 ) 、内部にヒーターを持
                         つので消費電力が大きい
リレー       比較的丈夫、製造技術が    所詮電磁石なので速度が出
( 継電器 )   確立             ない、うるさい
パラメトロン フェライトコアが主材料な      非常に遅い ( 真空管の
       ので安価、安定           1/100 )
トランジスタ 非常に高速、省電力、小型 1950年代にはまだ品質が
       化が可能         安定していなかった
                                             50
ここでちょっとしたクイズ
■ 世界初の実用的な汎用電子計算機とされている
  ENIAC には真空管が 17648 本使用されていまし
  た’(簡単のために 18000 本にします)。
■ 真空管の寿命は3000〜4000時間といわれています
  が、簡単のために3000時間とします。
■ さて、 ENIAC を24時間連続稼動したときに破損する
  真空管は何本ぐらいと想定されるでしょう?

■   答え:
       18000 x 24 / 3000 = 144 本
       仮に1本の真空管の交換に1時間かかるとすると、24時間
        の計算のためには 24+144 = 168 時間かかる計算
       ので、遅くても故障がない素子(=パラメトロン)を使ったり、
        真空管の数を減らす( FUJIC :1700本)工夫は有効だった
                                       51
ついでの蘊蓄
■   もっとも古い論理素子はリレー
       そもそもは電信向けに考案
       交換機などにも大量に使われていたので、膨大なノウハウ
       世界初のプログラム記憶式計算機 Zuse z3 (1941) はリ
        レーを2200個利用

■   日本独自の素子、パラメトロンの意義
       東大の院生、後藤英夫が発明した、フェライトコアを元にし
        た論理素子
       安価、物性的に安定、壊れにくい
        ➔   真空管より二桁遅かったが、メリットの前には些細なこと
       これにより電子計算機開発のリスクを下げることができ、開
        発のノウハウ蓄積に役立った
        ➔   日立 HIPAC103 、日本電気 NEAC 1101など
       後に MIT の McCathy に「面白いことを考えたね、なんで
        あんなに遅い素子を作ったんだい?」と言われたとか。         52
メモリの話も
■   論理素子さえできて
    しまえばメモリもできる
       いわゆるフリップフロップ
       今で云うところの SRAM
       詳しい説明は kwappa
        さんでも聞いてね

■   でも論理素子が増えると消費電力・信頼性の低下など
    に繋がる
■   、ということで、別の方法も考えられた
       水銀遅延線
       ブラウン管メモリ               書いてると
       磁気ドラム            止まらなくなっちゃうので
                        Wikipedia でも読んでねっ。
       磁気コア                                 53
UNIVAC とはなんじゃらほい
■   ENIAC のエッカートとモークリーが商用計算機を作る
    ために立ち上げた会社が、資金難のためにレミントンラ
    ンドという会社に買収されて(さらに RR はスペリー社
    に買収される)、最初に作られた「電子計算機」の名前
       UNIVersal Automatic Computer
       後にこの機械は UNIVAC I と呼ばれることに

■   IBM が PCS の強みを失うことを恐れて事務処理用電
    子計算機を出さなかった隙間を縫う形で、事務処理用
    マシンのスマッシュヒットを次々と発表

■   IBM が PCS との一貫性を強みに攻勢に出ると経営
    が厳しくなり、 Burroughs ( バローズ)と合併して
    UNISYS に
       今は SI 屋さんで、コンピュータは作ってません……。    54

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Awful Guy in Early Ages of Japanese Computer / 昔の人はえらかった

  • 2. !!!注意!!! ■ 「実用的な話」「技術的な話」をする気は これっぽっちもありません ので、そういう話を聞きたい人は今すぐ他の会場へど うぞ :-) ■ でも、しゃべる内容は「とても面白い時代のとても面白 い人の話」です(面白く話せるよう努力はします)。 よろしくね。 2
  • 3. 自己紹介 ■ 小笠原徳彦 (Ogasawara, Naruhiko) ■ 1971 年 3 月 26 日生まれ花の 39 歳 ■ ついでにいうと花の独…… ■ めんどいので中略 ■ Prolog かわいいよ Prolog ■ とかいうのはいいとして、カヤック川下り仲間募集! ■ まあそんな感じで 3
  • 4. お願い ■ 私は「優秀な技術者」では「ありません」。 ■ 私は「模範的な社会人」では「ありません」。 ■ 私から何かを学ぼうなどと、どうか思わないでください。 ■ 私の背中とか見られると困るので、お願いだからそん なことはしないでね。つーか絶対すんな。 4
  • 5. おはなしの内容 ■ 前フリ:知識と知恵 ■ この人を知っていますか?  日本の○○自動化の幕開け  技術は社会のもの、ビジネスは会社のもの  ○○○○○○ 自動化システムの構築  日本初○○業務オンライン化 ■ まとめ 伏字だらけなのはこのあとクイズするからで、気にしないでね。 5
  • 8. 「知」について考えてみた。 知 知識 知恵 knowledge wisdom 8
  • 9. 「知」について考えてみた。 知 知識 知恵 概念を言葉で説明することが 言葉にはしにくい「考え方」 knowledge できること wisdom 「知識の使い方」とも言える テキストや人から学ぶことは比 本質的にはリスクを負って自ら 較的たやすい 考えた経験から体得するしか ない 9
  • 10. 今は「知識の時代」? 知 知識 世界は「知識」に溢れている インターネット、参考書、勉強会 知恵 失敗覚悟で本当に新 しいものに挑戦する機 テンプレート使ってチュートリアルに従 会が減ってない? えば、だれでもそこそこのことはできる 知識を知恵に昇華で それはすごく幸せなこと……だけど。 きているのかな? 10
  • 11. 始めてのことこそ、やる価値がある。 ■ まだコンピュータ、 IT といったものに対しての「知識」 が整理されていなかった頃、ひたすら「知恵」を働かせ て、がむしゃらに成果を出してきた人の話をします。 ■ 刺激をうけて、みなさんも知恵をしぼってホントに新 しいものを作る人になりたい! と、思って欲しい。  だれかさんみたいに蘊蓄で生きてちゃダメだよ……。 ■ 今日のネタ本  死ぬほど面白い ので○○を〇〇 http://ascii.asciimw.jp/books/ 〇〇でも読め! books/detail/ 4-7561-4678-3.shtml ISBN: 978-4-7561-4678-6 11
  • 13. この人を知っていますか? 南澤 宣郎(みなみさわ のぶろう)さん (もうちょっとうつりが良い写真はなかったんでしょうか、  情報処理学会さん) コンピュータ博物館: http://museum.ipsj.or.jp/pioneer/minami.html ■ 国産電子計算機を作った人、ではありません。 ■ 計算機メーカーや大学の人でもありません。 ■ 今風にいえば「 IT 技術者」ではありません。 ■ 小野田セメントという会社の「事務自動化担当部長」 ■ 事務の自動化とはどうあるべきかを真剣に考え、ユー ザーの立場から様々な提案をしていった人 いわば IT 産業の大恩人 13
  • 14. 南澤氏の業績 1956 年 日本で始めて事務処理に半電子計算機を利用 しかも擬似オンライン化も実現 1959年 日本の民間企業で始めて本格的事務処理用電 子計算機「 UNIVAC File Computer 」導入 ー 上の二つから得られた事務の電子化のノウハウ を著書や論文・講演で公開 1960 年 国鉄(現 JR )のオンライン予約システム MARS の開発コンサルタント 1965 年 日本初のリアルタイムオンラインバンキング実 現(三井銀行)のコンサルタント 14
  • 16. きっかけ ■ 1953 年のある日 社長の安藤豊禄氏に呼ばれて 「事務処理の自動化について検討したい。 ついては最近雑誌に出ている、 電子計算機というものを調べてくれ」 ■ 実は安藤社長は重役時代事務の機械化を二度主 張して、当時の社長に却下されたことがある ■ 社長になっての夢の実現  それはいいけど、ムチャぶりされた方は……。  社長自ら「もう出世はできなくなるぞ」と言われた  でも、若かった南澤さんは社長の熱意に感染して受けて しまった 16
  • 17. 「事務の自動化」といって何をやる? ■ 「全社の生産管理」を独学で検討 支社 本社 電子 計算機 伝票処理などをタイプライタ 送信された結果を で行うと、その結果が自動的に 全自動で処理し、 記録 本社に送られる 本社・支社からアクセス可  が、専門家・メーカーともども「前例がない」と反対 ■ 社長に具申 新しいこととは他がやっていないから新しいのだ。 しかし提案した人間が実現しなければ意味がない。 君がやれ。 17
  • 18. 1950 年代の電子計算機事情 ■ 国産の電子計算機はまだまだ研究段階 ■ 「電子計算機」は「科学技術計算のため」、というのが 常識で、事務への応用など考えられなかった ENIAC 世界初の実用的真 砲弾の弾道計算 1953 (1946) 空管計算機 FACOM100 日本産業界初のリ 試作・技術検証機 (1954) レー式計算機 FUJIC 日本初の真空管式 富士写真フイルムにて (1956) 計算機 レンズの設計用計算 HIPAC MK-1 日立初のパラメト 電線の張力計算 (1958) ロン式計算機 NEAC 1101 日本電気初のパラ 社内での技術計算用 (1958) メトロン式計算機 (東北大にも納入) 他にも研究所や大学におけるプロジェクトもあったが、技術検証向け 18
  • 19. とにかく今あるものを ■ 日本アイ・ビー・エムへ  「事務なら PCS (Punch Card System) がオススメです」 ➔ パンチカードに入力された帳簿 データを集計解析するもの ➔ 一つの機械を指すのではなく、 一つの機能を持つ複数の 機械の間をカードデッキを オペレータがかけかえて用いるシステム 会計機 集団 計算 穿孔機 検孔機 分類機 照合機 翻訳機 製表機 穿孔機 穿孔機  計算工程を全自動化しなければ 望んだシステムにならない! 19
  • 20. あきらめない! ■ 粘り強く交渉すると、ドイツ製の「カードプログラム式準 計算機 (CPC) 」ではどうだということに  即発注 (1953 年)、1956年導入 ■ CPC とは?  Card-Programming Electronic Calculator  PCS の演算処理機構の部分 を、パンチカードによりプログ ラム可能にしたもの  メモリはリレー式でごく小さい  でもまあ、これでやるしかない Photo by Computer History Museum http://www.computerhistory.org/collections /accession/102693344 20
  • 21. CPC を中核に、システムを実現に移す ■ 問題は通信ですよ、通信!  昔はインターネットはおろか電話回線で通信する手段すら なかったんでございますわよ奥様……。 立ちふさがる壁「日本電信電話公社」(今の NTT ) ■ 「電話とは音声を通すためのものである。公衆回線に 電子計算機からの信号を流すなど許されない」  蛇足ですがこれは 1980 年、村井純先生らが JUNET の 実証実験を行うまで破られなかった壁 ■ どうしてもというのであれば、電信の専用線であれば 許してやらなくもない  …… 電信? 21
  • 22. 電信とはなんぞや。 ■ 元はモールス信号用 ■ その後、機械式キーと紙テープやプリンタが付いた「テ レタイプ」が開発された  20年ぐらい前までは通信事情が悪い国(例えばロシア)の 大使館で現役で使われてました  Unix の tty はこいつが起源 ■ 問題  40/10000 字ぐらいでデータが化ける ➔ 人間同士の通信ならいいけど、お金を扱うんじゃ困る!  交換機がないので、線をいっぱいひかないといけない  そもそも電信と計算機をつなぐしくみが世の中にない 22
  • 23. ないなら作るのだ。 SL ・ TK 逆送自動誤字検出 支社 本社 送受信装置 通信エラー補正機能 変換 器 STO 電信テープ穿孔 自動タイプライター かなに加え漢字 70 文字 変換 CPC 入出力可能 ■ 通信の両端とタイプライタは新興製作所というテレタ イプの会社と共同開発  テープ←→カードの変換は UNIVAC の既製品が使えた ■ これで各拠点から CPC に(人手は介するが)つながる ようになった!  日本初の(擬似)オンラインシステム 23
  • 24. お金の話 ■ 社長曰く「技術については君の思うとおりやりなさい、 ただし費用の枠は私が決める」 こんなに開発コストかけてるのに、 どうやって枠におさめよう??? ■ しかし会社は道楽や慈善事業ではないので、どん なに画期的なことであっても投資対効果がなければ 重役会や株主に説明がつかない ■ ので、頑張った 24
  • 25. どうやって投資回収したの? ■ ポイント1:広告費に換算  「事務処理自動化の記事が新聞に出たら、その大きさの広 告を出したのと同じ効果がある」 ■ ポイント2:アイディアと開発コストの引換え  「ウチが出したアイディアでオタクは自由にモノを作って良 い、その代わり大幅値引きしてくれ」  「ウチを見学しに来た人たちにはオタクから買えというから」 ■ ポイント3:セメントの売上に貢献する  「機材購入費や開発費をセメントで支払わせてくれ」 25
  • 26. セメントで開発費を払う ?! ■ 普通ならこんな発想は出てこない  「作れ、だが予算はない」といわれたら諦める  それでなくても昨今「やらない言い訳」をさがす人は多いし ね……。 ■ でも実際に数億分のセメントを売り上げて、システム開 発を行った 彼の業績は多々あれど、 「セメント担いで売ってでも思い通りのシステムを 構築するんだ」というバイタリティが、 もっとも尊敬したいところです! 26
  • 27. アメリカ視察旅行 ■ 1955年に設立された「電子計算機調査委員会」に、事 務自動化の専門家として参加  このメンバーもそうそうたる顔ぶれなんですが時間の都合 で省略します……。 ■ 1956年にアメリカに視察へ  米国では事務処理に対して電子計算機を使うことへの模 索が始まっていた  NY 郊外ラガーディア空港でオンライン予約システム見学 ➔ 無人 24 時間運転、リアルタイム方式こそ理想 ➔ プログラミングの重要性を意識 - 電子計算機にオペレータは要らない - 必要なのは大量のプログラマ ➔ 現場の利用者に負担を強いないシステムに感銘 27
  • 28. UNIVAC File Computer 導入 ■ 1955 年に「電信テープに直接入出力できる電子計算 機」を IBM と UNIVAC にそれぞれ見積り ■ 1959 年、 UNIVAC File Computer (UFC) 導入  世界初の事務処理専用機 ➔ 演算速度を犠牲にしてもメモリだけは大量に増設できた - 小野田セメント導入機は 1600 万キャラクタ 支社 本社 UFC 28  ほぼリアルタイムの(準)オンラインシステム実現
  • 29. UFC 苦労話 ■ 重すぎて普通に部屋に入れると床が抜けるので、強 度がある梁の部分に置くために壁をぶち抜いて半分廊 下に出した ■ 設置した冷房をフル稼働しても冷却能力が足りない ので、カバーを開けて直接風を当てた  人間様には寒すぎたがしょうがない ■ 起動直後は真空管が安定しないので 24 時間運転 にした  そしたら、磁気ドラムメモリが膨張して動かなくなったり ■ という問題を輸入元と一つ一つクリアしていった ■ UFC は日本に4台輸入されたが、小野田セメントが第 一号だったので、このノウハウがいろいろ役立った 29
  • 31. ノウハウの公開 ■ 著書  1957 年「経営オートメーション」  1958 年「オートメーションと経済学」  同年「オートメーションと会計学」 ■ 論文  CiNiiで「南沢 宣郎」と検索すると20件以上ひっかかる http://ci.nii.ac.jp/author?q=南沢 宣郎&count=20&sortorder=1 ■ 南澤さんもえらいが安藤社長もえらい 技術は社会のもの、 ビジネスは会社のもの 楽天の吉岡 (hyoshiok) さんのセリフですが、それを1950年代にやっていたのだ! 31
  • 32. 例を二つほど…… 経営事務における総合的機械化への動向 日本機械学會誌 60(461), 606-613, 1957-06-05 ■ 1957年当時の事務機器における自動化について  代表的な機器の紹介、のみならず  自社の事務処理の計算機導入前のワークフローと、計算機導 入後のワークフローの概略を説明  1956年の米国視察旅行を踏まえた、米国の先進的な事務処理 自動化・オンラインシステムの紹介 事務用データ処理の点から見た機器への要求 情報処理 2(1), 39-42, 1961-02-25 ■ 自社の経験からつぎのような提言を行っている  事務処理の自動化の障壁を除くために、価格を安くし、レンタル 制度を導入すること ➔ これについては通産省の取りまとめで JECC というレンタル 会社をメーカー共同出資で作ることで実現  事務処理は処理速度よりもデータ容量 32
  • 34. 「国鉄事務近代化委員会」の発足 ■ 国鉄は日本の中でも数少ない、事務の自動化に理解 があるところだった  「国鉄事務近代化委員会」を発足(1956年 )  ほとんどが電子計算機のメーカーあるいは大学の研究者  事務畑からは南澤氏がただ一人選ばれる ■ 東海道本線電車特急「こだま」を前に、予約システムの 構築を検討  「電子計算機で予約システムを構築すべき」と主張 ➔ 1956年に見たラガーディア空港の予約システムが頭に ➔ 国鉄には国鉄電話という専用線があるからオンラインシステ ムへの課題はない ➔ 中央集権でやるべき、電子計算機なら分散する必要はない 34
  • 35. MARS 開発における南澤氏の業績① 電子計算機を使っているということをユーザーに意 識させないシステムづくり ■ 現場から「電子計算機化なんて対応できない、駅名の 代わりにコードを入力するなんて不可能」 ■ 答えて曰く「約束します、コードもキーボードも一切使 いません」 対 策 ■ 駅に対応するゴム印を用意し、東京なら「東京」のゴム 印を押し付ける  横に溝が切ってあり、その溝で駅名を判断 ■ 事務屋の発想に立った UI の提供 35
  • 36. MARS 開発における南澤氏の業績② 「電子計算機は必ずトラブルを起こすもの」と想定し たシステム運用 ■ 国鉄の役員は怒る「必ずトラブルが起こるようなものを 使うことができるか!」 ■ しかし完璧なシステムを実現するのは高コスト  ならばある程度のリスクは許容し、リスクが顕在化したとき の対策を用意しておいた方がよいときもある ➔ これは今に至るまでリスクマネジメントの真理! 対 策 ■ 客は「予約したい」のではない  座席に座りたいから、その手段として予約をする  だから、予約が失敗したとしても、座れればそれでいい ■ 調べてみると入り口付近の席は人気がない  そこは車掌に任せ、席がない人に割り当てる 36
  • 37. 今も続く MARS の系譜 ■ 1960 年サービスイン  完成した1959年当初は磁気ドラムメモリの故障などあり運 用は苦労したが、サービスインまでには安定 ➔ もちろん南澤さんだけの業績ではない ➔ これだけの大規模オンラインシステムは日本で始めて ➔ 国鉄の関係者も、大学の先生も、メーカー(日立)の人間も、 必死になって頑張ったはず  しかしそれも「オンライン予約システムをやる!」という判 断がまずあってこそ! ■ ちなみに後に初代 MARS 計算機を入れ替えて高速 化・安定化を図り、端末を全国に撒いたのが「みどりの 窓口」  JR になった今でも予約発券システムには MARS の名が 残っています。 37
  • 39. 日本初銀行オンライン化 ■ 小野田セメントの主要銀行である三井銀行(現・三井 住友銀行)が「 PCS を入れているが活用できていない のでなんとかしたい」したい旨、相談してきた  ここでもコンサルとして入ることに (1959 年 ) ■ 調べてみると  各拠点でバラバラに PCS その他の機械を入れているが、 まったく連携がない  それをただ単にオンライン化してもいいけど、けど…… ■ せっかくだからリアルタイムオンラインバンキングを やりましょう! 39
  • 40. 作戦 ■ まずは本社に計算機を入れて、支店には端末を入れる だけという中央集権システムにすることから始める ■ リアルタイムオンライン化の当座の目標は「普通預金」 に設定する  顧客の70%を占める 作業削減効果が大きい  受払件数が非常に大きい  一件ごとの金額が小さい リスクが小さい ■ ただし一番最初は「送金業務」に限定し、電信で行う  「送金時間の劇的な削減」を顧客アピールに用いる ■ これで準オンラインシステムを構築しておいて待機  普通預金のリアルタイムオンライン化は遠からず来るはず の交換機不要な電話通信網の開放を待って導入 40
  • 41. ところが…… ■ 横並び意識が強い業界なので、全国銀行協会(全銀 協)からクレーム ■ 全銀協幹事行曰く「銀行ではミスは絶対に許されな い。米国にもリアルタイムオンラインバンキングの前例 はない。電子計算機で絶対に間違えない保証はある のか」 ■ 答えて曰く「ではこうしましょう。 '64 年の東京五輪向 けに、日本アイ・ビー・エムが記録の集計用にリアルタ イムオンラインシステムを構築しています。五輪だって 間違いは許されません。そこで一度もトラブルを起こさ なかったら、そのシステムをそっくりそのまま納入するよ うにしましょう」 41
  • 42. 三井銀行オンラインバンキング立ち上げ ■ 東京オリンピックのために、電電公社もついに折れて 電話専用線による通信を許可(!)  読み大当たり  モデムによる通信が可能になった  高価な交換機が不要になった上、速度も向上! ■ 東京オリンピックのシステムは日本アイ・ビー・エムの 努力によりノートラブルで稼働! ■ このシステムがまるごと三井銀行に納入 (1965 年 )  稼動後もトラブルなし ■ 三井の成功を見て、他行もオンライン化へ  今の世の中は南澤さんの予言した通りになっている 42
  • 43. まとめ 43
  • 44. 南澤さんの「これがすげー」ポイント ■ 「今あるもの」から考えないで、あるべき姿を描く  あるものを活用し、ないものは共同開発も辞さず、あるべき 姿を実現する  専門家の意見を鵜呑みにしない ■ ちゃんと採算という結果も残す  会社は道楽ではない。開発費はなんとしても回収する  セメント売ってでも作るべきものは作る! ■ ノウハウを社会にフィードバックする  多くの著書・論文・講演・コンサルティング ユーザー視点で「電子計算機」から 「コンピュータシステム」に発展させた 日本のシステムインテグレータ第一号 44
  • 45. ワタクシ思うのです。 ■ 現在、技術は進化し、フレームワークは整備され、ノウ ハウは蓄積されて、ゼロからのモノづくりをしなければ ならないケースは減ってきました。 ■ しかし、だからこそ、「ノウハウがない」「実績がない」 「技術的に困難である」ことから、安易に「できない」と いう結論に飛びついてやしないでしょうか? ■ できないことに固執するより、できる範囲のことでなに かお客様の役に立てないか、それを考えられる人にな りたいですよね。 ■ 60 年以上前の人たちができて、ぼくらにできないなど ということはない! 45
  • 49. パンチカードって? ■ 「ジャカード織り機」という自動織り機 の模様指定カードを元に考案 ■ 元は統計処理用 ■ コンピュータへの入力装置として使われた  簡単な制御コマンド+プログラム+データをひとまとめにして 計算機に放り込む=バッチ処理  この紙一枚で80文字の表現能力が ➔ 桁を「フィールド」と区切ってそれぞれに意味を持たせるとい う考えが COBOL で採用= Record ➔ Pascal を経て C の構造体へ 49
  • 50. 真空管? リレー? パラメトロン? ■ どれも「論理素子」と呼ばれる電気的スイッチ V IN OUT V に電圧をかけた状態で IN に電圧をか けるとスイッチが入り OUT に通電 GND 名称 利点 欠点 真空管 製造技術が確立、動作が 寿命が短い (3000 〜4000 高速 時間 ) 、内部にヒーターを持 つので消費電力が大きい リレー 比較的丈夫、製造技術が 所詮電磁石なので速度が出 ( 継電器 ) 確立 ない、うるさい パラメトロン フェライトコアが主材料な 非常に遅い ( 真空管の ので安価、安定 1/100 ) トランジスタ 非常に高速、省電力、小型 1950年代にはまだ品質が 化が可能 安定していなかった 50
  • 51. ここでちょっとしたクイズ ■ 世界初の実用的な汎用電子計算機とされている ENIAC には真空管が 17648 本使用されていまし た’(簡単のために 18000 本にします)。 ■ 真空管の寿命は3000〜4000時間といわれています が、簡単のために3000時間とします。 ■ さて、 ENIAC を24時間連続稼動したときに破損する 真空管は何本ぐらいと想定されるでしょう? ■ 答え:  18000 x 24 / 3000 = 144 本  仮に1本の真空管の交換に1時間かかるとすると、24時間 の計算のためには 24+144 = 168 時間かかる計算  ので、遅くても故障がない素子(=パラメトロン)を使ったり、 真空管の数を減らす( FUJIC :1700本)工夫は有効だった 51
  • 52. ついでの蘊蓄 ■ もっとも古い論理素子はリレー  そもそもは電信向けに考案  交換機などにも大量に使われていたので、膨大なノウハウ  世界初のプログラム記憶式計算機 Zuse z3 (1941) はリ レーを2200個利用 ■ 日本独自の素子、パラメトロンの意義  東大の院生、後藤英夫が発明した、フェライトコアを元にし た論理素子  安価、物性的に安定、壊れにくい ➔ 真空管より二桁遅かったが、メリットの前には些細なこと  これにより電子計算機開発のリスクを下げることができ、開 発のノウハウ蓄積に役立った ➔ 日立 HIPAC103 、日本電気 NEAC 1101など  後に MIT の McCathy に「面白いことを考えたね、なんで あんなに遅い素子を作ったんだい?」と言われたとか。 52
  • 53. メモリの話も ■ 論理素子さえできて しまえばメモリもできる  いわゆるフリップフロップ  今で云うところの SRAM  詳しい説明は kwappa さんでも聞いてね ■ でも論理素子が増えると消費電力・信頼性の低下など に繋がる ■ 、ということで、別の方法も考えられた  水銀遅延線  ブラウン管メモリ 書いてると  磁気ドラム 止まらなくなっちゃうので Wikipedia でも読んでねっ。  磁気コア 53
  • 54. UNIVAC とはなんじゃらほい ■ ENIAC のエッカートとモークリーが商用計算機を作る ために立ち上げた会社が、資金難のためにレミントンラ ンドという会社に買収されて(さらに RR はスペリー社 に買収される)、最初に作られた「電子計算機」の名前  UNIVersal Automatic Computer  後にこの機械は UNIVAC I と呼ばれることに ■ IBM が PCS の強みを失うことを恐れて事務処理用電 子計算機を出さなかった隙間を縫う形で、事務処理用 マシンのスマッシュヒットを次々と発表 ■ IBM が PCS との一貫性を強みに攻勢に出ると経営 が厳しくなり、 Burroughs ( バローズ)と合併して UNISYS に  今は SI 屋さんで、コンピュータは作ってません……。 54