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一般財団法人 マルチメディア振興センター
Foundation for MultiMedia Communications
―「Media Entertainment」へと発展するeスポーツ―
日本のeスポーツ視聴に焦点を当てた
現状分析
発表者:一般財団法人マルチメディア振興センター 五十嵐輝
共同研究者:芝浦工業大学 小山友介
All rights reserved ©FMMC 2020 1
報告要旨
背景:
海外ではeスポーツの「Media Entertainment」化が加速
動画共有プラットフォームやライブストリーミングサービスの普及により、
世界的に「ゲームプレイを配信する・視聴する」という行為が一般化
日本の課題: eスポーツ市場の規模が小さい
長年の世界とのタイトルの乖離ゆえにプレイヤー・視聴者数が少ない
家庭用ゲーム・アーケードが強く、海外で強いPCゲームが弱かった
近年はスマホなどでもFPS・TPSが遊ばれるようになってきている
目的:
日本のeスポーツが「Media Entertainment」へ発展する上での示唆
とするため、日本のeスポーツ視聴者に起きて来ている変化について、
消費者のeスポーツ視聴と視聴されているゲームタイトルに焦点を
絞って分析する
All rights reserved ©FMMC 2020 2
eスポーツとは
eスポーツ(eSports :electronic sports)の定義
「競技性の高いデジタルゲーム」を用いた対人競技
MOBA(Multiplayer online battle arena)
FPS・TPS(シューティング)
格闘ゲーム、など
及び、上記ゲームタイトルを用いた興行・その放送を含む
関連エンタテインメント産業全般を意味
オフライン・オンラインでのトーナメントやリーグといった興行
及びその放送(動画共有プラットフォームを通した)
ライブストリーミングとアーカイブでのオンデマンド配信
本研究では、「eスポーツ」を上記の意味で用いる
All rights reserved ©FMMC 2020 3
eスポーツ市場規模の動向
世界は2020年に約1,000億円に(一方、日本は約76憶円)
市場規模のうち、スポンサーシップが約6割を占める
放映権も上昇し、約17%で2番目に多い、今後も上昇傾向
※2020年の数値は、2020年7月時点の予測
Newzoo「Newzoo Global Esports Market Report 2020」から引用
$584.1M
$163.3M
$108.9M
$76.2M
$21.5M $19.9M
Sponsorship Media Rights Publisher Fees Merchandise &
Tickets
Digital Streaming
+7.5%
YoY
+3.3%
YoY
-11.6%
YoY -27.9%
YoY
+60.9%
YoY
+44.9%
YoY
$973.9M
2020 Total Esports
Revenues
+1.7% YoY
All rights reserved ©FMMC 2020 4
eスポーツの問題:市場の問題
日本は世界の人気eスポーツ競技タイトルから乖離
世界に先駆けた日本的eスポーツ:ゲームセンター
90年代にかけて家庭用ゲームが圧倒的シェア、PCゲームはPC
市場の停滞から成長せず
海外では主流タイトルのFPSやMOBAが、日本では主流にならず
「スクウェア・エニックス/三宅 陽一郎」から引用加筆
eスポーツの進化の流れ
1985 1990 1995 2007
日本におけるゲームセンターの対戦文化の流れ ▶ 2000年代以降衰退傾向
(1980年代~)例:アーケードとその移植としての家庭用ゲーム
ゲームセンター
の対戦台
アメリカを中心とするFPS対戦の流れ
(2000年前後~)例:LANパーティ
韓国におけるeスポーツ文化(RTS)の流れ
(1997年~)例:PC房(バン)
世界的なMOBAスタイルの
チーム対戦の流れ(2010年~)
LAN インターネット 高速インターネット・動画配信
All rights reserved ©FMMC 2020 5
eスポーツの問題:日本の法的問題
法制度の問題
賞金の問題:海外は賞金額増加も、日本では制限。市場規模に歯止め
刑法:参加者から集金し、勝者がそれを得る形式の場合、刑法185条(いわ
ゆる賭博罪)に抵触の可能性。海外では賞金額上昇のため、採用の場合有。
景表法:ゲームの宣伝として、ゲーム大会を行うとみなされる場合、景品と
しての高額賞金は景表法(不当景品類及び不当表示防止法)第一条の「不当
な景品類および表示による顧客の誘引」に抵触の可能性。ゲーム企業による
賞金等の拠出を難しく。
風営法の問題
eスポーツ施設などゲームを行う場所を運営する場合、ゲームセンター同様
に、風営法(風俗営業等の規則および業務の適正化等に関する法律)の規制
対象であり、認可が必要。営利店舗施設にゲーム機を勝手に置くのは違法。
著作権の問題
ゲーム会社への許諾なしにゲーム大会を開くことは著作権の侵害となる
自社ゲームを用いた大会開催のためのガイドラインを設定している会社も
特に、景表法にかかる賞金額の制限が大きな問題に
All rights reserved ©FMMC 2020 6
eスポーツの問題:日本の法的問題
日本eスポーツ連合(JeSU)主導での高額賞金問題の前進
乱立していた三つのeスポーツ業界団体が統合(2018年)
プロライセンス制度による景表法問題解消を目的に活動
しかし、JeSUが行った消費者庁に対するノンアクションレ
ターの結果、ライセンスの有無にかかわらず「仕事の報酬」で
あれば、賞金は景表法違反に当たらないと回答(2019年9月)
当初の目的とは異なるが、法的問題の解決に向けて前進
ただし、木曽(2020)が指摘する通り、プロライセンス構想
はかえってこの賞金問題の解決を遅らせただけ
問題は残っているが、「Sport(競技)」として興行を
行うための法的面、第三者機関の整備が進んで来ている
All rights reserved ©FMMC 2020 7
海外eスポーツに訪れている3つの「波(wave)」
eスポーツの産業発展段階の波:T. L. Taylor(2018)
1st「Game」:70年代~80年代
熱心なプレイヤーコミュニティが中心となって遊戯、娯楽として
楽しむ。大会は、アマチュアのみやプロアマ混合のものが支配的
2nd「Sport」:90年代から00年代
インフラとして第三者機関(リーグ・トーナメントの運営組織、
プロチームの運営、eスポーツ協会等)が設立。同時にプロ化が進
み、競技環境が整備され、競技化が進展。
3rd「Media Entertainment」:10年代~現在
eスポーツのインフラは、組織・技術的にもコンテンツ生産と配信
を中心に構築・運営。リーグ・トーナメントは物語性とビジュア
ルに重点を置いたメディアイベントとして活用
All rights reserved ©FMMC 2020 8
eスポーツにおける3つの波:各国の推移
2010年代に、日本は遅れて「Sport」の波が浸透
Taylor
(2018)の分類 日本 米国(+欧州) 韓国 中国
1st
Game:
~80年代
 アーケード市場の興隆
 コンソール市場(家庭
用ゲーム&PCゲーム)
の興隆
 家庭用ゲーム市場の崩
壊(アタリショック:
1982)
 アーケード市場の衰退
 PCゲーム市場の興隆
— —
2nd
Sport:
90年代
 格 闘 ゲ ー ム の 誕 生 と
ゲームセンターを核と
した大会の開催
 家庭用ゲームの覇権
 PCゲーム市場の衰退
 コミュニティ主導での
大規模LANパーティ
 賞金付リーグ・トーナ
メントの登場(CPL:
1997 等)
 ネット対戦の登場
 2004年まで日本の家庭
用 ゲ ー ム は 輸 入 制 限
(日本文化の流入制限)
 PC 房 ( 格 安 ネ ッ ト カ
フェ)の爆発的広まり
 CATVによるeスポーツ
リーグ設立(2000)
 ネットバーの広まり
2nd
Sport:
2000年代
 ゲーム企業・メディア
企 業 に よ る プ ロ モ ー
ションとしてのゲーム
大会
 アーケードの衰退
 ESL設立(2000)
 テレビでの世界規模の
リーグ放送開始と失敗
 MOBAの登場
 政府公認管理機関設立
 「eSports 」と いう言
葉の誕生
 行政主催の競技大会が
複数開催
 行政による促進
 2003年、正式なスポー
ツ競技項目として認定
 テンセントの登場
3rd
Media
Entertainment
2010年代
 eスポーツ関連団体の
乱立
 日本eスポーツ連合への
統合(2018)
 賞金問題の解消
 恒常的なリーグの設立
 ゲームデベロッパーによるeスポーツの競技環境の構築と持続的な成長
 テレビに頼らない動画共有・ライブストリーミングという配信手段の登場
 動画共有プラットフォームにおける個人での収益化(広告視聴、投げ銭)
 賞金の高額化
All rights reserved ©FMMC 2020 9
“Media” Entertainment:テレビでの失敗と成功
韓国の成功例:CATV(ケーブルテレビ)の多チャンネル放
送における放送枠を埋めるコンテンツ
CATV事業者のOnMedia(当時)が専門チャンネルである
OnGameNetおよびリーグを開設(2000年)
世界に先駆けてeスポーツにおける「恒常的なリーグとメディア
による放送」という形式を確立
しかし、テレビでのeスポーツの展開は必ずしも成功せず
北米「Championship Gaming Series(CGS)」の失敗
2007年に、北米・欧州・アジアにチーム設立、世界的に放送開始
2008年末、採算がとれず、世界的な金融危機の影響もあり番組終了
「テレビを通した放送はコストがかかり、メリットを上回る高いリ
スクがあると見られるようになった」T. L. Taylor(2018)
All rights reserved ©FMMC 2020 10
“Media” Entertainment:動画共有プラットフォーム
動画共有プラットフォームの登場
代表例①:YouTube(2005年)
代表例②:Twitch(2011年、ライブストリーミングとゲームに特化)
ゲーム実況(ゲームをプレイしながらトーク・実況を行う生放送)の普及
一般ユーザの配信だけでなく、eスポーツのトーナメントやリーグも放送
“放送”のコストを下げ、世界中から視聴者を集める
インターネットを通し、世界中で視聴可能
動画共有・ライブストリーミングの技術・コスト的障壁を低減
ゲーム実況の広がりによる「ゲームを観る」という習慣の定着
プレイヤーと視聴者の交流を促進し、ファン拡大を可能に
動画共有プラットフォームは、eスポーツの”放送”を容易に
All rights reserved ©FMMC 2020 11
“Media” Entertainment:世界のeスポーツファン
2019年には世界で4憶4300万人が視聴しているが
ファン人口はゴルフと同程度
しかし、視聴タイトルは雑多で個別の視聴者は更に少ない
40
25
20
10
9
8.75
8.25
5
4.75
4.5
4.4
0 10 20 30 40 50
サッカー
クリケット
ホッケー
テニス
バレーボール
卓球
バスケットボール
野球
ラグビー
ゴルフ
eスポーツ
単位:億人
eスポーツ
Worldatlas、Newzooから筆者作成
All rights reserved ©FMMC 2020 12
5~59歳の日本の人口
7,783万人
動画共有・ライブ配信サービス
視聴者
4,208万人
“Media” Entertainment:日本のeスポーツファン
国内ゲーム大会・eスポーツ視聴者:310万人(2019年)
世界と比較して視聴者少なく、市場小さい(世界は4億4,300万人)
国内ゲーム人口は4,793万人、世界ゲーム人口は31億人
ゲーム関連動画視聴者
1,778万人
ゲームの大会・eスポーツ
視聴者
310万人
「ファミ通ゲーム白書2020」から筆者作成
13
All rights reserved ©FMMC 2020
“Media” Entertainment:日本の現状と調査目的
国内の既存メディアでの展開は試行錯誤の段階
2018年頃からeスポーツをテーマにした地上波番組が多数開始
日テレ「eGG」:ロケットリーグのトーナメント開催(2020年)
国内も動画共有プラットフォームが主要メディア
国内トーナメント・リーグも動画共有プラットフォームで配信
海外eスポーツタイトルの受容進むが、視聴実態は不明瞭
「League of Legends」の国内リーグが2014年に創設
10代男性の直近1ヶ月以内利用ゲームアプリで、荒野行動
(26.7%)が二位に、10代女性でも三位に:TesTee(2019)
日本のeスポーツ視聴者に起きている変化について、e
スポーツ視聴と視聴されているゲームタイトルに焦点
を絞り、国内を対象にネットリサーチを行った
All rights reserved ©FMMC 2020 14
ネットリサーチ調査
概要
期間:2020年9月8日~11日
利用調査会社:株式会社アスマーク
対象者:15歳~39歳の男女(7,646名)
居住地:全国
性年代 標本サイズ 比率
男性10代 598 7.8%
男性20代 878 11.5%
男性30代 898 11.7%
女性10代 1191 15.6%
女性20代 1520 19.9%
女性30代 2561 33.5%
合計 7646 100.0%
All rights reserved ©FMMC 2020 15
ゲーム関連動画(ゲーム実況・プレイ動画)視聴頻度
10代>20代>30代、男性>女性で視聴頻度高
若年層を中心に、ゲーム実況は一般的な趣味に
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
男性10代
男性20代
男性30代
女性10代
女性20代
女性30代
ほぼ毎日 2~3日に1回以上 週に1回以上
2~3週に1回以上 月に1回以上 2~3ヶ月に1回以上
半年に1回以上 年に1回以上 それ以下の頻度
ゲーム関連動画は見ない
All rights reserved ©FMMC 2020 16
eスポーツ関連動画視聴頻度
月一視聴者はゲーム実況に比べ半減(男性10代)
ゲーム実況と比べるとeスポーツはマイナーな趣味
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
男性10代
男性20代
男性30代
女性10代
女性20代
女性30代
ほぼ毎日 2~3日に1回以上 週に1回以上
2~3週に1回以上 月に1回以上 2~3ヶ月に1回以上
半年に1回以上 年に1回以上 それ以下の頻度
eスポーツ関連動画は見ない
All rights reserved ©FMMC 2020 17
視聴eスポーツタイトル:eスポーツ視聴者全体
eスポーツ視聴者の視聴タイトルの分析
対象者:eスポーツ関連動画もしくはライブストリーミン
グ視聴者(「それ以下の頻度」以上で視聴)
性年代 標本サイズ 比率
男性10代 297 15.7%
男性20代 358 18.9%
男性30代 299 15.8%
女性10代 305 16.1%
女性20代 306 16.1%
女性30代 330 17.4%
合計 1895 100.0%
All rights reserved ©FMMC 2020 18
視聴eスポーツタイトル:eスポーツ視聴者全体
ジャンル ゲームタイトル ※色付きは国産タイトル 男性10代 男性20代 男性30代 女性10代 女性20代 女性30代
FPS・TPS スプラトゥーン 2 20.2% 16.8% 22.7% 32.5% 23.5% 26.4%
FPS・TPS 荒野行動 23.2% 15.4% 19.4% 29.8% 22.2% 17.9%
FPS・TPS Fortnite 13.8% 8.7% 13.0% 9.2% 8.8% 8.8%
FPS・TPS Apex Legends 15.8% 10.1% 8.4% 10.5% 9.8% 5.8%
FPS・TPS Call of Duty: Modern Warfare 9.4% 9.5% 9.4% 4.6% 7.5% 6.1%
FPS・TPS PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG) 7.4% 8.7% 8.4% 6.2% 5.9% 5.8%
FPS・TPS Tom Clancy's Rainbow Six: Siege 5.1% 4.7% 8.4% 2.6% 3.3% 4.2%
FPS・TPS VALORANT 4.7% 4.2% 6.0% 3.6% 4.6% 3.9%
FPS・TPS Overwatch 3.7% 4.7% 5.7% 2.3% 5.6% 3.3%
FPS・TPS Counter-Strike: Global Offensive 2.0% 4.2% 7.4% 0.7% 4.9% 3.9%
FPS・TPS Escape From Tarkov 3.0% 5.6% 5.0% 1.0% 3.9% 3.3%
FPS・TPS Hyper Scape 2.0% 3.1% 5.0% 1.0% 3.3% 3.3%
MOBA League of Legends 5.4% 7.3% 7.7% 2.6% 6.2% 4.2%
MOBA Dota 2 1.3% 3.9% 4.3% 1.6% 3.3% 3.0%
RTS クラッシュ・ロワイヤル (Clash Royale) 16.2% 8.9% 10.0% 6.2% 9.2% 12.4%
RTS World of Warships 3.4% 6.1% 6.4% 4.3% 2.9% 3.9%
RTS World of Tanks 2.4% 3.6% 6.7% 1.3% 6.5% 3.6%
RTS StarCraft II 1.0% 4.2% 6.0% 1.6% 3.9% 5.2%
格闘ゲーム 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 26.3% 29.3% 25.4% 23.3% 26.5% 21.5%
格闘ゲーム グランブルーファンタジー ヴァーサス 5.4% 7.8% 10.7% 6.2% 7.8% 8.5%
格闘ゲーム Street Fighter V 4.7% 8.9% 18.7% 3.6% 6.5% 3.6%
格闘ゲーム Tekken 7(鉄拳7) 3.4% 8.9% 14.4% 3.0% 3.6% 7.0%
スポーツ マリオカート8 デラックス 23.9% 17.3% 21.4% 23.9% 24.5% 21.8%
スポーツ パワフルプロ野球 14.5% 19.0% 31.1% 5.9% 13.4% 13.0%
スポーツ ウイニングイレブン(Winning Eleven) 14.8% 18.4% 26.4% 7.5% 11.8% 9.4%
DCG シャドウバース(Shadowverse) 9.1% 12.8% 12.4% 6.9% 8.2% 9.7%
DCG Magic: The Gathering 4.4% 5.3% 7.7% 1.0% 4.6% 3.3%
DCG Legends of Runeterra 2.4% 3.9% 5.0% 1.3% 5.9% 3.3%
DCG Hearthstone 2.4% 3.9% 5.7% 2.3% 4.2% 2.1%
パズル ぷよぷよeスポーツ 16.2% 14.8% 22.7% 15.4% 20.6% 24.5%
パズル パズル&ドラゴンズ(パズドラ) 15.8% 15.4% 18.4% 12.8% 16.7% 22.4%
RPG ポケットモンスター ソード・シールド 17.2% 21.5% 16.4% 11.8% 20.9% 21.5%
MMO War Thunder (ウォーサンダー) 2.7% 5.3% 6.0% 2.3% 4.9% 3.9%
オートチェス Teamfight Tactics 2.0% 4.7% 5.7% 2.0% 3.6% 3.6%
オートチェス Auto Chess 3.4% 2.5% 4.7% 0.7% 3.3% 2.4%
サバイバル Fall Guys 13.5% 9.8% 8.0% 9.5% 10.5% 6.7%
サバイバル Dead by Daylight 3.7% 7.0% 7.7% 8.5% 8.8% 8.8%
サバイバル Project Winter 2.0% 4.7% 6.7% 2.3% 5.2% 2.7%
その他 上記にあてはまるゲームタイトルはない 13.5% 12.6% 10.0% 23.6% 15.0% 20.9%
All rights reserved ©FMMC 2020 19
視聴eスポーツタイトル:年代比較 上下4タイトル
男性30代の方が高い:スポーツ、格闘ゲーム
男性10代の方が高い:FPS・TPS、バトロワ、RTS
格闘ゲームは差が大きく、新規層を取り込めず
海外製FPS・TPSが男性10代でよく視聴
ジャンル ゲームタイトル 男性10代 男性30代 30代-10代
スポーツ パワフルプロ野球 14.5% 31.1% 16.6%
格闘ゲーム Street Fighter V 4.7% 18.7% 14.0%
スポーツ ウイニングイレブン(Winning Eleven) 14.8% 26.4% 11.6%
格闘ゲーム Tekken 7(鉄拳7) 3.4% 14.4% 11.0%
FPS・TPS 荒野行動 23.2% 19.4% -3.8%
サバイバル Fall Guys 13.5% 8.0% -5.4%
RTS クラッシュ・ロワイヤル (Clash Royale) 16.2% 10.0% -6.1%
FPS・TPS Apex Legends 15.8% 8.4% -7.5%
All rights reserved ©FMMC 2020 20
視聴eスポーツタイトル:年代比較 上下4タイトル
女性30代の方が高い:ポケモン、パズル、スポーツ
女性10代の方が高い:FPS・TPS 、バトロワ
女性30代は古め(世代)の日本製ゲームの視聴多い
男性同様、シューティングが10代でよく視聴
ジャンル ゲームタイトル 女性10代 女性30代 30代-10代
RPG ポケットモンスター ソード・シールド 11.8% 21.5% 9.7%
パズル パズル&ドラゴンズ(パズドラ) 12.8% 22.4% 9.6%
パズル ぷよぷよeスポーツ 15.4% 24.5% 9.1%
スポーツ パワフルプロ野球 5.9% 13.0% 7.1%
サバイバル Fall Guys 9.5% 6.7% -2.8%
FPS・TPS Apex Legends 10.5% 5.8% -4.7%
FPS・TPS スプラトゥーン 2 32.5% 26.4% -6.1%
FPS・TPS 荒野行動 29.8% 17.9% -12.0%
All rights reserved ©FMMC 2020 21
eスポーツ視聴とプレイ実施率
eスポーツ視聴者:約9割が視聴タイトルを年一プレイ
eスポーツは視聴者≒プレイヤー
スポーツの年一実施率:Jリーグが約38%、野球が約14%
有力プロスポーツのような広い裾野は持っていない
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
男性10代
男性20代
男性30代
女性10代
女性20代
女性30代
プレイあり プレイなし
All rights reserved ©FMMC 2020 22
アンケート調査結果
アンケート結果
① ゲーム実況やeスポーツ視聴は10代を中心によく視聴
② 覇権的なタイトルは存在せず、視聴者を奪い合う状況
③ 格闘ゲームは新規層取り込めず、当時の世代がよく視聴
④ 日本製のゲームタイトルが強い傾向はまだ従来通りだ
が、10代では海外製ゲームやFPS・TPS視聴が多い
⑤ FPS・TPSにおいて国内のゲーム企業のタイトルが任天
堂の「スプラトゥーン 2」程度しか上がっていない
⑥ 視聴者=プレイヤー、広い視聴者層は存在しない
All rights reserved ©FMMC 2020 23
考察・結論
日本のeスポーツ:Taylor(2018)の波とは異なる発展
ゲームセンターを中心に競技としてのeスポーツは存在
日本的eスポーツは確かに存在⇒ゲーセンの衰退とともに停滞
「Sport」の波は浸透、「Media Entertainment」も到来
ゲーム実況視聴は一般的な趣味に、eスポーツ視聴はまだマイナー
プレイヤー人口の少なさがファン人口を制約
視聴者=プレイヤー、広い視聴者層は存在しない
覇権的タイトルは存在せず、複数タイトルで視聴者を奪い合い
日本でFPS・TPSでeスポーツを推進するゲーム企業不在
格闘ゲームも国内外で伸び悩む中、FPS・TPS需要を掴めるタ
イトルとそのタイトルを中心とするeスポーツ競技環境の構築
を推進し、プレイヤー数を増やせる国内ゲーム企業が課題
日本のeSportsのユーザー調査

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日本のeSportsのユーザー調査

  • 1. 一般財団法人 マルチメディア振興センター Foundation for MultiMedia Communications ―「Media Entertainment」へと発展するeスポーツ― 日本のeスポーツ視聴に焦点を当てた 現状分析 発表者:一般財団法人マルチメディア振興センター 五十嵐輝 共同研究者:芝浦工業大学 小山友介
  • 2. All rights reserved ©FMMC 2020 1 報告要旨 背景: 海外ではeスポーツの「Media Entertainment」化が加速 動画共有プラットフォームやライブストリーミングサービスの普及により、 世界的に「ゲームプレイを配信する・視聴する」という行為が一般化 日本の課題: eスポーツ市場の規模が小さい 長年の世界とのタイトルの乖離ゆえにプレイヤー・視聴者数が少ない 家庭用ゲーム・アーケードが強く、海外で強いPCゲームが弱かった 近年はスマホなどでもFPS・TPSが遊ばれるようになってきている 目的: 日本のeスポーツが「Media Entertainment」へ発展する上での示唆 とするため、日本のeスポーツ視聴者に起きて来ている変化について、 消費者のeスポーツ視聴と視聴されているゲームタイトルに焦点を 絞って分析する
  • 3. All rights reserved ©FMMC 2020 2 eスポーツとは eスポーツ(eSports :electronic sports)の定義 「競技性の高いデジタルゲーム」を用いた対人競技 MOBA(Multiplayer online battle arena) FPS・TPS(シューティング) 格闘ゲーム、など 及び、上記ゲームタイトルを用いた興行・その放送を含む 関連エンタテインメント産業全般を意味 オフライン・オンラインでのトーナメントやリーグといった興行 及びその放送(動画共有プラットフォームを通した) ライブストリーミングとアーカイブでのオンデマンド配信 本研究では、「eスポーツ」を上記の意味で用いる
  • 4. All rights reserved ©FMMC 2020 3 eスポーツ市場規模の動向 世界は2020年に約1,000億円に(一方、日本は約76憶円) 市場規模のうち、スポンサーシップが約6割を占める 放映権も上昇し、約17%で2番目に多い、今後も上昇傾向 ※2020年の数値は、2020年7月時点の予測 Newzoo「Newzoo Global Esports Market Report 2020」から引用 $584.1M $163.3M $108.9M $76.2M $21.5M $19.9M Sponsorship Media Rights Publisher Fees Merchandise & Tickets Digital Streaming +7.5% YoY +3.3% YoY -11.6% YoY -27.9% YoY +60.9% YoY +44.9% YoY $973.9M 2020 Total Esports Revenues +1.7% YoY
  • 5. All rights reserved ©FMMC 2020 4 eスポーツの問題:市場の問題 日本は世界の人気eスポーツ競技タイトルから乖離 世界に先駆けた日本的eスポーツ:ゲームセンター 90年代にかけて家庭用ゲームが圧倒的シェア、PCゲームはPC 市場の停滞から成長せず 海外では主流タイトルのFPSやMOBAが、日本では主流にならず 「スクウェア・エニックス/三宅 陽一郎」から引用加筆 eスポーツの進化の流れ 1985 1990 1995 2007 日本におけるゲームセンターの対戦文化の流れ ▶ 2000年代以降衰退傾向 (1980年代~)例:アーケードとその移植としての家庭用ゲーム ゲームセンター の対戦台 アメリカを中心とするFPS対戦の流れ (2000年前後~)例:LANパーティ 韓国におけるeスポーツ文化(RTS)の流れ (1997年~)例:PC房(バン) 世界的なMOBAスタイルの チーム対戦の流れ(2010年~) LAN インターネット 高速インターネット・動画配信
  • 6. All rights reserved ©FMMC 2020 5 eスポーツの問題:日本の法的問題 法制度の問題 賞金の問題:海外は賞金額増加も、日本では制限。市場規模に歯止め 刑法:参加者から集金し、勝者がそれを得る形式の場合、刑法185条(いわ ゆる賭博罪)に抵触の可能性。海外では賞金額上昇のため、採用の場合有。 景表法:ゲームの宣伝として、ゲーム大会を行うとみなされる場合、景品と しての高額賞金は景表法(不当景品類及び不当表示防止法)第一条の「不当 な景品類および表示による顧客の誘引」に抵触の可能性。ゲーム企業による 賞金等の拠出を難しく。 風営法の問題 eスポーツ施設などゲームを行う場所を運営する場合、ゲームセンター同様 に、風営法(風俗営業等の規則および業務の適正化等に関する法律)の規制 対象であり、認可が必要。営利店舗施設にゲーム機を勝手に置くのは違法。 著作権の問題 ゲーム会社への許諾なしにゲーム大会を開くことは著作権の侵害となる 自社ゲームを用いた大会開催のためのガイドラインを設定している会社も 特に、景表法にかかる賞金額の制限が大きな問題に
  • 7. All rights reserved ©FMMC 2020 6 eスポーツの問題:日本の法的問題 日本eスポーツ連合(JeSU)主導での高額賞金問題の前進 乱立していた三つのeスポーツ業界団体が統合(2018年) プロライセンス制度による景表法問題解消を目的に活動 しかし、JeSUが行った消費者庁に対するノンアクションレ ターの結果、ライセンスの有無にかかわらず「仕事の報酬」で あれば、賞金は景表法違反に当たらないと回答(2019年9月) 当初の目的とは異なるが、法的問題の解決に向けて前進 ただし、木曽(2020)が指摘する通り、プロライセンス構想 はかえってこの賞金問題の解決を遅らせただけ 問題は残っているが、「Sport(競技)」として興行を 行うための法的面、第三者機関の整備が進んで来ている
  • 8. All rights reserved ©FMMC 2020 7 海外eスポーツに訪れている3つの「波(wave)」 eスポーツの産業発展段階の波:T. L. Taylor(2018) 1st「Game」:70年代~80年代 熱心なプレイヤーコミュニティが中心となって遊戯、娯楽として 楽しむ。大会は、アマチュアのみやプロアマ混合のものが支配的 2nd「Sport」:90年代から00年代 インフラとして第三者機関(リーグ・トーナメントの運営組織、 プロチームの運営、eスポーツ協会等)が設立。同時にプロ化が進 み、競技環境が整備され、競技化が進展。 3rd「Media Entertainment」:10年代~現在 eスポーツのインフラは、組織・技術的にもコンテンツ生産と配信 を中心に構築・運営。リーグ・トーナメントは物語性とビジュア ルに重点を置いたメディアイベントとして活用
  • 9. All rights reserved ©FMMC 2020 8 eスポーツにおける3つの波:各国の推移 2010年代に、日本は遅れて「Sport」の波が浸透 Taylor (2018)の分類 日本 米国(+欧州) 韓国 中国 1st Game: ~80年代  アーケード市場の興隆  コンソール市場(家庭 用ゲーム&PCゲーム) の興隆  家庭用ゲーム市場の崩 壊(アタリショック: 1982)  アーケード市場の衰退  PCゲーム市場の興隆 — — 2nd Sport: 90年代  格 闘 ゲ ー ム の 誕 生 と ゲームセンターを核と した大会の開催  家庭用ゲームの覇権  PCゲーム市場の衰退  コミュニティ主導での 大規模LANパーティ  賞金付リーグ・トーナ メントの登場(CPL: 1997 等)  ネット対戦の登場  2004年まで日本の家庭 用 ゲ ー ム は 輸 入 制 限 (日本文化の流入制限)  PC 房 ( 格 安 ネ ッ ト カ フェ)の爆発的広まり  CATVによるeスポーツ リーグ設立(2000)  ネットバーの広まり 2nd Sport: 2000年代  ゲーム企業・メディア 企 業 に よ る プ ロ モ ー ションとしてのゲーム 大会  アーケードの衰退  ESL設立(2000)  テレビでの世界規模の リーグ放送開始と失敗  MOBAの登場  政府公認管理機関設立  「eSports 」と いう言 葉の誕生  行政主催の競技大会が 複数開催  行政による促進  2003年、正式なスポー ツ競技項目として認定  テンセントの登場 3rd Media Entertainment 2010年代  eスポーツ関連団体の 乱立  日本eスポーツ連合への 統合(2018)  賞金問題の解消  恒常的なリーグの設立  ゲームデベロッパーによるeスポーツの競技環境の構築と持続的な成長  テレビに頼らない動画共有・ライブストリーミングという配信手段の登場  動画共有プラットフォームにおける個人での収益化(広告視聴、投げ銭)  賞金の高額化
  • 10. All rights reserved ©FMMC 2020 9 “Media” Entertainment:テレビでの失敗と成功 韓国の成功例:CATV(ケーブルテレビ)の多チャンネル放 送における放送枠を埋めるコンテンツ CATV事業者のOnMedia(当時)が専門チャンネルである OnGameNetおよびリーグを開設(2000年) 世界に先駆けてeスポーツにおける「恒常的なリーグとメディア による放送」という形式を確立 しかし、テレビでのeスポーツの展開は必ずしも成功せず 北米「Championship Gaming Series(CGS)」の失敗 2007年に、北米・欧州・アジアにチーム設立、世界的に放送開始 2008年末、採算がとれず、世界的な金融危機の影響もあり番組終了 「テレビを通した放送はコストがかかり、メリットを上回る高いリ スクがあると見られるようになった」T. L. Taylor(2018)
  • 11. All rights reserved ©FMMC 2020 10 “Media” Entertainment:動画共有プラットフォーム 動画共有プラットフォームの登場 代表例①:YouTube(2005年) 代表例②:Twitch(2011年、ライブストリーミングとゲームに特化) ゲーム実況(ゲームをプレイしながらトーク・実況を行う生放送)の普及 一般ユーザの配信だけでなく、eスポーツのトーナメントやリーグも放送 “放送”のコストを下げ、世界中から視聴者を集める インターネットを通し、世界中で視聴可能 動画共有・ライブストリーミングの技術・コスト的障壁を低減 ゲーム実況の広がりによる「ゲームを観る」という習慣の定着 プレイヤーと視聴者の交流を促進し、ファン拡大を可能に 動画共有プラットフォームは、eスポーツの”放送”を容易に
  • 12. All rights reserved ©FMMC 2020 11 “Media” Entertainment:世界のeスポーツファン 2019年には世界で4憶4300万人が視聴しているが ファン人口はゴルフと同程度 しかし、視聴タイトルは雑多で個別の視聴者は更に少ない 40 25 20 10 9 8.75 8.25 5 4.75 4.5 4.4 0 10 20 30 40 50 サッカー クリケット ホッケー テニス バレーボール 卓球 バスケットボール 野球 ラグビー ゴルフ eスポーツ 単位:億人 eスポーツ Worldatlas、Newzooから筆者作成
  • 13. All rights reserved ©FMMC 2020 12 5~59歳の日本の人口 7,783万人 動画共有・ライブ配信サービス 視聴者 4,208万人 “Media” Entertainment:日本のeスポーツファン 国内ゲーム大会・eスポーツ視聴者:310万人(2019年) 世界と比較して視聴者少なく、市場小さい(世界は4億4,300万人) 国内ゲーム人口は4,793万人、世界ゲーム人口は31億人 ゲーム関連動画視聴者 1,778万人 ゲームの大会・eスポーツ 視聴者 310万人 「ファミ通ゲーム白書2020」から筆者作成
  • 14. 13 All rights reserved ©FMMC 2020 “Media” Entertainment:日本の現状と調査目的 国内の既存メディアでの展開は試行錯誤の段階 2018年頃からeスポーツをテーマにした地上波番組が多数開始 日テレ「eGG」:ロケットリーグのトーナメント開催(2020年) 国内も動画共有プラットフォームが主要メディア 国内トーナメント・リーグも動画共有プラットフォームで配信 海外eスポーツタイトルの受容進むが、視聴実態は不明瞭 「League of Legends」の国内リーグが2014年に創設 10代男性の直近1ヶ月以内利用ゲームアプリで、荒野行動 (26.7%)が二位に、10代女性でも三位に:TesTee(2019) 日本のeスポーツ視聴者に起きている変化について、e スポーツ視聴と視聴されているゲームタイトルに焦点 を絞り、国内を対象にネットリサーチを行った
  • 15. All rights reserved ©FMMC 2020 14 ネットリサーチ調査 概要 期間:2020年9月8日~11日 利用調査会社:株式会社アスマーク 対象者:15歳~39歳の男女(7,646名) 居住地:全国 性年代 標本サイズ 比率 男性10代 598 7.8% 男性20代 878 11.5% 男性30代 898 11.7% 女性10代 1191 15.6% 女性20代 1520 19.9% 女性30代 2561 33.5% 合計 7646 100.0%
  • 16. All rights reserved ©FMMC 2020 15 ゲーム関連動画(ゲーム実況・プレイ動画)視聴頻度 10代>20代>30代、男性>女性で視聴頻度高 若年層を中心に、ゲーム実況は一般的な趣味に 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 男性10代 男性20代 男性30代 女性10代 女性20代 女性30代 ほぼ毎日 2~3日に1回以上 週に1回以上 2~3週に1回以上 月に1回以上 2~3ヶ月に1回以上 半年に1回以上 年に1回以上 それ以下の頻度 ゲーム関連動画は見ない
  • 17. All rights reserved ©FMMC 2020 16 eスポーツ関連動画視聴頻度 月一視聴者はゲーム実況に比べ半減(男性10代) ゲーム実況と比べるとeスポーツはマイナーな趣味 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 男性10代 男性20代 男性30代 女性10代 女性20代 女性30代 ほぼ毎日 2~3日に1回以上 週に1回以上 2~3週に1回以上 月に1回以上 2~3ヶ月に1回以上 半年に1回以上 年に1回以上 それ以下の頻度 eスポーツ関連動画は見ない
  • 18. All rights reserved ©FMMC 2020 17 視聴eスポーツタイトル:eスポーツ視聴者全体 eスポーツ視聴者の視聴タイトルの分析 対象者:eスポーツ関連動画もしくはライブストリーミン グ視聴者(「それ以下の頻度」以上で視聴) 性年代 標本サイズ 比率 男性10代 297 15.7% 男性20代 358 18.9% 男性30代 299 15.8% 女性10代 305 16.1% 女性20代 306 16.1% 女性30代 330 17.4% 合計 1895 100.0%
  • 19. All rights reserved ©FMMC 2020 18 視聴eスポーツタイトル:eスポーツ視聴者全体 ジャンル ゲームタイトル ※色付きは国産タイトル 男性10代 男性20代 男性30代 女性10代 女性20代 女性30代 FPS・TPS スプラトゥーン 2 20.2% 16.8% 22.7% 32.5% 23.5% 26.4% FPS・TPS 荒野行動 23.2% 15.4% 19.4% 29.8% 22.2% 17.9% FPS・TPS Fortnite 13.8% 8.7% 13.0% 9.2% 8.8% 8.8% FPS・TPS Apex Legends 15.8% 10.1% 8.4% 10.5% 9.8% 5.8% FPS・TPS Call of Duty: Modern Warfare 9.4% 9.5% 9.4% 4.6% 7.5% 6.1% FPS・TPS PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG) 7.4% 8.7% 8.4% 6.2% 5.9% 5.8% FPS・TPS Tom Clancy's Rainbow Six: Siege 5.1% 4.7% 8.4% 2.6% 3.3% 4.2% FPS・TPS VALORANT 4.7% 4.2% 6.0% 3.6% 4.6% 3.9% FPS・TPS Overwatch 3.7% 4.7% 5.7% 2.3% 5.6% 3.3% FPS・TPS Counter-Strike: Global Offensive 2.0% 4.2% 7.4% 0.7% 4.9% 3.9% FPS・TPS Escape From Tarkov 3.0% 5.6% 5.0% 1.0% 3.9% 3.3% FPS・TPS Hyper Scape 2.0% 3.1% 5.0% 1.0% 3.3% 3.3% MOBA League of Legends 5.4% 7.3% 7.7% 2.6% 6.2% 4.2% MOBA Dota 2 1.3% 3.9% 4.3% 1.6% 3.3% 3.0% RTS クラッシュ・ロワイヤル (Clash Royale) 16.2% 8.9% 10.0% 6.2% 9.2% 12.4% RTS World of Warships 3.4% 6.1% 6.4% 4.3% 2.9% 3.9% RTS World of Tanks 2.4% 3.6% 6.7% 1.3% 6.5% 3.6% RTS StarCraft II 1.0% 4.2% 6.0% 1.6% 3.9% 5.2% 格闘ゲーム 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 26.3% 29.3% 25.4% 23.3% 26.5% 21.5% 格闘ゲーム グランブルーファンタジー ヴァーサス 5.4% 7.8% 10.7% 6.2% 7.8% 8.5% 格闘ゲーム Street Fighter V 4.7% 8.9% 18.7% 3.6% 6.5% 3.6% 格闘ゲーム Tekken 7(鉄拳7) 3.4% 8.9% 14.4% 3.0% 3.6% 7.0% スポーツ マリオカート8 デラックス 23.9% 17.3% 21.4% 23.9% 24.5% 21.8% スポーツ パワフルプロ野球 14.5% 19.0% 31.1% 5.9% 13.4% 13.0% スポーツ ウイニングイレブン(Winning Eleven) 14.8% 18.4% 26.4% 7.5% 11.8% 9.4% DCG シャドウバース(Shadowverse) 9.1% 12.8% 12.4% 6.9% 8.2% 9.7% DCG Magic: The Gathering 4.4% 5.3% 7.7% 1.0% 4.6% 3.3% DCG Legends of Runeterra 2.4% 3.9% 5.0% 1.3% 5.9% 3.3% DCG Hearthstone 2.4% 3.9% 5.7% 2.3% 4.2% 2.1% パズル ぷよぷよeスポーツ 16.2% 14.8% 22.7% 15.4% 20.6% 24.5% パズル パズル&ドラゴンズ(パズドラ) 15.8% 15.4% 18.4% 12.8% 16.7% 22.4% RPG ポケットモンスター ソード・シールド 17.2% 21.5% 16.4% 11.8% 20.9% 21.5% MMO War Thunder (ウォーサンダー) 2.7% 5.3% 6.0% 2.3% 4.9% 3.9% オートチェス Teamfight Tactics 2.0% 4.7% 5.7% 2.0% 3.6% 3.6% オートチェス Auto Chess 3.4% 2.5% 4.7% 0.7% 3.3% 2.4% サバイバル Fall Guys 13.5% 9.8% 8.0% 9.5% 10.5% 6.7% サバイバル Dead by Daylight 3.7% 7.0% 7.7% 8.5% 8.8% 8.8% サバイバル Project Winter 2.0% 4.7% 6.7% 2.3% 5.2% 2.7% その他 上記にあてはまるゲームタイトルはない 13.5% 12.6% 10.0% 23.6% 15.0% 20.9%
  • 20. All rights reserved ©FMMC 2020 19 視聴eスポーツタイトル:年代比較 上下4タイトル 男性30代の方が高い:スポーツ、格闘ゲーム 男性10代の方が高い:FPS・TPS、バトロワ、RTS 格闘ゲームは差が大きく、新規層を取り込めず 海外製FPS・TPSが男性10代でよく視聴 ジャンル ゲームタイトル 男性10代 男性30代 30代-10代 スポーツ パワフルプロ野球 14.5% 31.1% 16.6% 格闘ゲーム Street Fighter V 4.7% 18.7% 14.0% スポーツ ウイニングイレブン(Winning Eleven) 14.8% 26.4% 11.6% 格闘ゲーム Tekken 7(鉄拳7) 3.4% 14.4% 11.0% FPS・TPS 荒野行動 23.2% 19.4% -3.8% サバイバル Fall Guys 13.5% 8.0% -5.4% RTS クラッシュ・ロワイヤル (Clash Royale) 16.2% 10.0% -6.1% FPS・TPS Apex Legends 15.8% 8.4% -7.5%
  • 21. All rights reserved ©FMMC 2020 20 視聴eスポーツタイトル:年代比較 上下4タイトル 女性30代の方が高い:ポケモン、パズル、スポーツ 女性10代の方が高い:FPS・TPS 、バトロワ 女性30代は古め(世代)の日本製ゲームの視聴多い 男性同様、シューティングが10代でよく視聴 ジャンル ゲームタイトル 女性10代 女性30代 30代-10代 RPG ポケットモンスター ソード・シールド 11.8% 21.5% 9.7% パズル パズル&ドラゴンズ(パズドラ) 12.8% 22.4% 9.6% パズル ぷよぷよeスポーツ 15.4% 24.5% 9.1% スポーツ パワフルプロ野球 5.9% 13.0% 7.1% サバイバル Fall Guys 9.5% 6.7% -2.8% FPS・TPS Apex Legends 10.5% 5.8% -4.7% FPS・TPS スプラトゥーン 2 32.5% 26.4% -6.1% FPS・TPS 荒野行動 29.8% 17.9% -12.0%
  • 22. All rights reserved ©FMMC 2020 21 eスポーツ視聴とプレイ実施率 eスポーツ視聴者:約9割が視聴タイトルを年一プレイ eスポーツは視聴者≒プレイヤー スポーツの年一実施率:Jリーグが約38%、野球が約14% 有力プロスポーツのような広い裾野は持っていない 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 男性10代 男性20代 男性30代 女性10代 女性20代 女性30代 プレイあり プレイなし
  • 23. All rights reserved ©FMMC 2020 22 アンケート調査結果 アンケート結果 ① ゲーム実況やeスポーツ視聴は10代を中心によく視聴 ② 覇権的なタイトルは存在せず、視聴者を奪い合う状況 ③ 格闘ゲームは新規層取り込めず、当時の世代がよく視聴 ④ 日本製のゲームタイトルが強い傾向はまだ従来通りだ が、10代では海外製ゲームやFPS・TPS視聴が多い ⑤ FPS・TPSにおいて国内のゲーム企業のタイトルが任天 堂の「スプラトゥーン 2」程度しか上がっていない ⑥ 視聴者=プレイヤー、広い視聴者層は存在しない
  • 24. All rights reserved ©FMMC 2020 23 考察・結論 日本のeスポーツ:Taylor(2018)の波とは異なる発展 ゲームセンターを中心に競技としてのeスポーツは存在 日本的eスポーツは確かに存在⇒ゲーセンの衰退とともに停滞 「Sport」の波は浸透、「Media Entertainment」も到来 ゲーム実況視聴は一般的な趣味に、eスポーツ視聴はまだマイナー プレイヤー人口の少なさがファン人口を制約 視聴者=プレイヤー、広い視聴者層は存在しない 覇権的タイトルは存在せず、複数タイトルで視聴者を奪い合い 日本でFPS・TPSでeスポーツを推進するゲーム企業不在 格闘ゲームも国内外で伸び悩む中、FPS・TPS需要を掴めるタ イトルとそのタイトルを中心とするeスポーツ競技環境の構築 を推進し、プレイヤー数を増やせる国内ゲーム企業が課題

Notes de l'éditeur

  1. ゲーム実況~eスポーツの広がりの整理 仮説:日本のeスポーツがさらに発展するには、ゲームタイトルの変化とプレイヤー・視聴者数の増加が必要 11月25日指摘 ・法的問題 ・アンケート調査をした理由 ・提言のつながりが不明 ・冒頭の繰り返しでの良いので最期をまとめる
  2. 2020年のesportsの総収入は11億ドルに達し、2019年と比較して1億5000万ドル近く増加 中国が収益の最大のシェアを占めるようになる(世界全体の35.0%) ストリーミングを導入したことで 2020年には1,820万ドル、2023年には3,160万ドルに成長。 2020年には、グッズやチケットからの収入がパブリッシャーフィー(イベントオーガナイザーに支払う料金)からの収入を上回る https://newzoo.com/insights/articles/esports-market-revenues-2020-2021-impact-of-covid-19-media-rights-sponsorships-tickets-japanese-version/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007188.000007006.html
  3. https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00253/00006/?P=1
  4. ビザの問題 海外選手が日本で賞金付きの試合に出場する場合、他競技の選手と同じく、興行ビザ基準省令3号、いわゆるアスリートビザを取得可能になった(2016年に韓国人選手が初取得)
  5. Taylor(2018)はこれらのeスポーツの流れを大きく3つに分け、それぞれにおける特徴を示している。1つ目が「Game」、2つ目が「Sports」、そして3つ目が「Media Entertainment」となっている。これらはeスポーツの歴史を俯瞰する上で、大きな示唆を与えている。 ・1st 「Game」の時代(90年代前半まで):余暇の時間に遊戯、娯楽として楽しむ。 ・2nd 「Sports」の時代(90年代中頃から00年代中頃まで):大会、リーグ、LANパーティなどの形式で、競技として競い合う。合わせて、リーグ・大会の運営組織やプロチームの運営、eスポーツ協会などの組織化が行われる。 ・3rd「Media Entertainment」の時代(00年代後期~10年代):メディア(動画配信サービスなど)を通して不特定多数がエンターテイメントとして楽しむ。組織やイベントはメディアと配信を中心に構成される。
  6. https://www.wikiwand.com/en/Ongamenet_Starleague 北米放送局DirecTV等が世界三大ネットワークを通じて2007年開始 最盛期には、北米、ヨーロッパ、アジアで合計16のプロチームを展開、年間リーグ戦を開催し、期待を集めた 競技に用いられたゲームタイトルの選択、既存ルールの無理やりな変更、地域主義との結びつきが不安定、全体的なトーンやアプローチの不一致などが、驚くほど短期間で組織を崩壊させた 例:韓国のアニメ専門チャンネル「トゥーニバース」がeスポーツのリーグ(Starleague)専門チャンネル開設(1999)
  7. 10万再生*0.1で10000 2016年、TwitchがCheeringを実装 以前からサードパーティ製の投げ銭サービスが存在 クリエイターへの還元率は6~7割程度 2017年、YoutubeがSuper Chatを実装 100円~5万円(1日上限5万)まで、チャットコメント投稿時に付与 金額が大きくなるほど、チャットコメント上に長く・大きく表示 クリエイターへの還元率は7割程度 個人レベルでの収益性の改善 オンデマンド配信の広告視聴回数による収益化 2007年、Youtubeパートナープログラム開始(1再生0.05~0.1円) ライブ・ストリーミングでの投げ銭による直接的な支援 2016年、Twitchが「Cheering」を実装(手数料は3~4割程度) 2017年、Youtubeが「Super Chat」を実装(手数料は3割程度) 利用資格の最低要件 すべての YouTube の収益化ポリシーを遵守している。 YouTube パートナー プログラムを利用可能な国や地域に居住している。 有効な公開動画の総再生時間が直近の 12 か月間で 4,000 時間以上である。 チャンネル登録者数が 1,000 人以上である。 リンクされている AdSense アカウントを持っている。 広告料金相場は1回視聴あたり平均3〜20円 https://www.somethingfun.co.jp/video_tips/youtube-advertisement-howmuch 新型コロナで公演中止のM.S.S Project、無観客ライブ配信にファンの“投げ銭”止まらず 「スパチャ1億」トレンド入り https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/05/news046.html
  8. 日本は、2019年は約483万人 ファン人口はゴルフと同じくらい サッカー:40億人 クリケット25億人 フィールドホッケー:20億人 テニス:10億人 バレーボール:9億人 卓球:8.75億人 バスケットボール:8.25億人 野球:5億人 ラグビー:4.75億人 ゴルフ:4.5億人 https://www.worldatlas.com/articles/what-are-the-most-popular-sports-in-the-world.html
  9. 日本人口7,783万人の約4% 世界は、2019年には4憶4300万人が視聴 プロ野球ファン人口:2462万人 Jリーグファン:1098万人 コロナ影響?プロ野球ファン人口223万人減 三菱UFJリサーチ&コンサルが調査 https://news.yahoo.co.jp/articles/269a7b994d89ffa5c17c71727d31cd6fa10ce744 世界ゲーム人口31億人 https://jp.ign.com/games/45983/news/30
  10. 世界は、2019年には4憶4300万人が視聴 https://abemaquick.com/game-channel-end/ 今につながるゲームを扱った番組「ゲームセンターCX(2003)」 有野晋哉(よゐこ)による番組、フジテレビONE(スカパー、CATV)
  11. 採用のゲームタイトルはTwitchにおける視聴ランキングTOP50内のeスポーツタイトル+事前調査で回答があったタイトル 赤字は日本企業:日本企業に偏っている 赤の暖色が一番高く、寒色になるほど下がり、青が5番目 しかし、荒野行動が上位に食い込んでいる また、過半数を超えるようなeスポーツにおける覇権的なタイトルはない。 最高でも30%程度 無数のゲームタイトルでeスポーツにおける視聴時間を取り合っている
  12. 採用のゲームタイトルはTwitchにおける視聴ランキングTOP50内のeスポーツタイトル+事前調査で回答があったタイトル 赤字は日本企業:日本企業に偏っている 赤の暖色が一番高く、寒色になるほど下がり、青が5番目 しかし、荒野行動が上位に食い込んでいる また、過半数を超えるようなeスポーツにおける覇権的なタイトルはない。 最高でも30%程度 無数のゲームタイトルでeスポーツにおける視聴時間を取り合っている
  13. 荒野行動のプレイ人口 https://lab.testee.co/knivesout-result https://lab.testee.co/social-game
  14. 2018 ファン数    実施数 実施率 野球  2775万人  384  14% Jリーグ 1154万人  436   38% デベロッパーの取り組み通り、 将棋参加人口 https://news.yahoo.co.jp/articles/b0eec5762413a6284914a6b172c8bdcbe93437c8 サッカー人口 https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/soccer_0018.html 野球人口 https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/baseball_0018.html ファン人口 https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2019/10/news_release_191011.pdf
  15. 法制度面(賞金問題等):景品表示法、風営法、刑法の漸次解決 今後の展開案として、  日本のeスポーツプレイヤー・チームが「K-POP方式」採用?  現在もプレイヤーは出稼ぎの状態(米国、韓国、中国等へ)